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第四話
第4話 7
しおりを挟む†都心†
狙撃地点に弾除けとして、置いていたゴーレムから仲間達が撤退したのを確認すると安堵するように大きく息を吐いた。
「やっと…いったか。」
「オヤ、ヤット観念シタノカナ?」
思わずそうつぶやいたベルに対して鎧は手に槍を出現させながらそう言った。
嫌味なのだろうかとベルは視線を送るが、鎧からは特に悪意のようなものは感じない。
“心の0段”
ベルはコートを脱いで、そのコートでメガネを包むとキーウエポンの先端をぶつけて後ろに投げる。
投げられたコートは、鳥に変わって砦のほうに向かっていく。
「救援デモ、送ッタノカイ?」
「ブッブー。
生憎、日々の日課でね。
どちらにしろ、お前さんは目では追えないからメガネは邪魔だからさ。
大事なメガネ様をついでに、お家に帰したわけ。」
ベルは槍を持ち直すと、再び鎧に向かって走り出した。
2つの槍はぶつかり合り火花を散らす。
ゴーレムのおかげで、動きが分かるとは言っても慣れない肉弾戦は堪えるようで所々で表情を歪ませる。
「今ノハ、噂デ聞ク死亡フラグッテヤツカイ?」
「またも、ブッブー。
今のは、勝利宣言って言うんだよ!」
ベルは、大きく後ろに跳んで槍を地面に刺してゴーレムを複数召喚する。
たくさんのユニコーン、鷹、蜥蜴。
そして、最速のゴーレム“朱雀”。
鎧に向かって、ゴーレムを飛ばして足元は動きを封じる為に固定。
逃げるなら、今。
俺が朱雀に乗った瞬間だった。
「惜しかったナ。
お前の言ったのは、死亡フラグダ。」
獣鎧がそう言った瞬間に、ベルのゴーレムが消えた。
いや、ホープの効果が全て無くなったようだ。
現在進行形で稼働しているゴーレムや肉体強化が一切に。
幸い、心による治癒までは消えてないようだが肉体強化で誤魔化していた疲労も一気にきた。
再びホープを使えなければ、ベルの死は確実。
「かて、観念するんだナ。」
「すまん。
俺は…気持ち悪い位にしつこいんだ。」
ベルは、キーウエポンを剣形態にすると足を震わせながら立ち上がる。
ポープは使える様子はない。
自傷気味に笑うとヘロヘロな足取りで獣鎧に向かってキーウエポンを振り下ろした。
勿論、当たる筈もなく難なく避けられた後にベルの腹を目がけて自身の槍を突き刺す。
「すまん。
俺は、退場みたいだ。」
ベルがそう呟くと獣鎧は雑に槍を引き抜き地面に倒れるベルを見下ろす。
皆は、逃がした。
まぁ、俺にしては上々でしょ?
ベルは生き残ればしなかったが、満足気に瞼を閉じていった。
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