Nora First Edition

鷹美

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第六話

第6話 13

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そんな形で話し合いを終えたアイク達は、各自で自室に戻った。

カナ達は、ティアに砦の中を案内している。
特にカナは、ベルが用意したであろう歓迎とかかれな真っ赤な旗を楽しそうに持ちながら歩いていた。



そんな中、アイクとアリエスはアイクの自室で話を続けていた。



「それで、お話とは。
もしや…2人きりだから〝サヤ〟がいない事をいいことに私を口説こうとしているのかな?」


イタズラを楽しむように意地悪な笑みを浮かべながらアリエスはアイクにそう言った。

アリエスがクスクスと笑う中、困った表情をしたアイクは机の引き出しから取り出した物をテーブルの上に置く。


「まさか、俺はアイツ一筋ですよ。

冗談はさておき、本題はアリエス教授がいる貴重な時間で資料のロックを解除したい。

教授の写真に乗っていた部下が命がけで手に入れた資料だ。」




アイクが机に置いたのはベルが遺したUSBだった。

アリエスがUSBを手に取り眺めている間にパソコンを起動させる。
パソコンが起動するとアリエスからUSBを受け取りファイルを広げようとするが…開いて直ぐにパスワードの記入欄が出てきた。


「これはどういうことかね?」

「本来ならば俺の作ったウイルスがパスワードを破壊してすぐに見れるようにするのだが…敵のセキュリティの方が強いようでこうなっている。

ベルも科学者の端くれだ。
パスワードだけとか、そんな失敗はしないだろう。」



データを見ると、アリエスは白衣の内ポケットから小さめのカードケースを取り出す。
カードケースを開くと、六枚のメモリーカードが収納されていた。


アイクがゆっくりと立ち上がりパソコンの椅子をアリエスに譲ると、アリエスはメモリーカードをパソコンに差し込みキーボードをうつ。



「やれるだけやってみよう。

私も、獣のデータが欲しくて奪取用ウイルスを作っていた所だ。
だが、このデータは見るからに機密中の機密。

あまり期待しないでくれ。」

「それでも、よろしく頼む。」



アリエスがキーボードをうつ様子をアイクは後ろから静かに見ていた。
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