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第二話
第二話 9
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「そういえば、椿姉さんは?」
「椿は、剛と共に東野の使者たちの所にいる。」
楓は、キョロキョロと辺りを見回してそう言う。
素朴な疑問に答えたのは、護だった。
ウキウキとした様子で、籐麻や空の所に歩いてきた。
袖で隠れているが手に洗いきれていない筆の汚れがあった為、相当急いできたのだろう。
「剛もアレで頭はキレる。
椿も私とは違った意味で勉強になるだろう。」
そんな事を口にしながら、いそいそと訓練の準備を始めている。
…ぁあ、やる気なんだね。
優は呆れた様子で護を見た。
しかも、入り口には護の嫁である恵梨香が立っていた。
花の世話がしやすいようになのか短く整えた髪型、花柄の着物を着た小柄な女性だ。
子供達は、護に目がいっていて恵梨香には気がついていない。
「どれ、次は私が訓練の相手をしよう。
かかってきなさい。」
領主が直々に守護者候補の訓練相手など、他の所では珍しい事だ。
楓が他の子供と比べて群を抜いて強さが秀でているのは間違いなく彼のせいだろう。
「それじゃ…私から!」
楓は、ニッコリと笑いながら護に向かって走っていく。
護に対しても、楓は丸腰だ。
元々、武器を使わない体術使いなのだろうか?
そんな事を考えながら籐麻は2人を見る。
先に体を捻ってから繰り出した出の早めの掌底からすぐに屈んでの足払い、立ち上がる際の勢いを利用したパンチを3連と素早い連携を繰り出したが…護は全て紙一重で避けきる。
そして、護も楓と全く同じ連携で楓に攻撃を始めた。
しかし、タイミングや緩急なのは変えており楓は護のように避けきる事は出来ずに足払いからのパンチは手で弾くように防いだ。
「意地悪張らずに、いつものを使ってもいいんだぞ?
籐麻にも見せてやりなさい。」
護にそう言われると、楓は帽子を優に向かって投げると再び護に向かって走り出した。
楓は相当負けず嫌いなのだろう。
眉間に皺を少し寄せて、心なしか頬も膨らませている。
走った勢いを利用して飛び上がり、体を回転させると右手の袖から一枚の布が鞭のように護に向かって伸びていく。
護は、それも軽く後ろに飛んで避けて優に向かって手を伸ばした。
優は、少し大袈裟にため息をつくと護に向かって訓練用の木刀を投げ渡す。
「護身術の訓練だよ、優。
私から打ち込む事はないさ。」
心底楽しそうな表情を浮かべる護。
そこら辺の賊にはもう負ける事はないのに…。
その言葉がでかかったが、恩義のある主人のささやかな娯楽の一つだ。
子供とのチャンバラごっこ位は目を瞑るか。
優は、木刀を護に投げ渡した後にゆっくりと空と籐麻の所に向かって歩いた。
楓の攻撃が飛んできてもいいように。
「椿は、剛と共に東野の使者たちの所にいる。」
楓は、キョロキョロと辺りを見回してそう言う。
素朴な疑問に答えたのは、護だった。
ウキウキとした様子で、籐麻や空の所に歩いてきた。
袖で隠れているが手に洗いきれていない筆の汚れがあった為、相当急いできたのだろう。
「剛もアレで頭はキレる。
椿も私とは違った意味で勉強になるだろう。」
そんな事を口にしながら、いそいそと訓練の準備を始めている。
…ぁあ、やる気なんだね。
優は呆れた様子で護を見た。
しかも、入り口には護の嫁である恵梨香が立っていた。
花の世話がしやすいようになのか短く整えた髪型、花柄の着物を着た小柄な女性だ。
子供達は、護に目がいっていて恵梨香には気がついていない。
「どれ、次は私が訓練の相手をしよう。
かかってきなさい。」
領主が直々に守護者候補の訓練相手など、他の所では珍しい事だ。
楓が他の子供と比べて群を抜いて強さが秀でているのは間違いなく彼のせいだろう。
「それじゃ…私から!」
楓は、ニッコリと笑いながら護に向かって走っていく。
護に対しても、楓は丸腰だ。
元々、武器を使わない体術使いなのだろうか?
そんな事を考えながら籐麻は2人を見る。
先に体を捻ってから繰り出した出の早めの掌底からすぐに屈んでの足払い、立ち上がる際の勢いを利用したパンチを3連と素早い連携を繰り出したが…護は全て紙一重で避けきる。
そして、護も楓と全く同じ連携で楓に攻撃を始めた。
しかし、タイミングや緩急なのは変えており楓は護のように避けきる事は出来ずに足払いからのパンチは手で弾くように防いだ。
「意地悪張らずに、いつものを使ってもいいんだぞ?
籐麻にも見せてやりなさい。」
護にそう言われると、楓は帽子を優に向かって投げると再び護に向かって走り出した。
楓は相当負けず嫌いなのだろう。
眉間に皺を少し寄せて、心なしか頬も膨らませている。
走った勢いを利用して飛び上がり、体を回転させると右手の袖から一枚の布が鞭のように護に向かって伸びていく。
護は、それも軽く後ろに飛んで避けて優に向かって手を伸ばした。
優は、少し大袈裟にため息をつくと護に向かって訓練用の木刀を投げ渡す。
「護身術の訓練だよ、優。
私から打ち込む事はないさ。」
心底楽しそうな表情を浮かべる護。
そこら辺の賊にはもう負ける事はないのに…。
その言葉がでかかったが、恩義のある主人のささやかな娯楽の一つだ。
子供とのチャンバラごっこ位は目を瞑るか。
優は、木刀を護に投げ渡した後にゆっくりと空と籐麻の所に向かって歩いた。
楓の攻撃が飛んできてもいいように。
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