コバナシ

鷹美

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第一話

第一話 11

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翌日、改めて椿に認したがやはり意思が変わることはなかった。

敵を倒すのが目的ではなく、あくまで情報収集の尾行。
異変があれば、狼煙をあげて朱雀で撤退すると。
準備と訓練は怠らないように行動を徹底するなど幾つもの約束を踏まえて、尾行は椿に決定した。


とはいえ、直ぐにそんな事が起きるとは限らないので先に潰したい用事といえば…。


「まぁ、何よりも先に君には聞きたいことがあるんだ。
ねぇ、“オジャ島(おじゃじま)”。」


護と東の一行は、牢に幽閉した矢島の元にいる。
四大を使える事もあり、芋虫のように簀巻きにされた状態で牢に横たわっていた。


そんな矢島の顔の側の床を思い切り踏みつけて、暗黒微笑を優は浮かべている。


因みに、牢にいるのは優と矢島だけ。
残りは安全な牢の外側にいた。


「オジャ島ではない!
まったく…マロから話す事など何もない。」


プイッと顔を背ける。
勿論、優はそんな事を許す訳もなく無理やり顔を戻す。

あまり筋肉質ではないその腕にどんな力が…。
矢島は少し驚いた表情を見せる。


「矢島やぁ…素直に話した方が身のためじゃ。

優は、ワシの5倍位タチが悪い。
仮に戦ってもワシのように上手くいかんぞ。」



戦うかぁ…。
蓮の一言に優はピーンときた。
そして、コソコソと東達と話をした後に牢の扉を開けて矢島を拘束している縄を掴み引きずり外にでる。


「話す気がないなら、尋問から処分に変えよう。

ウチに火の使い手がいるから、見取り稽古みたいな感じの公開処刑が君への処罰にする。
勿論、君にも反撃の手段を与えよう僕を倒せば簡単に脱獄できるよ、よかったねオジャ島。」



かなりの急展開に、矢島は頭にハテナを浮かべて言われるがままに引きずられる。

ついた先は、処刑場。
昔からあるもので巨大な牢の中に絞首台などの処刑器具があった。

罪には罰を。
小さな領土でもそれはしっかりとルールに根付いていたようでかなり頑丈な物が用意されていた。

処刑器具を牢の外から追い出すと、矢島の縄を自分の剣で縄をほどき矢島の目の前に刀を投げ捨てる。
その刀は、優が倒した四大使いの侍がつかっていたものだ。


「あとは、欲しいものはないかな?
無ければ始めよう。

籐麻、椿、しっかりと見ているんだよ。」


優はそう言うと、左手に牙のような形状の剣と右手に盾に変形する剣を握り構える。

矢島も不満そうに刀を取ると膝をおり構えた。


「みくびりおって…。」

「ぁあ、そうそう。
初めから全力で来ないと直ぐに死んじゃうよ?」


【白虎】


優はそういうと、剣を交差させて自分の周囲に鎌鼬を発生させる。
ほぼノーモーションの動きに驚きつつも、矢島は咄嗟に後ろに下がった。
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