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公爵家の誕生パーティー②
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「さぁ、お嬢様!昼食も済みましたし急いで準備しましょうね!」
(めんどくさいなぁ…)
「リリィ急いでどれくらいかかる?」
「うーん…そうですねぇ…2時間くらいでしょうか」
「そんなにかかるの!?」
「はい、朝も3時間はかかりましたからねぇ…」
(3時間もかかってたんだ……)
朝は皇太子とのフラグの事ばかり考えていて時間なんて見る暇が無かったから気付かなかった。
「さ!無駄話はこの辺りで終わらせて直ぐに準備に取り掛かりましょうね♪」
「はぁい…」
そして私は3人の侍女によって急いで着替えさせられた。
1度着せたからか2度目はかなりスムーズに着替えることが出来た。
「お嬢様、終わりましたよ♪」
「うん、ありがとう皆」
「この後はどうしますか?」
「うーん…ちょっとお散歩でもしてくるね。リリィ達はここで休んでて!」
「お一人で行かれるのですか!?」
「うん!時間までには戻るから!!!」
そう言って私は走って部屋を飛び出した。
「はぁ~……パーティーなんて嫌だなぁ…いっそこのまま逃げちゃいたい」
部屋を飛び出して庭園についた私はぶつぶつと文句を言いながら散歩をしていた。
すると急に後ろから声が聞こえてきた。
「パーティーがお嫌いなのですか?」
驚いて後ろを向くとそこには見た事のない男の子が立っていた。
「貴方は?」
私が警戒しながらそう言うと男の子は優しい笑顔で話を続けた。
「私は隣国ソレイユ帝国の皇太子ウィリアムスと言います。あまりにも素敵な庭園だったもので思わず入ってしまいました」
(ウィリアムス?そんな人あのゲームで出てきたかしら……)
「これは失礼致しました。私はシルヴィア・ルミエールと言います。この庭園がウィリアムス殿下のお気に召したようでとても光栄でございますわ」
私がそう言うと殿下は『はて?』と言うような表情を浮かべた。
「えっと…どうされましたか?」
すると『んー…』と考えるような仕草をしたあと「パーティー…お嫌いなんですか?」と聞いてきた。
(……確かに聞かれたけど)
まさかここまでこの質問を聞かれるとは思ってなかった。
「えぇ…まぁ…少し…。人の多い所は苦手なんです」
「そうなんですね。実は私もなんです。…シルヴィア嬢は何歳なんですか?」
「はい?」
この国で女性の年齢をいくら幼いからと言って本人に聞くのはマナー違反だ。
格式の高い家柄の娘にそんな事を聞いてしまうと下手をすれば罰せられる。
「6歳…ですけど…あまりそのような事は聞かれない方がよろしいかと」
「なぜ?」
「ソレイユ帝国でどうなのかは分かりませんが、この国では女性に年齢を聞くのはマナー違反なんです。下手をすれば罰せられてしまいますわ」
「へぇー…そうなんですね」
(な、なんなの…この皇太子…)
言動だけ見ればとても皇室の人だとは思えないほどだ。
「私は君よりも3歳も歳上みたいですね」
「そ、そうですか…」
「そうだ…シルヴィ…」
「あ、あの!そろそろ戻らないと侍女が待ってますの。」
これ以上話が続くと逃げられない気がする。
「そうですか…では早く戻らないとですね」
「はい、では失礼致しますわ」
そして私はなんとかこの変な皇太子から逃げる事に成功した。
(はぁ…変わった人だったな…)
「リリィ戻ったよ」
「お嬢様!まったく、いきなり走り出したら駄目じゃないですか!!!」
(うっ…そうだった…リリィ達から逃げる様に出たんだった……)
「お嬢様!聞いているんですか!?」
「ご、ごめんなさい…」
そして私はパーティーギリギリまでみっちりリリィに叱られてしまった…。
(めんどくさいなぁ…)
「リリィ急いでどれくらいかかる?」
「うーん…そうですねぇ…2時間くらいでしょうか」
「そんなにかかるの!?」
「はい、朝も3時間はかかりましたからねぇ…」
(3時間もかかってたんだ……)
朝は皇太子とのフラグの事ばかり考えていて時間なんて見る暇が無かったから気付かなかった。
「さ!無駄話はこの辺りで終わらせて直ぐに準備に取り掛かりましょうね♪」
「はぁい…」
そして私は3人の侍女によって急いで着替えさせられた。
1度着せたからか2度目はかなりスムーズに着替えることが出来た。
「お嬢様、終わりましたよ♪」
「うん、ありがとう皆」
「この後はどうしますか?」
「うーん…ちょっとお散歩でもしてくるね。リリィ達はここで休んでて!」
「お一人で行かれるのですか!?」
「うん!時間までには戻るから!!!」
そう言って私は走って部屋を飛び出した。
「はぁ~……パーティーなんて嫌だなぁ…いっそこのまま逃げちゃいたい」
部屋を飛び出して庭園についた私はぶつぶつと文句を言いながら散歩をしていた。
すると急に後ろから声が聞こえてきた。
「パーティーがお嫌いなのですか?」
驚いて後ろを向くとそこには見た事のない男の子が立っていた。
「貴方は?」
私が警戒しながらそう言うと男の子は優しい笑顔で話を続けた。
「私は隣国ソレイユ帝国の皇太子ウィリアムスと言います。あまりにも素敵な庭園だったもので思わず入ってしまいました」
(ウィリアムス?そんな人あのゲームで出てきたかしら……)
「これは失礼致しました。私はシルヴィア・ルミエールと言います。この庭園がウィリアムス殿下のお気に召したようでとても光栄でございますわ」
私がそう言うと殿下は『はて?』と言うような表情を浮かべた。
「えっと…どうされましたか?」
すると『んー…』と考えるような仕草をしたあと「パーティー…お嫌いなんですか?」と聞いてきた。
(……確かに聞かれたけど)
まさかここまでこの質問を聞かれるとは思ってなかった。
「えぇ…まぁ…少し…。人の多い所は苦手なんです」
「そうなんですね。実は私もなんです。…シルヴィア嬢は何歳なんですか?」
「はい?」
この国で女性の年齢をいくら幼いからと言って本人に聞くのはマナー違反だ。
格式の高い家柄の娘にそんな事を聞いてしまうと下手をすれば罰せられる。
「6歳…ですけど…あまりそのような事は聞かれない方がよろしいかと」
「なぜ?」
「ソレイユ帝国でどうなのかは分かりませんが、この国では女性に年齢を聞くのはマナー違反なんです。下手をすれば罰せられてしまいますわ」
「へぇー…そうなんですね」
(な、なんなの…この皇太子…)
言動だけ見ればとても皇室の人だとは思えないほどだ。
「私は君よりも3歳も歳上みたいですね」
「そ、そうですか…」
「そうだ…シルヴィ…」
「あ、あの!そろそろ戻らないと侍女が待ってますの。」
これ以上話が続くと逃げられない気がする。
「そうですか…では早く戻らないとですね」
「はい、では失礼致しますわ」
そして私はなんとかこの変な皇太子から逃げる事に成功した。
(はぁ…変わった人だったな…)
「リリィ戻ったよ」
「お嬢様!まったく、いきなり走り出したら駄目じゃないですか!!!」
(うっ…そうだった…リリィ達から逃げる様に出たんだった……)
「お嬢様!聞いているんですか!?」
「ご、ごめんなさい…」
そして私はパーティーギリギリまでみっちりリリィに叱られてしまった…。
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