Nora First Edition

第九話

第9話 3

“炎生む鉄”



アリエスは、直ぐに大鎌を出現させるとアキラの回し蹴りを防ぐ。
だが、アキラは勢いをつけて鎌に乗り上げるように体重をかけてアリエスの防御を崩すと銃口を向けた。


“技の1段”


放たれる炎は、アリエスに見事直撃する。
そして、そのまま左手の剣をアリエスに向けて振っていく。


“エックス”


アリエスは、直ぐに転移をしてアキラの斬撃が当たる前に回避し距離を開けたが…アキラは直ぐに転移先を逆算し、銃口を転移先に向ける。



“技の0段”



サマーやグレーズと同質のグレネードに似た弾を放つ。

アリエスは転移が済んだ瞬間にグレネードに当たり転がるように吹き飛ぶ。



「俺も傲慢のトレーニングを行なっている。

俺が引き出せたのは転移だけだったが…それでも、転移先を先読みするくらい難なくこなせる。」

「全く、優秀な人材がいて…羨ましい限りだよ。」



アリエスは、ゆっくりと立ち上がるとアキラを見る。


“技の4段 タケミカヅチ”


アキラに向かって極太の雷の光線が飛んできた。

アキラは、特にそれに視線を向けることなく光線の軌道上から離れるように軽くバックステップを踏んで避けた。

そして、直ぐにキーウェポンの束が飛んでくる。



キーウエポンの束をチラリと見たアキラは、首を一回転させると直ぐに回避行動に出た。

地面に突き刺すのが一番だとおもったのだろう。
剣や足、銃を巧みに扱いどんどん地面に刺していく。

基本は剣で叩き落とし、チャンスがあれば刃がついてない所を踏みつけるようにして足で地面に刺して行き、間に合わないのはガード兼牽制で銃で狙撃。



「相変わらず、反則な奴だ。」



アイクは、キーウエポンの束に紛れてアキラに近づくと右手に握るキーウェポンを振り下ろす。


「俺からしたらお前も充分、反則なんだがな！」


アキラは、左回転すると左手の剣でアイクの攻撃を弾く。
攻撃を弾かれガラ空きになった腹部を思いきり蹴り飛ばした。


転がるように吹き飛ばされているアイクにアキラは右手の銃を向ける。


“技の1段”


アキラは攻撃の手を緩める気は無く、容赦なく火の弾をアイクに向かって連続で放った。

アイクは、火の弾を防ぐために浮遊するキーウエポンで遮ろうとするが正確にアイクに被弾していく。



「それは、あまりいただけないな！」



“クロス・ゼロ”


アリエスは、直ぐにアイクの壁になるように立ち左手を前に掲げ透明な膜でアキラの技を防いだ。




「アイク殿、アリエス先生！」



カナも、そちらに加勢しようとしたがシュンが立ちふさがる。
大剣をかまえて。



「…そうですね。
あなた方を排除すれば、万事解決なんですよね。」


カナは、右手に握るキーウェポンを乱暴に地面に刺す。
刺さった所を中心にカナを包むような魔法陣が展開されていく。


シュンは、距離を置くように飛びサマーは銃口をカナに向け続けている。



“体の0段”



カナの体が魔法陣の光で包まれる。光はカナのふた周り位大きいドームとなって維持している。
そして、ガラスが割れるように光が砕けた。