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第十一話
第11話 9
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光が収まって現れた姿は瞳の色は金色なものの、完全な人間だった。
背中からは大きな翼を、体には先ほどの白い龍を模しているのだと思うのだが、軽量型の白い鎧を身に纏っている。
まるで、神殿に飾ってあるような天使の絵そのものの姿をしていたのだ。
優しく大人しそうな見た目なのだが…恐らく最強の変身なのだろう威圧感が半端ではない。
「この姿になったのだ。
安らかに逝くといい。
私が行うのは、全て…神罰だ!」
ライトは、光になると先ずは朱雀の首を掴みベル達に向かって飛ばす。
B.Kの肩にいる玄武に護られてはいたが…攻撃の余波に耐えられず朱雀が消滅した。
ベルは、朱雀が耐えられない事を悟ると朱雀が消滅する前にB.Kを抱えてその場を離れる。
「ふむ、あのメガネ男は引き際がいい。
身の程を弁えているのだな。
それに免じて貴様は最後にしよう。
先ずは、吸血鬼…貴様だ。」
右手を顎に当ててそう言ったライトは、右手を下ろして右人差し指をエグザスに向けて細い光線を放つ。
エグザスはとっさに体を捻ったが、光線はエグザスの肩を簡単に貫通する。
「ほう…流石にやるな。
体を捻ったのか…。
そうだ。
何処かの物語の英雄は、光で出来た大量の剣を行使していたな。
数多の剣を仲間の墓標に見たてて…ふむ。
私もそうしよう。
正義は、死者の気持ちさえも汲み取るのだから。」
ライトはそう言うと、右手を下げた。
すると、エグザスの頭上から数多の光の剣が降って来る。
“心の0段”
だが、地面がめくれ上がりエグザスを守る。
そして、素早くハゲがエグザスを移動させた。
シオは、当たりそうな光の剣を狙撃。
打ち消すまではいかなくても、軌道は逸らして当たらないようにしていた。
ハゲとすれ違うようにグレーズがライトに向かっていく。
すれ違い様に、早く逃げろと言っていた。
「なんだ。
吸血鬼より先に罰を受けたいのか、チンピラ。
見るからに貴様はかなりの悪党のようだ。
悪は、生きる価値などない。」
「…あぁ、そうだな。
オッさんも少し前までは同じ事を思っていたさ。
だけど、それを間違いだと怒られたわ。
まだまだ社会や世界をろくに知りもしない小娘にな。
過ちを犯さない人間はいない。
生きている限り、人間は大なり小なり過ちを必ず犯している。
罪は確かに駄目なことだけど、罪を少しでも犯したからってその人の命に価値が無くなるわけじゃない。
自分の価値を見誤るな。
人は笑顔で生きるこそに意味があり、間違いを犯してもなお、正しい方向に向かって足掻くからこそ…美しいとな。
色んな人間を見捨ててきたが…オッさんを無償で受け入れて信用しちゃっているアイツらだけは…絶対に守りてーのよ。
最年長としては。」
ライトの言葉に同意しながら、グレーズはゆっくりと歩いてライトに近づいて行く。
ライトも特に攻撃をするわけでも無くグレーズの話に耳を傾けている。
一旦、話しを区切り深く深呼吸した後にギロリとライトを睨んだ。
「それにな…俺は、姐さんを殺したお前達が正義などと口にするのが…心底…気に入らないのよ。
俺たちのような世捨て人を救った…サヤ姐さんを俺たちの目の前で殺したお前らをよぉ!!」
グレーズは、怒りで震えた声でそう言うとキーウエポンを構える。
“体の10段”
グレーズは、力強く走り出した。
エグザスやカナが使っているものと同じく体からは絶えず雷が流れている。
そして、キーウェポンの銃口を突き出すように動かす。
“技の0段 角”
先ほどよりも段違いな速度にライトも流石に驚きの表情を浮かべた。
とっさに体を捻ってグレーズの攻撃を避けたが、肩に被弾して爆風で少し吹き飛んでいく。
咄嗟の行動が無かったら間違いなく即死だっただろう。
肩の肉はある程度吹き飛んでしまったが…これくらいなら問題ない。
ライトは、チラリと怪我の様子を見るとすぐにグレーズの方を見る。
爆炎によって飛ばされてライトの隙を逃さないようにグレーズは攻撃を続ける。
“技の0段 牙(きば)”
“技の0段 ”
“技の0段 爪”
先ずは、噛み付くような起動を描いた小型の追尾グレネード。
その後に真っ直ぐに飛ぶグレネード。
そして、地面を走る爪のような爆炎。
それぞれを間髪入れずに放った。
「忌々しいぞっ…人間!!」
ライトは、前方に光を纏わせた盾で攻撃を防ぐ。
恐らく攻撃がそのまま留まっているのを見ると跳ね返ってきそうだが…グレーズは攻撃はまだ終わらない。
背中からは大きな翼を、体には先ほどの白い龍を模しているのだと思うのだが、軽量型の白い鎧を身に纏っている。
まるで、神殿に飾ってあるような天使の絵そのものの姿をしていたのだ。
優しく大人しそうな見た目なのだが…恐らく最強の変身なのだろう威圧感が半端ではない。
「この姿になったのだ。
安らかに逝くといい。
私が行うのは、全て…神罰だ!」
ライトは、光になると先ずは朱雀の首を掴みベル達に向かって飛ばす。
B.Kの肩にいる玄武に護られてはいたが…攻撃の余波に耐えられず朱雀が消滅した。
ベルは、朱雀が耐えられない事を悟ると朱雀が消滅する前にB.Kを抱えてその場を離れる。
「ふむ、あのメガネ男は引き際がいい。
身の程を弁えているのだな。
それに免じて貴様は最後にしよう。
先ずは、吸血鬼…貴様だ。」
右手を顎に当ててそう言ったライトは、右手を下ろして右人差し指をエグザスに向けて細い光線を放つ。
エグザスはとっさに体を捻ったが、光線はエグザスの肩を簡単に貫通する。
「ほう…流石にやるな。
体を捻ったのか…。
そうだ。
何処かの物語の英雄は、光で出来た大量の剣を行使していたな。
数多の剣を仲間の墓標に見たてて…ふむ。
私もそうしよう。
正義は、死者の気持ちさえも汲み取るのだから。」
ライトはそう言うと、右手を下げた。
すると、エグザスの頭上から数多の光の剣が降って来る。
“心の0段”
だが、地面がめくれ上がりエグザスを守る。
そして、素早くハゲがエグザスを移動させた。
シオは、当たりそうな光の剣を狙撃。
打ち消すまではいかなくても、軌道は逸らして当たらないようにしていた。
ハゲとすれ違うようにグレーズがライトに向かっていく。
すれ違い様に、早く逃げろと言っていた。
「なんだ。
吸血鬼より先に罰を受けたいのか、チンピラ。
見るからに貴様はかなりの悪党のようだ。
悪は、生きる価値などない。」
「…あぁ、そうだな。
オッさんも少し前までは同じ事を思っていたさ。
だけど、それを間違いだと怒られたわ。
まだまだ社会や世界をろくに知りもしない小娘にな。
過ちを犯さない人間はいない。
生きている限り、人間は大なり小なり過ちを必ず犯している。
罪は確かに駄目なことだけど、罪を少しでも犯したからってその人の命に価値が無くなるわけじゃない。
自分の価値を見誤るな。
人は笑顔で生きるこそに意味があり、間違いを犯してもなお、正しい方向に向かって足掻くからこそ…美しいとな。
色んな人間を見捨ててきたが…オッさんを無償で受け入れて信用しちゃっているアイツらだけは…絶対に守りてーのよ。
最年長としては。」
ライトの言葉に同意しながら、グレーズはゆっくりと歩いてライトに近づいて行く。
ライトも特に攻撃をするわけでも無くグレーズの話に耳を傾けている。
一旦、話しを区切り深く深呼吸した後にギロリとライトを睨んだ。
「それにな…俺は、姐さんを殺したお前達が正義などと口にするのが…心底…気に入らないのよ。
俺たちのような世捨て人を救った…サヤ姐さんを俺たちの目の前で殺したお前らをよぉ!!」
グレーズは、怒りで震えた声でそう言うとキーウエポンを構える。
“体の10段”
グレーズは、力強く走り出した。
エグザスやカナが使っているものと同じく体からは絶えず雷が流れている。
そして、キーウェポンの銃口を突き出すように動かす。
“技の0段 角”
先ほどよりも段違いな速度にライトも流石に驚きの表情を浮かべた。
とっさに体を捻ってグレーズの攻撃を避けたが、肩に被弾して爆風で少し吹き飛んでいく。
咄嗟の行動が無かったら間違いなく即死だっただろう。
肩の肉はある程度吹き飛んでしまったが…これくらいなら問題ない。
ライトは、チラリと怪我の様子を見るとすぐにグレーズの方を見る。
爆炎によって飛ばされてライトの隙を逃さないようにグレーズは攻撃を続ける。
“技の0段 牙(きば)”
“技の0段 ”
“技の0段 爪”
先ずは、噛み付くような起動を描いた小型の追尾グレネード。
その後に真っ直ぐに飛ぶグレネード。
そして、地面を走る爪のような爆炎。
それぞれを間髪入れずに放った。
「忌々しいぞっ…人間!!」
ライトは、前方に光を纏わせた盾で攻撃を防ぐ。
恐らく攻撃がそのまま留まっているのを見ると跳ね返ってきそうだが…グレーズは攻撃はまだ終わらない。
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