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第2章 水の都アクアエデンと氷の城
緊急イベント 4
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《もうすぐ着く。》
歩き出して3分が経過しただろうか。
蜂がそう言って見上げたのは氷の城から少し離れた巨木だった。
氷の城の最上階まであるのではないかという高さで上が見えない。
あまりの大きさに太陽が遮り木漏れ日すらも無かった。
「………え?これ登るの?」
「え?マジか」
翼無しのプレイヤーが絶望する中、数人の翼有りプレイヤーはニヤリとドヤ顔をしていた。
「あ、リィンちゃん先に吸っといた方がいいんじゃないかしら」
アレイスターが思い出したように言うと、リィンは急いでゲージを確認する。
まだオールグリーンではあるが、ログインしてから結構時間がたっていた。
これから身動きが取れなくなったら困る。
今回は順番でグレンがリィンの食事役である為、リィンは申し訳なさそうにグレンの方へと近づいた。
「………すいません」
「いや、かまわん」
グレンが少し屈み、リィンが肩に手を掛けた時
ススス………とクラーティアとナズナが近づく。
「グレンさん、すぐ終わりますから。ほら、服を脱いで私に全てを任せてください……」
「…………痛いのは嫌だから優しくして」
「もちろんです……あー……」
「何言ってるんですか!!」
リィンとグレンの横に来たクラーティアとナズナが同じポーズで話し出す。
どうやらクラーティアがリィン役で、ナズナがグレン役らしい。
しかし、グレンが似ても似つかない。
「リィンが緊張してるから」
ナズナが無表情のまま親指を立てると、グレンはその親指を強く握ったり
「!グレンいたい!」
「まったく」
「「ぶーぶー」」
リィンが顔を赤らめながらグレンを見ていると、グレンは再度屈み首から肩にかけて服を引っ張った。
促されリィンはゆっくりとグレンの首に唇を押し付ける。
皆が食い入るように見る中
ピローン、ピローン
「……………えへ」
「………………………うふ」
スイとクリスティーナが同時にスクショを撮った。
物凄く、綺麗で絵になっているのだ
2人はスクショを見比べ頷きあうと、クラメンは時間無いから後で見せてね。
よし、上飛ぶわよ!
おぅ!!
捲し立てるようにセラニーチェが言い、全員がいい返事を返した。
翼有りは早速飛び上がり、ニヤニヤと上からリィンとグレンを見る。
それはフェアリーロードだけじゃなく、あの蜂に狙われた3パーティもだった。
「や、やめてください!スクショ消してぇ!」
リィンが近くにいたクリスティーナに全力で飛びかかるが、クリスティーナは高笑いをしながら貝殻を閉めた。
中に隠れる絶対防御のクリスティーナである。
「転載はしないから、絶対」
チラッと隙間を開けて言うクリスティーナは、残念だけど飛べないから待ってるわね!と伝える。
その間グレンはスイに近づきスクショを見た。
確かに綺麗に撮れている。
だが、やられっぱなしはな…と呟いたグレンは急にスイの肩を引き近づくと、自撮り感覚でスクショを撮った。
至近距離で頬を寄せ合う二人、スイは軽くグレンを見上げている。
「!?」
「まぁまぁか。」
「グレンさん!?」
スクショを見て満足そうなグレンに、後ろで騒ぐタク。
ナズナがそれに目を光らせ、ニヤリと笑い足をシュッ!シュッ!と動かしていた。
暴走天使、危険
「よし、行けるヤツは出発!スイは誰かに捕まって行けよ」
キーになりうるスイは決定。
しかし3メートル縛りがある為、木の高さまでは無理だろう。
蜘蛛を頭に乗せたままのスイは頷き翼有りを見るが一斉に視線を外された。
「……………リィンさぁん」
「!い、行きましょう!」
蜘蛛に怯えながら恐る恐る近づきスイの横に立つと、蜘蛛はガサッと音を立ててスイから降りた。
ワサワサと動き、カガリの横に来る。
「うぉ!…………」
うるうるうるうる
涙目で見上げる蜘蛛と見つめ合うカガリ。
ため息を吐き出してから手を差し出すと、満面の笑みを浮かべて飛び上がり腕にくっつく。
もちろん、満面の笑みは雰囲気です。
「待ってるとよ。行ってこい」
「はい!お願いします」
「行きましょう」
「はい!」
リィンにギュッと抱き着くと、リィンは嬉しそうに恥ずかしそうに笑って飛び立った。
「………スイさん」
「はい?」
「…………………帰ったら私ともスクショ撮りましょう、ね?」
チラッと見るリィンの顔は茹でたこみたいに赤くなっていた。
歩き出して3分が経過しただろうか。
蜂がそう言って見上げたのは氷の城から少し離れた巨木だった。
氷の城の最上階まであるのではないかという高さで上が見えない。
あまりの大きさに太陽が遮り木漏れ日すらも無かった。
「………え?これ登るの?」
「え?マジか」
翼無しのプレイヤーが絶望する中、数人の翼有りプレイヤーはニヤリとドヤ顔をしていた。
「あ、リィンちゃん先に吸っといた方がいいんじゃないかしら」
アレイスターが思い出したように言うと、リィンは急いでゲージを確認する。
まだオールグリーンではあるが、ログインしてから結構時間がたっていた。
これから身動きが取れなくなったら困る。
今回は順番でグレンがリィンの食事役である為、リィンは申し訳なさそうにグレンの方へと近づいた。
「………すいません」
「いや、かまわん」
グレンが少し屈み、リィンが肩に手を掛けた時
ススス………とクラーティアとナズナが近づく。
「グレンさん、すぐ終わりますから。ほら、服を脱いで私に全てを任せてください……」
「…………痛いのは嫌だから優しくして」
「もちろんです……あー……」
「何言ってるんですか!!」
リィンとグレンの横に来たクラーティアとナズナが同じポーズで話し出す。
どうやらクラーティアがリィン役で、ナズナがグレン役らしい。
しかし、グレンが似ても似つかない。
「リィンが緊張してるから」
ナズナが無表情のまま親指を立てると、グレンはその親指を強く握ったり
「!グレンいたい!」
「まったく」
「「ぶーぶー」」
リィンが顔を赤らめながらグレンを見ていると、グレンは再度屈み首から肩にかけて服を引っ張った。
促されリィンはゆっくりとグレンの首に唇を押し付ける。
皆が食い入るように見る中
ピローン、ピローン
「……………えへ」
「………………………うふ」
スイとクリスティーナが同時にスクショを撮った。
物凄く、綺麗で絵になっているのだ
2人はスクショを見比べ頷きあうと、クラメンは時間無いから後で見せてね。
よし、上飛ぶわよ!
おぅ!!
捲し立てるようにセラニーチェが言い、全員がいい返事を返した。
翼有りは早速飛び上がり、ニヤニヤと上からリィンとグレンを見る。
それはフェアリーロードだけじゃなく、あの蜂に狙われた3パーティもだった。
「や、やめてください!スクショ消してぇ!」
リィンが近くにいたクリスティーナに全力で飛びかかるが、クリスティーナは高笑いをしながら貝殻を閉めた。
中に隠れる絶対防御のクリスティーナである。
「転載はしないから、絶対」
チラッと隙間を開けて言うクリスティーナは、残念だけど飛べないから待ってるわね!と伝える。
その間グレンはスイに近づきスクショを見た。
確かに綺麗に撮れている。
だが、やられっぱなしはな…と呟いたグレンは急にスイの肩を引き近づくと、自撮り感覚でスクショを撮った。
至近距離で頬を寄せ合う二人、スイは軽くグレンを見上げている。
「!?」
「まぁまぁか。」
「グレンさん!?」
スクショを見て満足そうなグレンに、後ろで騒ぐタク。
ナズナがそれに目を光らせ、ニヤリと笑い足をシュッ!シュッ!と動かしていた。
暴走天使、危険
「よし、行けるヤツは出発!スイは誰かに捕まって行けよ」
キーになりうるスイは決定。
しかし3メートル縛りがある為、木の高さまでは無理だろう。
蜘蛛を頭に乗せたままのスイは頷き翼有りを見るが一斉に視線を外された。
「……………リィンさぁん」
「!い、行きましょう!」
蜘蛛に怯えながら恐る恐る近づきスイの横に立つと、蜘蛛はガサッと音を立ててスイから降りた。
ワサワサと動き、カガリの横に来る。
「うぉ!…………」
うるうるうるうる
涙目で見上げる蜘蛛と見つめ合うカガリ。
ため息を吐き出してから手を差し出すと、満面の笑みを浮かべて飛び上がり腕にくっつく。
もちろん、満面の笑みは雰囲気です。
「待ってるとよ。行ってこい」
「はい!お願いします」
「行きましょう」
「はい!」
リィンにギュッと抱き着くと、リィンは嬉しそうに恥ずかしそうに笑って飛び立った。
「………スイさん」
「はい?」
「…………………帰ったら私ともスクショ撮りましょう、ね?」
チラッと見るリィンの顔は茹でたこみたいに赤くなっていた。
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