38 / 59
ぜんぶ初めての夜
8
しおりを挟む
入る前と比べたら、ただ強烈な異物感があるだけで耐えられないほど痛くはない。むしろ痛いのは、締め付けられている蒼汰の方ではないかと思う。
「──ん。んっ」
昔見た漫画か何かで、初めてのセックスの痛みを和らげるために、男が女にキスをすると良い、というような知識が書いてあったのをふいに思い出した。
だから俺は首を曲げて、覆い被さってくる蒼汰の頬に何度もキスをしたのだ。
それだけのことなのに。
「ちょ、翼っ、お前……何するっ、……」
「えっ? あ、……」
瞬間、俺の中で一際蒼汰のそれが質量を増した。
「あっ、あ……! あぁっ!」
繋がった部分がぶつかり合う音と蒼汰の息遣い、それからベッドの軋む音が、俺の喘ぐ声に重なる。俺は激しく貫かれながらシーツを握りしめ、背中をくねらせて体中で蒼汰を感じていた。
視界にも蒼汰しか映っていない。真剣な顔で俺を見つめる蒼汰の頬には汗が伝っている。何だか神々しさすら覚えるような光景だった。
「蒼汰……」
涙目になって見上げると、蒼汰が柔らかく笑って俺の下半身に手を触れた。熱く屹立したそれが握られ、根元から揉みしだくように擦られる。
「あぁっ、……!」
それから、体を倒した蒼汰の唇が俺の頬に押し付けられた。
「翼」
幾度となく繰り返されるキス。その唇と囁きは優しいのに、俺を擦る手の動きは限りなく激しい。腰が痙攣して涙が溢れ、俺はしがみつくように蒼汰の背中をかき抱いた。
「も、う無理……そうた、っ……イき、そ……」
ぞくぞくとした震えが足元から這い登り、腰から背中、後頭部へと突き抜けてゆく。
「俺も、そろそろ限界……」
「あ、あっ……イ、く……」
蒼汰の手と唇に促されるまま、俺は一気に快楽を吐き出した。数瞬遅れて、蒼汰が荒い息と共にぐったりと俺の体に覆い被さってくる。
「あ──」
心地好い虚脱感に包まれ、目の前が白く霞んでゆくようだ。俺は蒼汰を抱きしめたままで目を閉じ、ひと時の、だけどかけがえのない快楽の余韻に浸った。
「──ん。んっ」
昔見た漫画か何かで、初めてのセックスの痛みを和らげるために、男が女にキスをすると良い、というような知識が書いてあったのをふいに思い出した。
だから俺は首を曲げて、覆い被さってくる蒼汰の頬に何度もキスをしたのだ。
それだけのことなのに。
「ちょ、翼っ、お前……何するっ、……」
「えっ? あ、……」
瞬間、俺の中で一際蒼汰のそれが質量を増した。
「あっ、あ……! あぁっ!」
繋がった部分がぶつかり合う音と蒼汰の息遣い、それからベッドの軋む音が、俺の喘ぐ声に重なる。俺は激しく貫かれながらシーツを握りしめ、背中をくねらせて体中で蒼汰を感じていた。
視界にも蒼汰しか映っていない。真剣な顔で俺を見つめる蒼汰の頬には汗が伝っている。何だか神々しさすら覚えるような光景だった。
「蒼汰……」
涙目になって見上げると、蒼汰が柔らかく笑って俺の下半身に手を触れた。熱く屹立したそれが握られ、根元から揉みしだくように擦られる。
「あぁっ、……!」
それから、体を倒した蒼汰の唇が俺の頬に押し付けられた。
「翼」
幾度となく繰り返されるキス。その唇と囁きは優しいのに、俺を擦る手の動きは限りなく激しい。腰が痙攣して涙が溢れ、俺はしがみつくように蒼汰の背中をかき抱いた。
「も、う無理……そうた、っ……イき、そ……」
ぞくぞくとした震えが足元から這い登り、腰から背中、後頭部へと突き抜けてゆく。
「俺も、そろそろ限界……」
「あ、あっ……イ、く……」
蒼汰の手と唇に促されるまま、俺は一気に快楽を吐き出した。数瞬遅れて、蒼汰が荒い息と共にぐったりと俺の体に覆い被さってくる。
「あ──」
心地好い虚脱感に包まれ、目の前が白く霞んでゆくようだ。俺は蒼汰を抱きしめたままで目を閉じ、ひと時の、だけどかけがえのない快楽の余韻に浸った。
0
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
あの日、北京の街角で4 大連デイズ
ゆまは なお
BL
『あの日、北京の街角で』続編。
先に『あの日、北京の街角で』をご覧くださいm(__)m
https://www.alphapolis.co.jp/novel/28475021/523219176
大連で始まる孝弘と祐樹の駐在員生活。
2人のラブラブな日常をお楽しみください。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
ハヤトロク
白崎ぼたん
BL
中条隼人、高校二年生。
ぽっちゃりで天然パーマな外見を、クラスの人気者一ノ瀬にからかわれ、孤立してしまっている。
「ようし、今年の俺は悪役令息だ!」
しかし隼人は持ち前の前向きさと、あふれ出る創作力で日々を乗り切っていた。自分を主役にして小説を書くと、気もちが明るくなり、いじめも跳ね返せる気がする。――だから友達がいなくても大丈夫、と。
そんなある日、隼人は同学年の龍堂太一にピンチを救われる。龍堂は、一ノ瀬達ですら一目置く、一匹狼と噂の生徒だ。
「すごい、かっこいいなあ……」
隼人は、龍堂と友達になりたいと思い、彼に近づくが……!?
クーデレ一匹狼×マイペースいじめられっこの青春BL!
【完結】我が国はもうダメかもしれない。
みやこ嬢
BL
【2024年11月26日 完結、既婚子持ち国王総受BL】
ロトム王国の若き国王ジークヴァルトは死後女神アスティレイアから託宣を受ける。このままでは国が滅んでしまう、と。生き返るためには滅亡の原因を把握せねばならない。
幼馴染みの宰相、人見知り王宮医師、胡散臭い大司教、つらい過去持ち諜報部員、チャラい王宮警備隊員、幽閉中の従兄弟、死んだはずの隣国の王子などなど、その他多数の家臣から異様に慕われている事実に幽霊になってから気付いたジークヴァルトは滅亡回避ルートを求めて奔走する。
既婚子持ち国王総受けBLです。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる