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狗嵜ネムリ

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亜利馬、覚醒!?

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 そうして翌日の午後。会議室に集められた俺達ブレイズとフリーズのメンバー全員は、山野さんから「Burning★Ice」の企画説明を受けることとなった。

「今回は事前に少し洩らした通り、イベントやショーといったエンターテイメント性が強いものになっている。エキストラの観客は百五十人程度、これも既に応募してきたファンには当選通知が行っている。当日来なかった者がいたとしても最低百人は集まるだろう」
「………」
 百人の目の前で。そう考えると、今から胸がドキドキしてしまう。

「獅琉は全メンバーを代表しての挨拶や一発目のストリップで、会場を盛り上げてくれ」
「やった、俺ストリップやってみたかったんだ!」
「プレイ内容は配った書類に書いてある通りだ。今ざっと目を通してくれ。個々の細かい内容は追って報せる」
 俺は焦る指で企画書を捲り、自分に割り当てられたプレイのページを見てみた。
 亜利馬。中央ステージにてポールに拘束状態でのM調教。言葉攻め、凌辱焦らし、相手役へのフェラチオを含む立ちバック。相手モデル・潤歩。
「また潤歩さんかぁ」
「何だてめえ、不満なのか」
「べっつに~構いませんけどォ……」
「……一発ぶん殴りてえ、このガキ」

 それから、大雅とのじゃれ合うような甘い絡み。相互手コキ、フェラチオ含む。……これは挿入こそないものの、内容を読む限りだと俺が大雅をリードするような感じだ。やった。ちょっと嬉しい。
「それと……えぇっ!」
 夕兎への襲いウケ。騎乗位中に秋常と怜王の乱入、フェラチオ含む4Pセックス。顔への射精。座位での射精でフィニッシュ。
「ちなみに順番はその通りではない。一日がかりの長時間で行なわれるイベントだ、それぞれ体調管理だけには気を付けてくれ」



「亜利馬、三本も撮るんだね。大変だなぁ」
 休憩中、企画書を捲りながら獅琉が目を丸くさせて言った。
「大変なのは獅琉さんですよ。一発目にストリップって……緊張しませんか? 一人で?」
「一人じゃないよ、夕兎くんもだって」
「えっ!」
 思わずフリーズメンバーの方へと顔を向ける。すると夕兎が企画書に視線を落としながら、おずおずとこちらへ歩み寄って来た。
「ブレイズの獅琉。……俺は、その……踊るのとかは苦手なんだが。お前は出来るのか」
「本格的なポールダンスはかなり練習しないと無理だけど、今回はそこまで難しいものじゃないと思うよ。振り付けっていってもエロいことするだけだと思うし、大丈夫じゃないかな?」
「そ、そうか……」
 また亜利馬くんとエッチなことできる、とうっとりしている秋常。いつも通り無言でじっとしている怜王。フリーズのメンバーは相変わらずの平常運転だ。

「大雅は他にどんなのあった?」
 隣に座っていた大雅に訊くと、耳まで赤くさせた大雅が「教えない」と企画書を裏返しにした。全員同じ物が配られているのだから、隠したって無駄なのに。
 俺はこっそり自分のそれを捲り、大雅のページを開いた。
「……わ。竜介さんを奴隷調教……わ、わ。ボンテージで女王様風? うわぁ……」
 これは確かに赤面してしまう。女王様な大雅というのは似合っているけど、相手役が竜介となると話は別だ。
「はっはっは。お手柔らかに頼むぞ、大雅!」
「……竜介の馬鹿」

 これから衣装の説明も受け、細かい流れの打ち合わせも行ない、実際に簡単なリハーサルもやる予定だ。カメラの数もいつもより多く、会場のスクリーンにライブで様子が映し出されるらしい。やっぱり今回は「特別」なのだ。
 ともあれ、心配していた「めちゃくちゃな」ことにはならなそうだ。このくらいなら俺にだってできるだろう。そう考えるとわくわく感が戻ってきて、俄然楽しみになってきた。

 撮影日は一週間後。それまで絶対に体調を崩さないようにしないと。
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