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プロローグ
プロローグ15
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「山賊の陰謀に巻き込んでしまって申し訳ない。
山賊の事もあるが…先ず先に、護殿のお話を聞こう。」
東がそういうと、東と護の対談が始まる。
護がこの地を訪ねた理由先にざっくりと説明した。
それは、護の目的は戦と呼ばれている蛮国を統一し立派な国として手を取り合っていくことである。
今すぐに誰を王として君臨させるわけではない。
対等な立場で各領土の領主達が手を取り合い、不毛な争いや領土内の秩序確立それが成り立った上で皆が慕い望んだ者を王とする。
昨今では、隣の国の動きが怪しいし神隠しの話も聞く。
各領土の技術や知識をかき集めれば隣国の戦略的な牽制が取れ、職がしっかりと確立することで貧富の差も大きく埋まるだろう。
なんども言うが…これは侵略ではなく、同盟。
剣を使わず、言葉で他の領主と対話しお互いが納得するように話をする。
初めに自分の領土の近くの敵対していない領土と交流を深めて徐々に勢力を拡大する予定のようだ。
「書面でもお伝えしたが、これだけだと現実味があまり無く説得力もない。
先ずは、私のほうから貴殿の利として領土開発の為の人材の貸し出しと多くはありませんが物資の提供をします。
既に準備は整っており、私の守護者であり弟の剛を遣いに出せば翌日には東野まで届けられるでしょう。」
護はそう言った後に東から貰ったお茶を口にする。
この提案は東にとってもありがたい話だろう。
しかし、彼はうーんと軽く唸る。
上手い話には裏がある。
そして…東野の状態を護はきっと知っているだろう。
東は困った表情を浮かべて口を開く。
「数ある領土の中で、この東が選ばれたのは光栄な事だと思います。
そして東野にとって大変ありがたい話ですが…余は貴殿に返せるものもない。
先代が亡くなった後、かなり…この東野は荒れました。
先代の戦士達の一部の謀反…隙を狙った山賊の撃退…。
兵も資金も失った我が領土は、城内の貴重品を売払い外壁を強化して避難所とし…攻めにくいように領土の周りを田畑にし…そこから囮も兼ねて作物の畑を配置。
作物もでるだけ早く収穫し、長持ちするように加工して場内に保管して…できる限り飢えを凌いで過ごしていました。
恥ずかしい話、民を守るべき私が民に守られている状態なのです。
勿論、同盟自体は喜ばしい話だと思います。」
東は東野の現状を包み隠さず話した。
弱みとも言えるこの内容を話したのは、護を信じるに値する人間だと蓮から聞きた話やこれまでの経緯で信じるに値すると判断したのだ。
同盟自体は望んでいる。
護はふむ…と顎に手を当ててそう考えると再び口を開く。
「なるほど…しかし、私も貴殿に限らず見返りを受け取る気はないのです。
戦と呼ばれるこの地を統一し…後世に繋げられる国として機能させるのが目的です。
それでも気に病むのであれば、今回は同盟だけでも私は構わないが…。」
「それでもです。
書面上の同盟だけが護殿の目的ではないでしょう。
真に意思を酌み交わし、技術の交換をしてより良い技術と合流をするのが目的の筈。
それをしてしまうと、目的が果たせないだけではなく関係は平行線でお互いの民が不満を感じてしまう。
貴殿に見返りなく物資を受け取る事は、借りになる。
交流が浅いうちに借りに近いものを作ってしまうと、それこそ貴殿のいう対等な立場ではなくなってしまう。
東野の本意では無く、借りがあるからと護殿の意思に同意する場合ができてしまうのは貴殿の本意ではないでしょう?
それに加えて、見返り無しに東野が物資を受け取り和国の方で不満をもつ家臣も出てしまう。
それでは、真の意味での同盟ではない。」
東はそれでもと力強く言い返した。
自分と相手、そしてお互いの民が納得して平等で対等な関係が同盟だと。
彼は、若いながらも真に民を思う領主。
護は心の中で感心した。
自分の選択の失敗を民にも負わせてしまうことをしっかりと理解している。
護は再び、お茶を口にした後に湯呑みの中を見ながら口を開く。
「借りとなるのが嫌なだけで、東野が困らない範囲で私達が望むもので我々の物資と交換ができた…その上での同盟であれば可能と認識でよろしいですか?」
護の問いに東は頭を縦に頷く。
それを見た護はニコッと笑った。
山賊の事もあるが…先ず先に、護殿のお話を聞こう。」
東がそういうと、東と護の対談が始まる。
護がこの地を訪ねた理由先にざっくりと説明した。
それは、護の目的は戦と呼ばれている蛮国を統一し立派な国として手を取り合っていくことである。
今すぐに誰を王として君臨させるわけではない。
対等な立場で各領土の領主達が手を取り合い、不毛な争いや領土内の秩序確立それが成り立った上で皆が慕い望んだ者を王とする。
昨今では、隣の国の動きが怪しいし神隠しの話も聞く。
各領土の技術や知識をかき集めれば隣国の戦略的な牽制が取れ、職がしっかりと確立することで貧富の差も大きく埋まるだろう。
なんども言うが…これは侵略ではなく、同盟。
剣を使わず、言葉で他の領主と対話しお互いが納得するように話をする。
初めに自分の領土の近くの敵対していない領土と交流を深めて徐々に勢力を拡大する予定のようだ。
「書面でもお伝えしたが、これだけだと現実味があまり無く説得力もない。
先ずは、私のほうから貴殿の利として領土開発の為の人材の貸し出しと多くはありませんが物資の提供をします。
既に準備は整っており、私の守護者であり弟の剛を遣いに出せば翌日には東野まで届けられるでしょう。」
護はそう言った後に東から貰ったお茶を口にする。
この提案は東にとってもありがたい話だろう。
しかし、彼はうーんと軽く唸る。
上手い話には裏がある。
そして…東野の状態を護はきっと知っているだろう。
東は困った表情を浮かべて口を開く。
「数ある領土の中で、この東が選ばれたのは光栄な事だと思います。
そして東野にとって大変ありがたい話ですが…余は貴殿に返せるものもない。
先代が亡くなった後、かなり…この東野は荒れました。
先代の戦士達の一部の謀反…隙を狙った山賊の撃退…。
兵も資金も失った我が領土は、城内の貴重品を売払い外壁を強化して避難所とし…攻めにくいように領土の周りを田畑にし…そこから囮も兼ねて作物の畑を配置。
作物もでるだけ早く収穫し、長持ちするように加工して場内に保管して…できる限り飢えを凌いで過ごしていました。
恥ずかしい話、民を守るべき私が民に守られている状態なのです。
勿論、同盟自体は喜ばしい話だと思います。」
東は東野の現状を包み隠さず話した。
弱みとも言えるこの内容を話したのは、護を信じるに値する人間だと蓮から聞きた話やこれまでの経緯で信じるに値すると判断したのだ。
同盟自体は望んでいる。
護はふむ…と顎に手を当ててそう考えると再び口を開く。
「なるほど…しかし、私も貴殿に限らず見返りを受け取る気はないのです。
戦と呼ばれるこの地を統一し…後世に繋げられる国として機能させるのが目的です。
それでも気に病むのであれば、今回は同盟だけでも私は構わないが…。」
「それでもです。
書面上の同盟だけが護殿の目的ではないでしょう。
真に意思を酌み交わし、技術の交換をしてより良い技術と合流をするのが目的の筈。
それをしてしまうと、目的が果たせないだけではなく関係は平行線でお互いの民が不満を感じてしまう。
貴殿に見返りなく物資を受け取る事は、借りになる。
交流が浅いうちに借りに近いものを作ってしまうと、それこそ貴殿のいう対等な立場ではなくなってしまう。
東野の本意では無く、借りがあるからと護殿の意思に同意する場合ができてしまうのは貴殿の本意ではないでしょう?
それに加えて、見返り無しに東野が物資を受け取り和国の方で不満をもつ家臣も出てしまう。
それでは、真の意味での同盟ではない。」
東はそれでもと力強く言い返した。
自分と相手、そしてお互いの民が納得して平等で対等な関係が同盟だと。
彼は、若いながらも真に民を思う領主。
護は心の中で感心した。
自分の選択の失敗を民にも負わせてしまうことをしっかりと理解している。
護は再び、お茶を口にした後に湯呑みの中を見ながら口を開く。
「借りとなるのが嫌なだけで、東野が困らない範囲で私達が望むもので我々の物資と交換ができた…その上での同盟であれば可能と認識でよろしいですか?」
護の問いに東は頭を縦に頷く。
それを見た護はニコッと笑った。
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