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亜利馬、己との闘い
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「……ん」
早々に敏感な乳首を指先が掠めていって、俺は唇を噛んで顔を斜め下に向けた。
「綺麗な肌だね」
「……ん、う……」
今回は言葉による辱めもある。視覚を奪われている分、より他の感覚が冴えているからか、いきなり声を出されるだけで体がビクついた。
「ここが気持ちいい?」
「あっ、あ……」
左右の乳首がそれぞれ違う指で転がされる。上体を捩って逃れようとしたけれど、手足が固定されているから何の意味もない。くすぐったいような甘い刺激──乳首を弄られると、あっという間に腰が疼き始める。まるで、上半身と下半身が連動しているように。
「──ひっ、ゃ」
指で転がされていた乳首に次の瞬間、別の刺激が走った。ぬるぬるして、時折軽く引っ張られているこの感覚は……!
「……はぁ、……亜利馬くんの乳首、美味しい」
「こっちも。ピンピンに勃たせちゃって可愛いね」
「や、やだ……ぁ! す、吸わないで……」
台詞はほぼ台本通りだけど、演じる余裕なんてなかった。アイマスクで覆われた目に涙が滲む。
「あぁっ、ぁん……!」
余裕はないけど、見えないというだけで逆に声が大きくなった。大胆に体をくねらせて喘ぐ俺に、モデル達も本気で応えているのが分かる。より強く乳首を吸われ、舐られ、大きく開いた太腿にまで舌が這わされる。そのくすぐったさは確かに快感へと繋がっていた。
「どこが感じるのか言ってごらん」
右側から囁かれ、俺は訴えるような甘い声でそれに答えた。
「ん、く……乳首、……」
「違うだろ?」
左側から、ぞくぞくするような低い声が耳に注ぎ込まれる。
「ちゃんと言わないと」
「ひ、う……」
顔どころか耳まで真っ赤だ。俺は震える唇を舌で湿らせてから、音声にぎりぎり入るかどうかの声で言った。
「……おっぱい」
ふ、と耳元に笑い声が触れる。
「よく言えたね」
「……あっ、あぁ! やっ、……」
再び乳首を啄まれ、吸われ、舌で激しく愛撫される。ビリビリの電流が全身を這いずり、俺は喉を逸らせ椅子から背中を浮かせ、ねだるようにモデルの──男達の唇に胸を押し付けた。
「き、もち、いっ……もっとして、……もっと、おっぱい舐めて、欲し、っ……」
ご褒美の愛撫には大胆にエロい反応をすること。事前に言われていたものの、自分でも驚くようなことを言ってしまった。
そしてこのタイミングで、アイマスクが外される。
「あっ……」
久し振りに開けた視界にはカメラのレンズがあった。眩しさに目を細め、ガラスに映る自分の痴態に向けて訴える。
「気持ちいい、……激し、の……好き……」
こんな姿も多くの人に見られると思うと、何ともいえない高揚感に包まれた。もっと見て欲しい。触れて欲しい。顔も名前も知らないけど、これを見ている全ての人と絡み合って触れ合いたい──そんな、妙な気持ちになった。
「そろそろコッチも」
太腿を舐めたり頬ずりしていたモデルが、俺の競泳パンツのゴム部分に指を引っかけた。
「出しちゃおうね、亜利馬くん」
「や、……」
ゆっくり、わざと恥ずかしい時間を長びかせるように、数ミリずつパンツが引っ張られる。元々薄いアンダーヘアが露出すると、右の乳首を舐めていたモデルがそこに指を這わせて「可愛い」と囁いた。
「ん、……やっ……は、ぁ……」
息が上がる。心臓が高鳴る。時間をかけて徐々にパンツを下ろされるのは、ペニスの表面を何本もの指先が一斉になぞるような感覚に似ていた。
「もう全部出そうだよ、亜利馬くん」
「うぁ、あ……嫌だ、ぁっ──」
最後の引っかかりを突破したその瞬間は、思わず目をつぶってしまった。
早々に敏感な乳首を指先が掠めていって、俺は唇を噛んで顔を斜め下に向けた。
「綺麗な肌だね」
「……ん、う……」
今回は言葉による辱めもある。視覚を奪われている分、より他の感覚が冴えているからか、いきなり声を出されるだけで体がビクついた。
「ここが気持ちいい?」
「あっ、あ……」
左右の乳首がそれぞれ違う指で転がされる。上体を捩って逃れようとしたけれど、手足が固定されているから何の意味もない。くすぐったいような甘い刺激──乳首を弄られると、あっという間に腰が疼き始める。まるで、上半身と下半身が連動しているように。
「──ひっ、ゃ」
指で転がされていた乳首に次の瞬間、別の刺激が走った。ぬるぬるして、時折軽く引っ張られているこの感覚は……!
「……はぁ、……亜利馬くんの乳首、美味しい」
「こっちも。ピンピンに勃たせちゃって可愛いね」
「や、やだ……ぁ! す、吸わないで……」
台詞はほぼ台本通りだけど、演じる余裕なんてなかった。アイマスクで覆われた目に涙が滲む。
「あぁっ、ぁん……!」
余裕はないけど、見えないというだけで逆に声が大きくなった。大胆に体をくねらせて喘ぐ俺に、モデル達も本気で応えているのが分かる。より強く乳首を吸われ、舐られ、大きく開いた太腿にまで舌が這わされる。そのくすぐったさは確かに快感へと繋がっていた。
「どこが感じるのか言ってごらん」
右側から囁かれ、俺は訴えるような甘い声でそれに答えた。
「ん、く……乳首、……」
「違うだろ?」
左側から、ぞくぞくするような低い声が耳に注ぎ込まれる。
「ちゃんと言わないと」
「ひ、う……」
顔どころか耳まで真っ赤だ。俺は震える唇を舌で湿らせてから、音声にぎりぎり入るかどうかの声で言った。
「……おっぱい」
ふ、と耳元に笑い声が触れる。
「よく言えたね」
「……あっ、あぁ! やっ、……」
再び乳首を啄まれ、吸われ、舌で激しく愛撫される。ビリビリの電流が全身を這いずり、俺は喉を逸らせ椅子から背中を浮かせ、ねだるようにモデルの──男達の唇に胸を押し付けた。
「き、もち、いっ……もっとして、……もっと、おっぱい舐めて、欲し、っ……」
ご褒美の愛撫には大胆にエロい反応をすること。事前に言われていたものの、自分でも驚くようなことを言ってしまった。
そしてこのタイミングで、アイマスクが外される。
「あっ……」
久し振りに開けた視界にはカメラのレンズがあった。眩しさに目を細め、ガラスに映る自分の痴態に向けて訴える。
「気持ちいい、……激し、の……好き……」
こんな姿も多くの人に見られると思うと、何ともいえない高揚感に包まれた。もっと見て欲しい。触れて欲しい。顔も名前も知らないけど、これを見ている全ての人と絡み合って触れ合いたい──そんな、妙な気持ちになった。
「そろそろコッチも」
太腿を舐めたり頬ずりしていたモデルが、俺の競泳パンツのゴム部分に指を引っかけた。
「出しちゃおうね、亜利馬くん」
「や、……」
ゆっくり、わざと恥ずかしい時間を長びかせるように、数ミリずつパンツが引っ張られる。元々薄いアンダーヘアが露出すると、右の乳首を舐めていたモデルがそこに指を這わせて「可愛い」と囁いた。
「ん、……やっ……は、ぁ……」
息が上がる。心臓が高鳴る。時間をかけて徐々にパンツを下ろされるのは、ペニスの表面を何本もの指先が一斉になぞるような感覚に似ていた。
「もう全部出そうだよ、亜利馬くん」
「うぁ、あ……嫌だ、ぁっ──」
最後の引っかかりを突破したその瞬間は、思わず目をつぶってしまった。
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