もっと!COALESCE!

狗嵜ネムリ

文字の大きさ
上 下
26 / 80
亜利馬、大ピンチ!

3

しおりを挟む
「………!」
 怜王の腕力で、俺のシャツのボタンが弾け飛んだ。開いたシャツの間に怜王の舌と手が滑り──強引に、肌を嬲られる。
「やっ、やめてくださいっ!」
 俺はキッと秋常を睨み、吐き捨てるように叫んだ。
「こ、こんなことして……何になるんですかっ」
「何にもならなくても構わないですよ? 俺達の自己満足でもあるし」
 脚立を降りて俺の前まで来た秋常が、小首を傾げて哀れっぽく言う。
「こういうのも俺達の『味』なんです。温室育ちのブレイズちゃんには刺激が強すぎたかな?」
「……俺達に酷いことするって意味ですか。……そんなの、嫌です……」
 呟けば、秋常が天井を仰いで「はあぁぁ」と溜息なのかよく分からない声を出した。
「最高です、亜利馬くん。今ので危うく射精しそうになりましたよ」
「え……?」
 話について行けなくて、俺は目を白黒させながら目の前で震えている秋常を見つめた。
「はあぁ……だいぶゲージを削られましたが……ここからが俺のターンですよ」
「ん──んうっ!」
 瞬間、息が止まった。
「んん……、っ……」
 秋常の犬歯が唇に食い込み、そこだけ鋭い痛みが走る。下手に顔を背けたら唇を噛み千切られてしまいそうで、体を強張らせたまま動くことができない。
 キスじゃなくて攻撃。そんな表現の方が近いと思った。
 秋常からの攻撃を受けている最中も、怜王の舌が俺の首や肩をなぞっている。荒々しく皮膚が吸われ、歯が立てられ、……何だかこの二人に捕食されている気分だった。

「ちょ、っと……マジでやめてくださいってば!」
「亜利馬くんのDVD、全部見させてもらいましたよ。恥ずかしいことされると赤くなっちゃうんですよね」
 俺の背後に回った秋常が、後ろから伸ばした両手で俺の乳首を抓り上げた。
「ひゃっ、……!」
「乳首はモロ感だし、すぐ勃っちゃう」
「や、や、やめて……本当に、……やだっ!」
 耳に秋常の熱い息がかかる。抓られた乳首がじんじんする。さっき撮影で大雅と際どいポーズを取っていたせいか、俺の体は普段よりずっと敏感になっているみたいだ。
「やぁっ……!」
 ベルトをしていなかったせいで、俺の前に屈んだ怜王の手で呆気なくジーンズが下ろされてしまう。そのまま下着の上から揉まれて、俺は駄々をこねるみたいに首を振りまくった。
「もう、やっ……、何で、こんなことっ……!」
「亜利馬くんが可愛いからですよ。俺達は可愛い子を可愛がってるだけです」
「可愛いとか、嫌だぁっ……!」
「嫌がっても可愛いんだから仕方ないじゃないですか? ──ほら、可愛い乳首がこんなピンピンに反応して……」
「うあぁっ……!」
 指で何度も乳首を弾かれ、嫌でも声が出てしまう。秋常の荒い息で耳朶が濡れる。怜王の手のひらが俺のそれを下着越しに包み込み、卑猥な動きで撫で回す。
 ──こんなの、我慢できるわけない。

「お、お願い……だから、もう、やめて……くださいっ……」
「ここで止めても、一度抜かないと辛くて歩けませんよ?」
「じ、自分でっ……」
「それも見たいですけど、せっかくだから──ね。怜王」
 秋常の合図を受けた怜王が、俺の下着をずり下ろした。
「や、──!」
「………」
 咄嗟に顔を隠した俺のそこに、二人の好奇の視線が注がれる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

【R18】泊まった温泉旅館はエッチなハプニングが起きる素敵なところでした

桜 ちひろ
恋愛
性欲オバケ主人公「ハル」 性欲以外は普通のOLだが、それのせいで結婚について悩むアラサーだ。 お酒を飲んだ勢いで同期の茜に勧められたある温泉旅館へ行くことにした。そこは紹介された人のみ訪れることのできる特別な温泉旅館だった。 ハルのある行動から旅館の秘密を知り、素敵な時間を過ごすことになる。 ほぼセックスしかしていません。 男性とのプレイがメインですが、レズプレイもあるので苦手な方はご遠慮ください。 絶倫、巨根、連続絶頂、潮吹き、複数プレイ、アナル、性感マッサージ、覗き、露出あり。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

指定時間ピッタリ有能スケベ配達員くんの、本日最後のえっちなお届け物タイム♡ ~オレ、彼のお得意様なんデス♡♡♡

そらも
BL
よくある配達員×お客様の、お荷物届けついでにそのまま玄関でおセックスしまくっちゃうというスケベ話であります♡ タイトルにあるお得意様のフレーズ通り、もう二人にとっては日常のひとコマな出来事です♡ ただし中身は受けくんの台詞オンリー(擬音付き+攻めくんのはぁはぁ声は有り)ストーリーとなっておりますので、お読みになる際はどうぞお気を付けくださいませ! いやはや一度受けくんの台詞だけで進むお話書きたかったのよね笑 いつか別シチュになるとは思いますが、今度は攻めくんの台詞オンリーのスケベ話も書いてみたいものでありますぞよ♡ ちなみに今回作中で攻めくんはまだしも受けくんの名前がまったく出ておらんのですが、一応二人はこんなお名前(&年齢とご職業)となっておりますです♪ 攻めくん:光本里史(みつもとさとし)二十二歳、ナデシコ運送(なでしこうんそう)通称、シロウサナデシコの配達ドライバー。 受けくん:阿川未緒(あがわみお)二十八歳、普段は普通の会社員。週に2~3回はシロウサナデシコを利用しているいわゆる『お得意様』。 ※ R-18エロもので、♡(ハート)喘ぎ満載です。 ※ 素敵な表紙は、pixiv小説用フリー素材にて、『やまなし』様からお借りしました。ありがとうございます!

処理中です...