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「戦闘機乗りの劣情」番外編
Eternal Love 2 ★
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タクシーでもエントランスでもエレベーターでも無言だった。
部屋に入って扉を閉めるなり、近間はリュックを床に落とし、直樹に飛びついてきた。
スタートからこんなに情熱的な近間は珍しい。嬉しくて、強く抱きしめると耳元で吐息が漏れた。
首筋から、近間の匂いが立ち上がる。いつだって直樹の官能を刺激する匂いだ。
息が荒くなるのを抑えられず、夢中でキスをした。キスをしながら、互いの服を脱がせていく。
触れ合う肌が熱くて眩暈がする。
「ん、なおき。んっ…」
甘やかな声。柔らかい口腔と絡みつく舌が気持ちよくて、ずっとキスをしていたくなる。
「近間さん、シャワー浴びますか」
キスの合間に囁くと、近間は首を振った。
「このままでいい。おまえの匂い、好きだから」
興奮に、一気に下半身に熱が溜まる。近間の腕を強く引いてベッドルームに駆け込むと、そのままベッドに押し倒した。
夕暮れと日没の境目で、部屋は薄青い。ベッドライトをつけると、薄闇に近間の身体が浮かび上がる。
とても綺麗だった。
近間に圧し掛かって愛撫を続けようとしたが、近間は腕の下から抜け出して、直樹の身体を押した。
「直樹。座って」
「え、でも」
「いいから」
「それって」
「おまえの、しゃぶりたいから」
え、え、しゃぶるって、え。何ですか、そのエッチな言い方。
動揺と期待でどきどきが止まらない直樹の股間に、桜色の唇が寄せられる。
小さな舌をすぼめてカリの裏側を刺激している。熱い舌の感触と溢れる唾液のぬめりが気持ちいい。
棒全体を愛した後、近間はより深く身を屈めると、直樹の睾丸を口に含んだ。転がすようにしながらしゃぶっている。
血管が浮いたペニスに、近間が白い頬を寄せている。なんて卑猥なコントラストだ。
なだらかな背中の先では、近間が自身のアナルを指で慣らそうとしている。
これは、無理だ。
「…っ!」
視覚の快楽に耐えられず、体がぶるりと震える。飛び出た白濁が、近間の顔や胸やシーツに飛び散った。
いくらなんでも早漏すぎる。
「す、すみません!」
「濃いな」
指を舐めて、近間が笑う。その顔の白濁を指先で拭った。
「近間さんに会えると思って、しばらく一人でもしてなかったので。貞淑でしょう?」
「貞淑って言うのか、それ」
「言うんですよ」
直樹は近間の身体を横たえると、尻の割れ目にローションを垂らした。
粘度の高い液体で肌が艶めく。
触れた蕾はふくりとしていて、指2本をするりと飲み込んだ。
久しぶりのはずなのに、思ったより抵抗がない。
中を搔きまわすと、近間が腰を震わせて喘いだ。
「やわらかいですね」
「…昨日から、慣らしてたから。あ、や、そこ」
「ん? どこですか?」
近間の良い所なんて訊かずともピンポイントで触れられるけれど、わざとそこを避けた。
この人は焦らした分だけ、挿れたときの快感が増幅する。
指先で腸壁を揉むように撫でる。前立腺のすぐそばをひっかくように刺激しながら、鈴口を爪の先でいじった。
近間の腰が浮き上がって揺れる。
「…っ、あ、あっ」
シーツに押し付けた唇から漏れる声が色っぽい。
「慣らしてたんですか? 自分で指を挿れて?」
「…そうだよっ」
「俺とするために?」
「他に何があるんだよ。貞淑だろ?」
まぜっかえすだけの余裕はあるらしい。一気に指を抜くと、穴がせつなくひくりと動いた。
手早くコンドームをつけて、近間の身体を仰向きにする。腹には直樹の精液が飛び散ったままだ。
「そういうのは、淫乱って言うんですよ」
囁いて、近間の中を一気に奥まで貫いた。
「ああっ!」
挿れられた衝撃で、近間のペニスから精液が飛び出した。ピンク色の先っぽからたらたらと白い液が溢れている。中がぎゅっとしまって、ものすごく気持ちいい。
「挿れられただけでイっちゃったんですか? やらしすぎでしょ」
「うるさい。…っ、あ、やだ、そこ突くなって」
「どうして。ここ、好きですよね」
ペニスの先で前立腺をこする度に、身体が白魚のように跳ねる。
「やだって、イったばっかだから」
「うん。イった後だから、気持ちいいですよね」
「あ、あ、うんっ…。きもち、いい…」
もっと優しく丁寧にしたかったけれど、腰が自然に動いてしまう。
ぎりぎりまで引いて、奥まで突き入れる。気持ちよさでどうにかなりそうだ。
どろどろに溶けて、自分と近間の境目が分からなくなる。
営みの合間合間。目が合うと、近間は優しく微笑んでくれる。
普段凛々しいこの人が、俺の腕の中でだけ、こんなに淫らに乱れて甘えてくれる。堪らない。大好きだ。
その日は、夜が更けて力尽きるまで愛し合った。
夜明け前に目が覚めたので、朝風呂に入ることにした。
近間と使おうと思って買っておいたラッシュのバスボムを落とし入れる。
カラフルな入浴剤の塊を湯舟に落とすと、ピンクや水色や黄色の泡がマーブル模様を描き、星屑のようなラメが浮かび上がった。ペパーミントの香りが爽やかだ。
「うわっ、なんだこれ」
身体の周りで渦を描き、色を変えてゆくお湯に、近間は子供のようにはしゃいでいる。情事の時の色香はどこへ行ったのか。
「なんか、宇宙みたいだな、この模様」
「正解。これ、宇宙をモチーフに作られたそうですよ。インターギャラクティックっていうバスボムです」
「おまえ、こういう女子が好きそうなグッズに詳しいよな」
「最近ハマってるんですよ、入浴剤。他にも沢山買い込んでるんで、色々試しましょう」
向かい合って風呂に入り、準備しておいたハーフボトルのシャンパンを飲む。至福の土曜日だ。
泡を掬って遊んでいる近間を眺める。
「近間さん、年々色っぽくなってますね」
「なんだそれ」
初めて出会ったときは、研ぎ澄まされた日本刀のような鋭くしなやかな身体をしていた。
その時より筋肉量は減ったが、変わらずしなやかで、直線的な美しいラインだ。
見た目も勿論大好きだ。
でも俺は、近間さんのどこが一番好きかって訊かれたら、迷わずに答える。
彼の生き様を愛しているのだと。
「なんだよ、じっと見て」
「風呂あがったら、もう1回しましょうね」
「おまえ、ちょっとは枯れるとか落ち着くとか」
「近間さんを前にした俺の辞書にそんな言葉はありません。50歳になっても60歳になっても、100歳になってもフル勃起する自信あります」
「朝から何言ってんだよ。100歳はさすがに無理だろ」
近間はあきれたように笑って、カラフルなお湯で水鉄砲を飛ばしてくる。それを受け止めて、直樹も水鉄砲で応戦する。
近間の笑顔を見るだけで、どんな嫌なことも乗り越えていける。
風呂から上がると、もう夜は明けていて、一日が始まろうとしていた。
遮光カーテンを開けると、シンガポールの眩い太陽が一気に差し込んでくる。
シンガポールの朝。新しい朝だ。
「おはようございます。近間さん」
「おはよう。直樹」
朝日を一身に浴びる近間が眩しくて、直樹は目を細めた。そんな直樹を見て近間が微笑む。
そして、直樹がこの先ずっと心に仕舞うことになる言葉をくれた。
「直樹。俺もだよ。白髪になってもよれよれのじーさんになっても、いつまでもおまえのことを愛おしいと思うし、おまえのことを考えるだけで興奮するよ」
部屋に入って扉を閉めるなり、近間はリュックを床に落とし、直樹に飛びついてきた。
スタートからこんなに情熱的な近間は珍しい。嬉しくて、強く抱きしめると耳元で吐息が漏れた。
首筋から、近間の匂いが立ち上がる。いつだって直樹の官能を刺激する匂いだ。
息が荒くなるのを抑えられず、夢中でキスをした。キスをしながら、互いの服を脱がせていく。
触れ合う肌が熱くて眩暈がする。
「ん、なおき。んっ…」
甘やかな声。柔らかい口腔と絡みつく舌が気持ちよくて、ずっとキスをしていたくなる。
「近間さん、シャワー浴びますか」
キスの合間に囁くと、近間は首を振った。
「このままでいい。おまえの匂い、好きだから」
興奮に、一気に下半身に熱が溜まる。近間の腕を強く引いてベッドルームに駆け込むと、そのままベッドに押し倒した。
夕暮れと日没の境目で、部屋は薄青い。ベッドライトをつけると、薄闇に近間の身体が浮かび上がる。
とても綺麗だった。
近間に圧し掛かって愛撫を続けようとしたが、近間は腕の下から抜け出して、直樹の身体を押した。
「直樹。座って」
「え、でも」
「いいから」
「それって」
「おまえの、しゃぶりたいから」
え、え、しゃぶるって、え。何ですか、そのエッチな言い方。
動揺と期待でどきどきが止まらない直樹の股間に、桜色の唇が寄せられる。
小さな舌をすぼめてカリの裏側を刺激している。熱い舌の感触と溢れる唾液のぬめりが気持ちいい。
棒全体を愛した後、近間はより深く身を屈めると、直樹の睾丸を口に含んだ。転がすようにしながらしゃぶっている。
血管が浮いたペニスに、近間が白い頬を寄せている。なんて卑猥なコントラストだ。
なだらかな背中の先では、近間が自身のアナルを指で慣らそうとしている。
これは、無理だ。
「…っ!」
視覚の快楽に耐えられず、体がぶるりと震える。飛び出た白濁が、近間の顔や胸やシーツに飛び散った。
いくらなんでも早漏すぎる。
「す、すみません!」
「濃いな」
指を舐めて、近間が笑う。その顔の白濁を指先で拭った。
「近間さんに会えると思って、しばらく一人でもしてなかったので。貞淑でしょう?」
「貞淑って言うのか、それ」
「言うんですよ」
直樹は近間の身体を横たえると、尻の割れ目にローションを垂らした。
粘度の高い液体で肌が艶めく。
触れた蕾はふくりとしていて、指2本をするりと飲み込んだ。
久しぶりのはずなのに、思ったより抵抗がない。
中を搔きまわすと、近間が腰を震わせて喘いだ。
「やわらかいですね」
「…昨日から、慣らしてたから。あ、や、そこ」
「ん? どこですか?」
近間の良い所なんて訊かずともピンポイントで触れられるけれど、わざとそこを避けた。
この人は焦らした分だけ、挿れたときの快感が増幅する。
指先で腸壁を揉むように撫でる。前立腺のすぐそばをひっかくように刺激しながら、鈴口を爪の先でいじった。
近間の腰が浮き上がって揺れる。
「…っ、あ、あっ」
シーツに押し付けた唇から漏れる声が色っぽい。
「慣らしてたんですか? 自分で指を挿れて?」
「…そうだよっ」
「俺とするために?」
「他に何があるんだよ。貞淑だろ?」
まぜっかえすだけの余裕はあるらしい。一気に指を抜くと、穴がせつなくひくりと動いた。
手早くコンドームをつけて、近間の身体を仰向きにする。腹には直樹の精液が飛び散ったままだ。
「そういうのは、淫乱って言うんですよ」
囁いて、近間の中を一気に奥まで貫いた。
「ああっ!」
挿れられた衝撃で、近間のペニスから精液が飛び出した。ピンク色の先っぽからたらたらと白い液が溢れている。中がぎゅっとしまって、ものすごく気持ちいい。
「挿れられただけでイっちゃったんですか? やらしすぎでしょ」
「うるさい。…っ、あ、やだ、そこ突くなって」
「どうして。ここ、好きですよね」
ペニスの先で前立腺をこする度に、身体が白魚のように跳ねる。
「やだって、イったばっかだから」
「うん。イった後だから、気持ちいいですよね」
「あ、あ、うんっ…。きもち、いい…」
もっと優しく丁寧にしたかったけれど、腰が自然に動いてしまう。
ぎりぎりまで引いて、奥まで突き入れる。気持ちよさでどうにかなりそうだ。
どろどろに溶けて、自分と近間の境目が分からなくなる。
営みの合間合間。目が合うと、近間は優しく微笑んでくれる。
普段凛々しいこの人が、俺の腕の中でだけ、こんなに淫らに乱れて甘えてくれる。堪らない。大好きだ。
その日は、夜が更けて力尽きるまで愛し合った。
夜明け前に目が覚めたので、朝風呂に入ることにした。
近間と使おうと思って買っておいたラッシュのバスボムを落とし入れる。
カラフルな入浴剤の塊を湯舟に落とすと、ピンクや水色や黄色の泡がマーブル模様を描き、星屑のようなラメが浮かび上がった。ペパーミントの香りが爽やかだ。
「うわっ、なんだこれ」
身体の周りで渦を描き、色を変えてゆくお湯に、近間は子供のようにはしゃいでいる。情事の時の色香はどこへ行ったのか。
「なんか、宇宙みたいだな、この模様」
「正解。これ、宇宙をモチーフに作られたそうですよ。インターギャラクティックっていうバスボムです」
「おまえ、こういう女子が好きそうなグッズに詳しいよな」
「最近ハマってるんですよ、入浴剤。他にも沢山買い込んでるんで、色々試しましょう」
向かい合って風呂に入り、準備しておいたハーフボトルのシャンパンを飲む。至福の土曜日だ。
泡を掬って遊んでいる近間を眺める。
「近間さん、年々色っぽくなってますね」
「なんだそれ」
初めて出会ったときは、研ぎ澄まされた日本刀のような鋭くしなやかな身体をしていた。
その時より筋肉量は減ったが、変わらずしなやかで、直線的な美しいラインだ。
見た目も勿論大好きだ。
でも俺は、近間さんのどこが一番好きかって訊かれたら、迷わずに答える。
彼の生き様を愛しているのだと。
「なんだよ、じっと見て」
「風呂あがったら、もう1回しましょうね」
「おまえ、ちょっとは枯れるとか落ち着くとか」
「近間さんを前にした俺の辞書にそんな言葉はありません。50歳になっても60歳になっても、100歳になってもフル勃起する自信あります」
「朝から何言ってんだよ。100歳はさすがに無理だろ」
近間はあきれたように笑って、カラフルなお湯で水鉄砲を飛ばしてくる。それを受け止めて、直樹も水鉄砲で応戦する。
近間の笑顔を見るだけで、どんな嫌なことも乗り越えていける。
風呂から上がると、もう夜は明けていて、一日が始まろうとしていた。
遮光カーテンを開けると、シンガポールの眩い太陽が一気に差し込んでくる。
シンガポールの朝。新しい朝だ。
「おはようございます。近間さん」
「おはよう。直樹」
朝日を一身に浴びる近間が眩しくて、直樹は目を細めた。そんな直樹を見て近間が微笑む。
そして、直樹がこの先ずっと心に仕舞うことになる言葉をくれた。
「直樹。俺もだよ。白髪になってもよれよれのじーさんになっても、いつまでもおまえのことを愛おしいと思うし、おまえのことを考えるだけで興奮するよ」
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