Nora First Edition

鷹美

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第七話

第7話16

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「アリエス様、ティア様はいらっしゃいますかぁ!!」


「アンナさん、こっち!!

お願い、怪我人がいるの!!」



獣鎧が撤退した後にアンナ達が帰ってきた。
ティアは、それを聞くと急いでアンナを誘導する。



応急処置が迅速に行われていた為、ポープで完治に近い状態で治癒された。




「改めて、自己紹介をしよう。
俺はラグエル。

森羅万象の火のファーストサンプルだ。
さっきまで、獣共に洗脳をくらっていた。

迷惑をかけてすまなかった、迷惑をかけた分この戦争に貢献しよう。」

「私はフウ。
風のファーストサンプルだよ。

私も洗脳を食らってて、君達に迷惑をかけてしまってごめんなさい。
許される事ではないけど、戦争には前線で立つ事にするよ。」



ラグエルとフウは、それぞれ自己紹介をすると視線はロゼに向いていった。
ティアは、ふうっと息を吐き出してB.Kを見る。


B.Kは、薄々と気づいていたみたいで腕を組んでソワソワしていた。




「先に言っておくね。
ごめんなさい。

彼女は貴女と肩の怪我、そして貴女の大切な人を奪った関係者の一人。

雷のファーストサンプルのロゼ。

今は、前の戦いでアリエス先生から受けた怪我の為に寝ているわ。」

「…そうか。

…見回りのついでに…少しだけ外の空気を吸いにいってくる。」



B.Kは、ゆっくりと扉に向かいそして外に出て行った。


「すまない、アイツも割り切れない部分があると思う。

ベルが言っていた、B.Kは本当に思いやりのある奴だと。
割り切るのに時間がかかると思うが、絶対にロゼに対して冷たい態度はとらないだろう。


だから、お前もそんな顔をするな?」


今にも泣きそうな顔をしているティアをエグザスは、首をかしげて優しく微笑んだ。
ティアは、目を軽くこすって力強く頷く。


リンやラグエル、フウも何処かホッとした表情を浮かべていた。



「とりあえず、あの鎧共はドーベルマンで間違いないんだな?」

「うん。
最後の一撃に関しては、レントゲンをみている程度の感覚だけど内部の様子が分かるの。
自分たちでもいっていたし。」



アンナは、下を向いて悲しそうな表情を見せる。
エグザスも言いたいことが分かるのか、静かに息を吐き出した。



「同じ人間が相手だと戦い難いですわ。
どうにかして、無力化できませんか?」


「さあな。
アイクに話してみて、今後の話をしよう。

全てはそれからだ。」
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