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第2話 しつけは始めが肝心!

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「や、やだ……!」
 耳に気を取られていたら刹の手が俺のシャツを捲り、強引に中へ入ってきた。
「んっ……!」
 摘まれた胸の突起が刹の指先で転がされる。くすぐったいと思ったのはほんの一瞬──すぐに妙な感覚が体中を熱くさせ、俺は眉間に皺を寄せた。

「ひっ、……ん……!」
 声を我慢しようとすると、その分体が跳ねてしまう。俺は無意識に刹の指から逃れようとして、炎珠さんの方へと体を寄りかからせてしまった。
「那由太、大丈夫だよ力抜いててね」
 俺の体を抱きとめた炎珠さんが優しく耳に囁く。
「んん、ぅ……、触ら、ないで……」

 シャツの中に刹のもう片方の手も入ってきて、両方の乳首を同時に指で捏ねられる。頭の中は屈辱で溢れているのに体は気持ち良いのを拒否できなくて、どうしたら良いか分からず涙が零れた。

「感じるのは悪いことじゃねえ、人として当然の反応だ」
「ふ、あ……」
「素直になることへの罪悪感があるなら、今は俺達のせいにして良い」
 刹の低い声が鼓膜から脳を震わせる。抵抗できないのは二対一ということもあるけれど、何よりも──体が、反応してしまって……。

「乳首だけでこんなトロトロになっちゃうなら、下弄ったらどうなるのかな?」
「どうなるかって、炎珠が知りたいってよ」
「やっ……」
 触れられたくなかった部分に話が及び、俺は咄嗟に膝を合わせて首を振った。未知の刺激に反応したそれを二人に知られる訳にいかない。抵抗しないのは快楽に屈する直前だったからだと、バレてしまう。

「や、やめて……お願いだから、もうやめて下さいっ……」
 シャツから抜かれた刹の手が、俺の頭にトラ柄パーカのフードを被せた。
「可愛い、耳付きのフードだったんだね」
「似合ってるぜ、にゃん太」
「い、嫌だって、言ってるのに……!」

 後ろから炎珠さんに上半身を固定され、下半身では刹が俺のハーフパンツを脱がしにかかっている。現れたのはグレーに星柄のボクサーブリーフ──そこで初めて気付いた。服を着替えさせられた時、下着も替えられていたのだと。

「いっぱい鳴いていいよ。刹のテクニックに我慢できる子なんかいないから」
 炎珠さんが背後から俺の上半身を抱きかかえ、嬉しそうな声で言った。
「ペットの『躾け』っていうのは、初めが肝心だしね」
「な、に……するんだ……」

 痛いくらいに心臓が鳴っている。強引に開かれた脚が震える。汗が噴き出し、極度の緊張でまた気絶してしまいそうだ。

 一体どうしてこんなことになったんだっけ。俺は、仕事を紹介されてここに来ただけなのに!
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