176 / 253
第十三話
第13話 22
しおりを挟む
そして、ナツは直ぐに瓦礫で槍を生成。
槍の先端で地面を叩くと、地面が割れて浮き上がっていく。
「…マるで、物語に出てくる魔王のようだな。
多方面の能力を圧倒的力で行使する。
私としては、雑魚を一方的に痛めつける趣味はないからその方が助かるがな!」
男は、ナツに向かって走り出した。
ナツも、槍を一振りして周囲に浮かぶ瓦礫を男に飛ばす。
先ほどの槍ほどまでとはいかないが、それでも巨大な瓦礫が飛ぶには早すぎる速度だった。
男は再び全身から、闇色の帯を放出。
体をグルンと回転させて自分に向かってくる瓦礫をなぎ払った。
そして、右手に闇色の帯をクルクルと纏めて作った大剣を握る。
「…なるほど、君は神話継承とインフィニティの両方を使うのか。
ところで、“君の力”は溜まったかい?」
「ッ!!」
ナツは、男の大剣を軽々と受け止めると男にそういった。
包帯で見えにくい表情が動揺を表している。
無理もない。
事実なのだから。
「神話継承の細かい力は知らない。
だけど、神話継承が力を溜めて放出する能力だとは知っている。
だから、君の持つ能力が溜まる時間を停止させてもらったよ。
なに、難しく考える必要はないさ。
DVDの録画設定と同じだと思えばいいさ。
止めたい所は止めて、好きな時間に進めたり戻したり。
必要であれば、そこをデリートすればいい。」
ナツは、後ろに飛ぶと同時に協力な引力を男にかける。
消費した溜まっていないせいで抵抗し切れず地面にどんどんめり込んでいく。
最終的には、ダメ押しとばかりに瓦礫で押しつぶすように地下の奥深くまでナツは男を沈めた。
力を解除して静まり返り、様子を少し見た後にゆっくりと次に歩みを進める。
ナツが進んだ先には、ニースがいるはずであろう屋敷があった。
だが、屋敷にはニースは疎か誰もいない蛻の殻になっていたのだ。
「…まるで、実験みたいだね…。」
『その通りだ。
貴様の事は見ていた。
アレらを撃退したのは正直驚いたが…まぁいい。
おかげで良いデータがとれた。
細やかではあるが、報酬を用意している…遠慮なく受け取るといい。』
スピーカーからナツに返事をするように声がながれた。
声の主は分からないままだが、ドグマと一緒に話していた男だろう。
声の正体を思考していると屋敷が崩れ始めていた。
神話継承使いとの戦いでスタミナは、それほど残されていない。
森羅万象使いがまだ残っているから、不用意な転移は無駄だろう。
だったら…。
ナツは、最小限の引力で瓦礫の下に空間を作りその場を凌いだ。
引力は微力なら使った形跡が非常に分かり難い。
安全な場所を確保するとナツは、能力を解除して大人しくした。
『さて…今後は如何しようか?
休憩がてら大人しくして、今後の様子を見ようかな。
微量の力しか使ってないし、カメラでは把握は不可。
この場にいたとしても、余程集中力するかしかないし…もう能力の余波はない。』
一晩が経ち、朝を迎えた。
その頃には警備の人間の足音が現れる。
ナツも勿論、起きていた。
足音の数からして人数は、小隊くらい。
姿は分からないが金属の擦れ具合から、武装にも気合いが入っているのだろう。
槍の先端で地面を叩くと、地面が割れて浮き上がっていく。
「…マるで、物語に出てくる魔王のようだな。
多方面の能力を圧倒的力で行使する。
私としては、雑魚を一方的に痛めつける趣味はないからその方が助かるがな!」
男は、ナツに向かって走り出した。
ナツも、槍を一振りして周囲に浮かぶ瓦礫を男に飛ばす。
先ほどの槍ほどまでとはいかないが、それでも巨大な瓦礫が飛ぶには早すぎる速度だった。
男は再び全身から、闇色の帯を放出。
体をグルンと回転させて自分に向かってくる瓦礫をなぎ払った。
そして、右手に闇色の帯をクルクルと纏めて作った大剣を握る。
「…なるほど、君は神話継承とインフィニティの両方を使うのか。
ところで、“君の力”は溜まったかい?」
「ッ!!」
ナツは、男の大剣を軽々と受け止めると男にそういった。
包帯で見えにくい表情が動揺を表している。
無理もない。
事実なのだから。
「神話継承の細かい力は知らない。
だけど、神話継承が力を溜めて放出する能力だとは知っている。
だから、君の持つ能力が溜まる時間を停止させてもらったよ。
なに、難しく考える必要はないさ。
DVDの録画設定と同じだと思えばいいさ。
止めたい所は止めて、好きな時間に進めたり戻したり。
必要であれば、そこをデリートすればいい。」
ナツは、後ろに飛ぶと同時に協力な引力を男にかける。
消費した溜まっていないせいで抵抗し切れず地面にどんどんめり込んでいく。
最終的には、ダメ押しとばかりに瓦礫で押しつぶすように地下の奥深くまでナツは男を沈めた。
力を解除して静まり返り、様子を少し見た後にゆっくりと次に歩みを進める。
ナツが進んだ先には、ニースがいるはずであろう屋敷があった。
だが、屋敷にはニースは疎か誰もいない蛻の殻になっていたのだ。
「…まるで、実験みたいだね…。」
『その通りだ。
貴様の事は見ていた。
アレらを撃退したのは正直驚いたが…まぁいい。
おかげで良いデータがとれた。
細やかではあるが、報酬を用意している…遠慮なく受け取るといい。』
スピーカーからナツに返事をするように声がながれた。
声の主は分からないままだが、ドグマと一緒に話していた男だろう。
声の正体を思考していると屋敷が崩れ始めていた。
神話継承使いとの戦いでスタミナは、それほど残されていない。
森羅万象使いがまだ残っているから、不用意な転移は無駄だろう。
だったら…。
ナツは、最小限の引力で瓦礫の下に空間を作りその場を凌いだ。
引力は微力なら使った形跡が非常に分かり難い。
安全な場所を確保するとナツは、能力を解除して大人しくした。
『さて…今後は如何しようか?
休憩がてら大人しくして、今後の様子を見ようかな。
微量の力しか使ってないし、カメラでは把握は不可。
この場にいたとしても、余程集中力するかしかないし…もう能力の余波はない。』
一晩が経ち、朝を迎えた。
その頃には警備の人間の足音が現れる。
ナツも勿論、起きていた。
足音の数からして人数は、小隊くらい。
姿は分からないが金属の擦れ具合から、武装にも気合いが入っているのだろう。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉
Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」
華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。
彼女の名はサブリーナ。
エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。
そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。
然もである。
公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。
一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。
趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。
そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。
「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。
ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。
拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる