上 下
40 / 40
四章 ゲームから出てきたサキュバスのために

第34話 君は悪魔。

しおりを挟む
   五


 君は悪魔、コアクマでもあるけれど本物の悪魔でサキュバス。突然に現れて、僕に死を突きつけて。ろくでもないと思った。型破りではちゃめちゃで、高校生には刺激が強すぎる。
でも、たったの二週間しかいなかったのに、僕は気づけば君に惹かれていて、君が元の世界へ帰ると知ったときは辛くてたまらなくなった。
本当はまだ別れを受け入れたくはないけれど、仕方がないのなら、僕は最後にこの想いを伝えたい。

     ♢

月曜日の夕方、学校が終わると僕はすぐに家に帰り、準備を整えたうえで約束の河川敷へと出向いた。
到着したのは、待ち合わせした六時の十分前だった。夏至が近いから、まだ日没までは少し余裕があった。河川敷は人がまばらで、草木が揺れる音と川のせせらぐ音だけがする。
田舎っぽいのどかな雰囲気の中、花束を持って立つタキシードの高校生は、明らかに場違いだった。奇特なものを見る目をひしひしと感じる。宝塚歌劇のイベントと思われているのかもしれない。なにせ澄鈴に言わせれば、僕の髪は艶々で女っぽいらしいのだから。
ちょうど二週間前のやりとりを思い出して、苦笑してしまう。

「ちょっと歪んでますよ」

そんな僕が首元に結んだ黒のリボンを、結愛は正してくれた。
彼女も、人目を奪うだけの格好をしていた。制服でゲームに戻ってはいけないからと、はじめに着てきたサキュバスの衣装に身を包んでいる。

「ありがとう、もう隠れててよ。澄鈴が来たらいけない」
「はい、じゃあそうします。……その、さようなら、ご主人様」
「うん、さようなら」

僕があっさり言ったのは、これで終わらせるつもりはなかったからだ。
結愛には、僕がこれからどうするつもりか伝えていなかった。おずおずと、たまに振り返りながらも、彼女は背丈の低い街路樹の元へ歩いていく。
最後の最後の大サプライズだ。こんな荒技、きっとハリウッドスターだってできやしない、そう思うとニヤついてしまう。
決心はとうについていた。むしろ焦れてしまいそうになるのを花束を背中に軽く押し当てて、すんでで抑える。
「なんなん、その格好。さすがにキメすぎちゃう? なんかの撮影かと思った。ウチ制服でよかったん?」
体感では、かなりの時間が経ってから、ようやく澄鈴はやってきた。
六時ちょうどだった。川中の噴水が高く噴き上げて、それを告げる。

「いいよ、別に。僕もそう思うけどさ、完璧にしなきゃいけなかったんだよ」
「完璧ねぇ。まぁ完璧かー、完璧に浮いてもいるけど」
「うるさいなぁ自覚はあるよ」

澄鈴はけらけらと笑う。たわいのない雑談が続きそうな雰囲気だったが、悠長にはしていられない。噴水の音に掻き消えてしまわないよう、

「話があるんだ」

僕は声を張り上げた。
後ろ手に隠していた薔薇の花束を澄鈴の方へ向ける。驚きが重なりすぎたらしく、「本気やね、ほんまに」こう言ったきり彼女は声を失っていた。
赤い薔薇はその数、実に百本だ。花言葉は、100%の愛。それと真ん中には一本だけマリーゴールドを忍ばせておいた。
学校で結愛と植えたものだ。その時は蕾だったが、ちょうど花開いていたから、一本頂いてきた。これの花言葉はなんだったっけ。
僕は舌を丸め、口の中の唾を全て飲む。後は、思うがままだ。そう思ったのだが、

「懐かしいなぁ、ここ」

澄鈴は、わざとらしく呟いて僕に背を向ける。

「覚えてへん? 小学生の時、毎日一緒に帰ってたこと」
「……覚えてるよ、少し前にも話しただろ。トイレ掃除の帰り道」予想外の展開に、僕は反応するのに少し時間がかかった。

「ウチは光男が言い出すまで忘れてた。でもさ、それは大事な思い出やないからやなくて、その後も何回も二人で通ってたから、思い出が上書きされてただけ。ウチはある意味、光男が当たり前になってたんかもね」

こちらを振り見て、ニカっと笑った。その姿が、記憶の中の幼く小さな澄鈴とだぶついた。
思えば、僕も彼女も随分背丈が伸びた。そう今になって気づくのは、彼女を見ない日がなかったからだろう。
たしかに好きだった。けれど、今は誰かさんへの思いがそれを上回ってしまった。

「なぁ。これは、あの子のお願いごとやねんけど」
「お願いごと?」
「うん。花火の時に頼まれたんよ。私はもうすぐ消えるから、そうしたら光男さんをお願いします、澄鈴さんしかいない、って」

僕は今さらになって、「女子だけの話」と言って阻まれた理由を知る。

「あいつ……」

澄鈴にまでそんなことを吹き込んでいたとは。自分が消えてからのことまで手をまわしているとは、お節介がすぎる悪魔だ。

「今からあんたが、その、言うてた(・・・・)ことするんなら、ウチはそのお願い頼まれてやれへんけど、えぇ?」

僕は僕で気を張り詰めていたが、澄鈴の目も同じくらいに真剣みを帯びていた。
風が二人を横から吹き付ける。薔薇の花びらがいくつか舞い上がって、僕らの間を割いた。

「うん」
「…………そう、ほんなら話続けて」

僕は一度、深呼吸をする。彼女のことを頭に思い浮かべる。
紫髪の魔女っ子サキュバス。僕のところへ急にやってきた、お節介がすぎるポンコツ少女。味覚がおかしくて、朝からラーメン食べるは、コーラはラッパ飲みしてしまう。すぐにべたべたくっいてきて、心臓に悪い。
けれど、二週間しかいなかったくせに、彼女は強烈なまでに僕を変えていった。何度も告白に失敗する僕を、諦めずに支えてくれた。君が来てくれたから、僕は今こうして勇気をもってここに立っていられる。
今からすることは、君が望むことではないのかもしれない。それでも、言わなければ気が済まない。僕は君のことが。

「好きだ。僕は、どうしたって君が、君が────」

君の名前は…………なんだっけ。
分からない、ついさっきまでは覚えていたのに、途端に分からなくなった。
まさかもう、時間切れになってしまったのだろうか。僕は小さく首を振る。水平線はまだ濃い橙に染まっていた。まだ日は沈んでいない。
思い出せ、思い出せないわけがないのだ。忘れないと誓った、君がいなくなっても僕は覚えていようと決めた。たかが二週間と言われるかもしれない。ちょろい、と彼女は笑うかもしれない。でも好きになってしまったんだから仕方ない。
だって僕はもうどうしようもないくらいには君のことが、

「僕は君が好きだ、甘利結愛!」

結愛が好きになってしまったのだから。だから、名前を忘れるわけがない。
僕は練習した通りに左膝を地面につけて、花束を結愛のいる草陰の方へ差し出す。人生通算八度目の計画にして、初めてできた告白だった。

「な、なんでっ!? わ、私に告白!? どうして!!」

思いがけなかったのだろう、結愛は勢い飛び出してくる。

「私はどっちにしたってほんとあと数分で消えるんですよ! なのに、なんで私!?」
「関係ないよ。むしろ最後に言えてよかった。告白はしたわけだし、これでゲームの中には戻れるでしょ?」
「ほんと、馬鹿なんですから。ご主人様は。私のお願い返してください!」
「返せないよ、そんなの。で、えっと。結愛? その、答えは……」
「うぅ、私も好きです~、大大大好きですけど!」

結愛が僕の胸に駆け込んでくるから、花束を置いて抱き留める。せっかく用意したのに、受け取ってもくれなかった。でも、まぁいい。
彼女は声を上げて泣きじゃくる。レンタルのタキシードにシミが広がっていった。

「はぁ。協力したったはえぇけど、どういう茶番なんよ。これ」

澄鈴は、大きくため息をついて言う。
澄鈴には、今朝方、結愛へ告白することを伝えてあったのだ。そして、あたかも告白を受けるかのように一芝居打ってもらった。

「ごめん、付き合わせちゃって」

夜の公園に置いけぼりにし、今度は告白にまで巻き込んだ。澄鈴には感謝しようにも謝罪しようにも、しきれない。

「えぇよ、もう迷惑かけられすぎて気にならんなった。……あー、でもちょっといい?」

澄鈴は大股で僕の方に迫る。
間近に見て、分かった。澄鈴の瞼には、涙の粒が光っていた。

「……澄鈴」

彼女は大きく手を振りかぶる。パンッ!! と、破裂音がするくらいの強い平手打ちを僕に食らわせた。
痛みで熱を持った頬に手を当てる。
驚きはしたが、すぐにこの痛みの重さを思って、なにも言えなくなる。

「後悔しなや、ウチを逃したこと! もう遅いからね!」

澄鈴は鞄を巻きつけるように、くるっと踵を返す。少し歩いてから一度止まって、夕日の方へ走り出した。

「行っちゃいましたよ、本当にいいんですか? 澄鈴さん、絶対おこですよ。それにたぶんご主人様のこと好きだったんじゃ……」

結愛は、伏し目がちに少しそっぽを向く。

「……いいよ。澄鈴にはちゃんと償うさ」
「そうしてください。私知りませんからね、明日からは一人ですよ?」
「分かってるよ」
「どうだか」

結愛は僕の顎を拳でくいっと突き上げる。吐息が、まだ腫れて赤みのある僕の頬にかかった。
痛いですか、まぁね、帰ったら手当してください、絆創膏あったかな、と一くさりのやり取りをする。
二人、目と目が合った。
僕がどうしたくて、彼女がなにを求めているかがたぶん一致した。

「く、口は初めてなので。その、優しくしてください」
「……サキュバスなのに?」
「だから設定なんです! それに、基本的に人にされる側は慣れてないというか。もう言わせないでくださいっ」

ほんとご主人様は。
そう、しょうがなさそうに不平を口にした結愛が愛おしくなって、僕は彼女がまばたきをした隙、その唇に触れる程度キスをした。
もう日暮れはすぐそこに近づいていた。
僅かに残った日が川面の下へ沈むまで、彼女が画面の奥へと戻ってしまうその瞬間まで、最後の甘い時間を。

「……………あれ、私」

そのはずが。

「私消えてない……? もしかして」

辺りが暗くなり、たしかに夜がやってきても、結愛はそこにいた。彼女は丸い瞳をぱちくりさせて、きょとんと首を捻る。

「消えてない!?」

僕は結愛の顔をぺたぺたと何度も触る、ほっぺを引っ張ると、ふにんと伸びる。血の温かみがある。

「……のこれらみたいでふね、わらし」

たしかに、結愛はそこにいた。なぜか。

「えぇと……もしかして、ご主人様が最後の最後まで私を忘れなかったから、ルールが変わったんでしょうか」
「はぁ、あぁ、えぇ」

僕は驚きやら喜びやらにいっぺんに襲われ、声にならない音を発するのがやっとだった。結愛はそんな僕の口をそっと塞ぐ。

「ご主人様、生きてます! 私!」

遠慮なく、数回キスをされた。それから力一杯に彼女は、また僕に腕を絡める。
通りがかりのサラリーマンは気にしない素振りをしつつも、こちらを凝視していた。いつからいたのだろう。近くで佇んでいたらしいおばさまなどは、「あらまぁ」と口を覆う。
ここへきて、僕は自分のやった行為がいかに大胆だったかと気づき顔が火照りだした。

「ご主人様、お家で続きしますか? まずは深いのから♡」
「するわけないだろっ!!!!」

僕の絶叫が、川辺に響き渡る。対岸の堤防に跳ね返って、二度こだました。

「むー、そう言うと思ってましたけど。もう夫婦なんですからいいじゃないですか」
「あ、当たり前だろ、物事にはステップっていうのがあってだな! 夫婦も飛躍しすぎだ!と、とにかく帰るぞ! 全く」
「はいっ。あ、薔薇どうしましょうか」
「あー……置いて帰るわけにもいかないよね、リビングにでも飾ろうか」

ここにこのままいると、晒し者になってしまう。中学生などに見られたら、イタいコスプレバカップルとしてネットに拡散されるかもしれない。
僕が顔を伏せながら早足で歩きだすと、結愛は左隣について、手をすくい上げる。ふふんと楽しげに前後に大きく振った。僕はほどけてしまわないよう、その手を握り返す。
明日からの騒がしいだろう日々に思いをやると、頭が痛くなった。学校でのはちゃめちゃな事件はまた起こるだろう、澄鈴にはどう説明しよう、両親が帰ってきたらどうしようか。

「晩御飯、ラーメン食べたいです!」
「うん、言われなくてもそれしかないよ」

だが、そんな先のことは全て、今は些細なことに思えた。
 結愛がここにいる。それだけで僕は十分幸せだ。

「じゃあ今日はお祝いなので、醤油ましましで、三杯は食べたいです♡」
「今度は健康的な問題で死ぬんじゃないかな、それ」

 たぶん。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話

釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。 文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。 そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。 工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。 むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。 “特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。 工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。 兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。 工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。 スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。 二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。 零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。 かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。 ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。

僕(じゃない人)が幸せにします。

暇魷フミユキ
恋愛
【副題に☆が付いている話だけでだいたい分かります!】 ・第1章  彼、〈君島奏向〉の悩み。それはもし将来、恋人が、妻ができたとしても、彼女を不幸にすることだった。  そんな彼を想う二人。  席が隣でもありよく立ち寄る喫茶店のバイトでもある〈草壁美頼〉。  所属する部の部長でたまに一緒に帰る仲の〈西沖幸恵〉。  そして彼は幸せにする方法を考えつく―――― 「僕よりもっと相応しい人にその好意が向くようにしたいんだ」  本当にそんなこと上手くいくのか!?  それで本当に幸せなのか!?  そもそも幸せにするってなんだ!? ・第2章  草壁・西沖の二人にそれぞれの相応しいと考える人物を近付けるところまでは進んだ夏休み前。君島のもとにさらに二人の女子、〈深町冴羅〉と〈深町凛紗〉の双子姉妹が別々にやってくる。  その目的は―――― 「付き合ってほしいの!!」 「付き合ってほしいんです!!」  なぜこうなったのか!?  二人の本当の想いは!?  それを叶えるにはどうすれば良いのか!? ・第3章  文化祭に向け、君島と西沖は映像部として広報動画を撮影・編集することになっていた。  君島は西沖の劇への参加だけでも心配だったのだが……  深町と付き合おうとする別府!  ぼーっとする深町冴羅!  心配事が重なる中無事に文化祭を成功することはできるのか!? ・第4章  二年生は修学旅行と進路調査票の提出を控えていた。  期待と不安の間で揺れ動く中で、君島奏向は決意する―― 「僕のこれまでの行動を二人に明かそうと思う」  二人は何を思い何をするのか!?  修学旅行がそこにもたらすものとは!?  彼ら彼女らの行く先は!? ・第5章  冬休みが過ぎ、受験に向けた勉強が始まる二年生の三学期。  そんな中、深町凛紗が行動を起こす――  君島の草津・西沖に対するこれまでの行動の調査!  映像部への入部!  全ては幸せのために!  ――これは誰かが誰かを幸せにする物語。 ここでは毎日1話ずつ投稿してまいります。 作者ページの「僕(じゃない人)が幸せにします。(「小説家になろう」投稿済み全話版)」から全話読むこともできます!

先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件

桜 偉村
恋愛
 別にいいんじゃないんですか? 上手くならなくても——。  後輩マネージャーのその一言が、彼の人生を変えた。  全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。  練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。  武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。  だから、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。  そうすれば、香奈は自分のモノになると思っていたから。  武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。  しかし、そこに香奈が現れる。  成り行きで香奈を家に上げた巧だが、なぜか彼女はその後も彼の家を訪れるようになって——。 「これは警告だよ」 「勘違いしないんでしょ?」 「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」 「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」  甘酸っぱくて、爽やかで、焦れったくて、クスッと笑えて……  オレンジジュース(のような青春)が好きな人必見の現代ラブコメ、ここに開幕! ※これより下では今後のストーリーの大まかな流れについて記載しています。 「話のなんとなくの流れや雰囲気を抑えておきたい」「ざまぁ展開がいつになるのか知りたい!」という方のみご一読ください。 【今後の大まかな流れ】 第1話、第2話でざまぁの伏線が作られます。 第1話はざまぁへの伏線というよりはラブコメ要素が強いので、「早くざまぁ展開見たい!」という方はサラッと読んでいただいて構いません! 本格的なざまぁが行われるのは第15話前後を予定しています。どうかお楽しみに! また、特に第4話からは基本的にラブコメ展開が続きます。シリアス展開はないので、ほっこりしつつ甘さも補充できます! ※最初のざまぁが行われた後も基本はラブコメしつつ、ちょくちょくざまぁ要素も入れていこうかなと思っています。 少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思った方は、ざっと内容を把握しつつ第20話、いえ第2話くらいまでお読みいただけると嬉しいです! ※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。 ※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

【完結】暁の荒野

Lesewolf
ファンタジー
少女は、実姉のように慕うレイスに戦闘を習い、普通ではない集団で普通ではない生活を送っていた。 いつしか周囲は朱から白銀染まった。 西暦1950年、大戦後の混乱が続く世界。 スイスの旧都市シュタイン・アム・ラインで、フローリストの見習いとして忙しい日々を送っている赤毛の女性マリア。 謎が多くも頼りになる女性、ティニアに感謝しつつ、懸命に生きようとする人々と関わっていく。その様を穏やかだと感じれば感じるほど、かつての少女マリアは普通ではない自問自答を始めてしまうのだ。 Nolaノベル様、アルファポリス様にて投稿しております。執筆はNola(エディタツール)です。 Nolaノベル様、カクヨム様、アルファポリス様の順番で投稿しております。 キャラクターイラスト:はちれお様 ===== 別で投稿している「暁の草原」と連動しています。 どちらから読んでいただいても、どちらかだけ読んでいただいても、問題ないように書く予定でおります。読むかどうかはお任せですので、おいて行かれているキャラクターの気持ちを知りたい方はどちらかだけ読んでもらえたらいいかなと思います。 面倒な方は「暁の荒野」からどうぞ! ※「暁の草原」、「暁の荒野」共に残酷描写がございます。ご注意ください。 ===== この物語はフィクションであり、実在の人物、国、団体等とは関係ありません。

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

魔法少女になれたなら【完結済み】

M・A・J・O
ファンタジー
【第5回カクヨムWeb小説コンテスト、中間選考突破!】 【第2回ファミ通文庫大賞、中間選考突破!】 【第9回ネット小説大賞、一次選考突破!】 とある普通の女子小学生――“椎名結衣”はある日一冊の本と出会う。 そこから少女の生活は一変する。 なんとその本は魔法のステッキで? 魔法のステッキにより、強引に魔法少女にされてしまった結衣。 異能力の戦いに戸惑いながらも、何とか着実に勝利を重ねて行く。 これは人間の願いの物語。 愉快痛快なステッキに振り回される憐れな少女の“願い”やいかに―― 謎に包まれた魔法少女劇が今――始まる。 ・表紙絵はTwitterのフォロワー様より。

冷酷魔法騎士と見習い学士

枝浬菰
ファンタジー
一人の少年がドラゴンを従え国では最少年でトップクラスになった。 ドラゴンは決して人には馴れないと伝えられていて、住処は「絶海」と呼ばれる無の世界にあった。 だが、周りからの視線は冷たく貴族は彼のことを認めなかった。 それからも国を救うが称賛の声は上がらずいまや冷酷魔法騎士と呼ばれるようになってしまった。 そんなある日、女神のお遊びで冷酷魔法騎士は少女の姿になってしまった。 そんな姿を皆はどう感じるのか…。 そして暗黒世界との闘いの終末は訪れるのか…。 ※こちらの内容はpixiv、フォレストページにて展開している小説になります。 画像の二次加工、保存はご遠慮ください。

ダンジョン菌にまみれた、様々なクエストが提示されるこの現実世界で、【クエスト簡略化】スキルを手にした俺は最強のスレイヤーを目指す

名無し
ファンタジー
 ダンジョン菌が人間や物をダンジョン化させてしまう世界。ワクチンを打てば誰もがスレイヤーになる権利を与えられ、強化用のクエストを受けられるようになる。  しかし、ワクチン接種で稀に発生する、最初から能力の高いエリート種でなければクエストの攻略は難しく、一般人の佐嶋康介はスレイヤーになることを諦めていたが、仕事の帰りにコンビニエンスストアに立ち寄ったことで運命が変わることになる。

処理中です...