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第十三話
第13話 16
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「…何かの間違いだっ!」
そこにナツが拘束された刑務所に声が響き渡った。
そこの入り口に、アイクを始めとするノラのメンバー全員がいる。
「間違いも何も襲撃された本人がいっているんだ間違いない。
それに、理由も辻褄もあっている。
…アンタらも下手な事は言わないほうがいい。」
「とりあえず、今回は帰ろう。
だが、ナツの無罪の証明と謝罪。
又は、拘束されるにあたったて正当な理由を提示しない限り…俺たちノラは“政府の為に”動かない。
あと、初めの内に言っておく。
インフィニティと違い俺たちノラはキーウエポンを取り上げても無駄だ。
地の果てまでキーウエポンを探せるし、サヤに関しては引き寄せられる。
上の人間にも言っておいてくれ。」
アイクは、それだけを告げると荒々しく刑務所の受付から離れていった。
アイクが帰ると同時にあの男が現れた。
「“ドグマ”様。」
「牙を剥かないだけマシだ、放っておいておけ。」
ナツの拘束を命令した男“ドグマ”は、それだけを告げると次の目的地の場所に向かっていく。
全ては仕組まれていた。
結局は…自分達の為に。
グレーズは、案外…知っていたのかもしれない。
見た所、ナツには手錠みたいな拘束具はない。
囚人服を着ているだけ。
弁護士の手配もなしでこれか。
これだけあからさまな根回しだとかえって清々しささえ感じる。
「アンタがナツか?」
後ろを振り向くと、太った看守の男がいた。
誰が見てもわかるくらい、交友的ではない顔付きをしている。
完全に見下し、蔑むような視線を向けていた。
「…僕に何かようかな?」
「いや、大した力も無いのにお上に牙を向いたバカ者を見に来ただけだ。」
看守は、座っているナツに視線を合わせるようにしてしゃがむ。
ナツは、別に睨む訳でもないが看守と視線を合わせて視線を外そうとはしなかった。
「なるほど…。
確かに、気に入らない顔付きはしるな。
自分は負けない、今はどうでも最終的には勝つ…と。
おめでたい野郎だ、ひっくり帰ろうが勝てない相手がいるのにな。」
「そうだね…おめでたい人間だと思うよ?
“君達は”。
最終的には勝つに決まっているさ、僕は間違っていないのだから。」
ナツは、不敵な笑みを浮かべて看守を見る看守は舌打ちをすると持ち場に戻った。
ナツを快く思わない人間は看守以外にもいた。
囚人達も一々、ナツにつっかかってくる。
そんな面倒くさい1日が終わり、自分の檻の中に帰った。
本日一番言われたのが、何処に目をつけてるんだ?
それに対して一番言った言葉は、聞かなくちゃ分からないのかい?
だった。
「…思った以上に、おめでたくて、面倒くさい奴らだね。
脱獄する気になるのがこんなに早くなるとは思わなかった。」
ナツがそう呟くと、檻の扉が開く音がした。
後ろを見ると、パーカーのついた黒いコートを着たロイがいた。
フードを深く被っていて、懐から同じ黒いコートとナツの私服を投げる。
「流石は僕の助手だね。
今なら無理矢理やらされましたで済まされるかもしれないけど…どうする?」
「指名手配上等。
クソッタレなお上に一泡吹かせられたのなら本望だよ教授。
それに…今は、お互いに“アレ”は使わない方がいいだろう。」
納得したような表情を見せたナツは、素早くロイに渡された服を着るとロイと一緒に脱出した。
ロイが来た時に、看守と随分遊んできたのだろう。
すんなりと脱出できた。
そこにナツが拘束された刑務所に声が響き渡った。
そこの入り口に、アイクを始めとするノラのメンバー全員がいる。
「間違いも何も襲撃された本人がいっているんだ間違いない。
それに、理由も辻褄もあっている。
…アンタらも下手な事は言わないほうがいい。」
「とりあえず、今回は帰ろう。
だが、ナツの無罪の証明と謝罪。
又は、拘束されるにあたったて正当な理由を提示しない限り…俺たちノラは“政府の為に”動かない。
あと、初めの内に言っておく。
インフィニティと違い俺たちノラはキーウエポンを取り上げても無駄だ。
地の果てまでキーウエポンを探せるし、サヤに関しては引き寄せられる。
上の人間にも言っておいてくれ。」
アイクは、それだけを告げると荒々しく刑務所の受付から離れていった。
アイクが帰ると同時にあの男が現れた。
「“ドグマ”様。」
「牙を剥かないだけマシだ、放っておいておけ。」
ナツの拘束を命令した男“ドグマ”は、それだけを告げると次の目的地の場所に向かっていく。
全ては仕組まれていた。
結局は…自分達の為に。
グレーズは、案外…知っていたのかもしれない。
見た所、ナツには手錠みたいな拘束具はない。
囚人服を着ているだけ。
弁護士の手配もなしでこれか。
これだけあからさまな根回しだとかえって清々しささえ感じる。
「アンタがナツか?」
後ろを振り向くと、太った看守の男がいた。
誰が見てもわかるくらい、交友的ではない顔付きをしている。
完全に見下し、蔑むような視線を向けていた。
「…僕に何かようかな?」
「いや、大した力も無いのにお上に牙を向いたバカ者を見に来ただけだ。」
看守は、座っているナツに視線を合わせるようにしてしゃがむ。
ナツは、別に睨む訳でもないが看守と視線を合わせて視線を外そうとはしなかった。
「なるほど…。
確かに、気に入らない顔付きはしるな。
自分は負けない、今はどうでも最終的には勝つ…と。
おめでたい野郎だ、ひっくり帰ろうが勝てない相手がいるのにな。」
「そうだね…おめでたい人間だと思うよ?
“君達は”。
最終的には勝つに決まっているさ、僕は間違っていないのだから。」
ナツは、不敵な笑みを浮かべて看守を見る看守は舌打ちをすると持ち場に戻った。
ナツを快く思わない人間は看守以外にもいた。
囚人達も一々、ナツにつっかかってくる。
そんな面倒くさい1日が終わり、自分の檻の中に帰った。
本日一番言われたのが、何処に目をつけてるんだ?
それに対して一番言った言葉は、聞かなくちゃ分からないのかい?
だった。
「…思った以上に、おめでたくて、面倒くさい奴らだね。
脱獄する気になるのがこんなに早くなるとは思わなかった。」
ナツがそう呟くと、檻の扉が開く音がした。
後ろを見ると、パーカーのついた黒いコートを着たロイがいた。
フードを深く被っていて、懐から同じ黒いコートとナツの私服を投げる。
「流石は僕の助手だね。
今なら無理矢理やらされましたで済まされるかもしれないけど…どうする?」
「指名手配上等。
クソッタレなお上に一泡吹かせられたのなら本望だよ教授。
それに…今は、お互いに“アレ”は使わない方がいいだろう。」
納得したような表情を見せたナツは、素早くロイに渡された服を着るとロイと一緒に脱出した。
ロイが来た時に、看守と随分遊んできたのだろう。
すんなりと脱出できた。
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