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第四話
第4話 3
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「逃ガサナイヨォ。」
のんびりとした口調とは裏腹に鎧は、ふさいだ入り口を簡単に突き破りベルを追いかける。
それを見たベルは、キーウエポンを杖形態にしてトントントンと連続で地面を叩く。
“心の0段”
叩いた箇所から魔方陣が浮かび上がり、合計五体のゴーレムを召喚した。
トカゲを模した大型の三体と速さ重視の小型の鳥を一体、そして自分を模したものを一体。
トカゲは鎧の視野を奪うために、鳥はアイク達に伝令を伝えるために、自分を模したゴーレムはカモフラージュの為に移動させた。
部屋の出口をふさぎ、廊下の状況をわからなくさせると、自分を模したゴーレムを目的地の逆方向…つまり出口に向かわせる。
「今回ばかりは、ヤバイな。
ったく、なんだよアレは。
あの情報が確かなら、俺は死ぬわけにはいかない。
アイツらも、死なせられない。」
ベルは、苗床の部屋に着くと直ぐに入り口をふさいで大型の魔方陣を浮かべる。
「手が離せないし、時間もないからこのまま話す。
俺は、ベル。
今、騒ぎを起こしているノラって組織の一員だ。
詳しい話は、後で聞いてくれ。
お前さん達を助けにきた。
だから…極力、おとなしくしてて。」
“心の0段”
ベルは、この部屋そのものをゴーレムにしようとした。
イメージは、飛行機。
時間をかけられず無理矢理に作っている為に、普段のような構成ができず、所々でミシミシと不快な音を響かせている。
「少し位、練習するんだったな。」
“コーダ”だったら、もっと上手くやれただろうか。
それでもベルはなんとか飛行機を作り上げて、だるま落としのようにビルから飛び立つ。
その後にキーウエポンを剣形態にして苗床を一人一人丁寧に解放した。
「すいません、ありがとうございます。」
苗床の内、一人の娘がベルに向かってそう言った。
苗床の人達は、寝るときに使う毛布を体に被せている。
「いや、気にしないで。
それより、俺はもう…ここから離れなくちゃいけないんだ。
目的地までは、絶対に安全につかせるから。
このUSBを預かって貰ってていいかな?」
ベルは、そういうとUSBを娘に渡して出口まで移動する。
娘は、とっさにベルの腕を掴む。
娘の表情は、とても怯えている表情だった。
そんな娘を見たベルは、クスッと笑った。
「あの時のB.Kみたいだな。」
「え?」
ベルは、娘の手を優しく引き離すと娘にヘラッと笑う。
「俺の仲間で、B.Kって奴がいるんだ。
とんでもなく強がりで、とんでもなく…寂しがりなめんどくさい女だ。
そんな奴も、最初は君みたいに怯えていたんだよ。
それ以外だってそうさ。
めんどくさい奴等だけど、大切な友だ。
君たちの不安もわかるけど…助けたいんだ。」
娘は、ベルの言いたい事がわかったのか静かに頷いた。
「…いってらっしゃい。」
「んじや、行ってきます。」
ベルは、力の抜けた声でそう言った後にゴーレムから飛び降りた。
のんびりとした口調とは裏腹に鎧は、ふさいだ入り口を簡単に突き破りベルを追いかける。
それを見たベルは、キーウエポンを杖形態にしてトントントンと連続で地面を叩く。
“心の0段”
叩いた箇所から魔方陣が浮かび上がり、合計五体のゴーレムを召喚した。
トカゲを模した大型の三体と速さ重視の小型の鳥を一体、そして自分を模したものを一体。
トカゲは鎧の視野を奪うために、鳥はアイク達に伝令を伝えるために、自分を模したゴーレムはカモフラージュの為に移動させた。
部屋の出口をふさぎ、廊下の状況をわからなくさせると、自分を模したゴーレムを目的地の逆方向…つまり出口に向かわせる。
「今回ばかりは、ヤバイな。
ったく、なんだよアレは。
あの情報が確かなら、俺は死ぬわけにはいかない。
アイツらも、死なせられない。」
ベルは、苗床の部屋に着くと直ぐに入り口をふさいで大型の魔方陣を浮かべる。
「手が離せないし、時間もないからこのまま話す。
俺は、ベル。
今、騒ぎを起こしているノラって組織の一員だ。
詳しい話は、後で聞いてくれ。
お前さん達を助けにきた。
だから…極力、おとなしくしてて。」
“心の0段”
ベルは、この部屋そのものをゴーレムにしようとした。
イメージは、飛行機。
時間をかけられず無理矢理に作っている為に、普段のような構成ができず、所々でミシミシと不快な音を響かせている。
「少し位、練習するんだったな。」
“コーダ”だったら、もっと上手くやれただろうか。
それでもベルはなんとか飛行機を作り上げて、だるま落としのようにビルから飛び立つ。
その後にキーウエポンを剣形態にして苗床を一人一人丁寧に解放した。
「すいません、ありがとうございます。」
苗床の内、一人の娘がベルに向かってそう言った。
苗床の人達は、寝るときに使う毛布を体に被せている。
「いや、気にしないで。
それより、俺はもう…ここから離れなくちゃいけないんだ。
目的地までは、絶対に安全につかせるから。
このUSBを預かって貰ってていいかな?」
ベルは、そういうとUSBを娘に渡して出口まで移動する。
娘は、とっさにベルの腕を掴む。
娘の表情は、とても怯えている表情だった。
そんな娘を見たベルは、クスッと笑った。
「あの時のB.Kみたいだな。」
「え?」
ベルは、娘の手を優しく引き離すと娘にヘラッと笑う。
「俺の仲間で、B.Kって奴がいるんだ。
とんでもなく強がりで、とんでもなく…寂しがりなめんどくさい女だ。
そんな奴も、最初は君みたいに怯えていたんだよ。
それ以外だってそうさ。
めんどくさい奴等だけど、大切な友だ。
君たちの不安もわかるけど…助けたいんだ。」
娘は、ベルの言いたい事がわかったのか静かに頷いた。
「…いってらっしゃい。」
「んじや、行ってきます。」
ベルは、力の抜けた声でそう言った後にゴーレムから飛び降りた。
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