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亜利馬、VSフリーズの「リーダー」
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「おはようございます──って、あれ?」
会議室のドアが開いて入って来たのは、フリーズの三人だった。夕兎。秋常。怜王。三人揃って黒ずくめの衣装(多分私服)を身に纏っているのを見ると、何だかバンドマンみたいだった。
「ブレイズの皆さん、お揃いでどうしたんですか?」
茶金色の髪をかきあげながら、秋常が驚いたように目を丸くさせる。
「お疲れ様。フリーズのみんな、午後から会議室使うのかな。俺達すぐ出てくから、ちょっと待っててね」
獅琉が立ち上がり、俺達も昼飯の残骸を片付けて荷物をまとめ、出て行く支度をした。
「まだ時間あるから大丈夫ですよ。それまで、ちょっと話しませんか?」
陽性の微笑みと甘く優しい声。スタイルも良く背の高い秋常は、ブレイズでいう獅琉みたいなタイプのお兄さんだ。
「話っていうか、聞きたいんだけどよォ。あんたら、俺達にDVD送って来ただろ。意味分かんねえんだけど説明してくんない?」
潤歩なりの「丁寧な」訊き方で質問すると、にんまり笑う秋常の背後で夕兎の顔がボッと赤くなった。
「ただのご挨拶ですよ。深い意味はありません」
「挨拶ならエロDVDじゃなくて、もっとましなモン寄越せって感じ」
「潤歩さん、やめましょう」
潤歩の腕を掴んで引いていると、ふいに秋常と目が合った。俺を見つめる大きな目は、嬉しそうに細くなっている。
「亜利馬くんにとっては『ましなモン』だったと思いますよ」
「っ……!」
バレてる。俺があのDVDを見てマスターベーションしていたという、超個人的な秘密を彼は知っている。
「……夕兎さんが言ったんですか」
秋常から夕兎に視線を移すと、俺の目を見た夕兎が一瞬ギクリと顔を強張らせ──すぐに「フン」と顎をしゃくって勝ち誇ったように言った。
「俺の勝ちだと言ったはずだ。仲間への勝利報告は当然のことだろう」
「ひ、酷いです」
あまりの恥ずかしさに顔が熱くなり、目が潤んでしまう。気心の知れたブレイズメンバーならともかく、まだ何も知らない人達にまで俺のあんな秘密を知られたと思うと……今すぐ消えてしまいたかった。
「チャプター1の半分も行ってなかったみたいじゃないですか? さすが若いですよね、亜利馬くん」
「………」
嘲笑うように言われて更に恥ずかしくなった俺は、羞恥からくる体の震えを止めようとして潤歩の腕をぎゅっと掴んだ。
「……おい、てめぇら」
俺に腕を掴まれていた潤歩が、低い声を発しながらフリーズの三人を睨み据える。
「ガキみてえな真似しやがって、文句があんなら直接言えっつうの」
「潤歩さん、……」
「ウチの亜利馬を泣かしてんじゃねえッ!」
まさか潤歩に庇ってもらえるなんて思っていなくて、俺は思わず別の意味で赤くなってしまった。背後では獅琉達が「ヒョー」と冷やかすような声を出している。
「……『ウチの』じゃなくて、『俺の』……」
大雅がボソッとトドメを刺した瞬間、俺と潤歩の顔が同時に爆発した。
「ち、ち、違げぇっつうの! んなこと誰も言ってねえだろうが、大雅っ!」
「そ、そうだよ大雅っ! 変なこと急に言うなってば!」
「……ごめんね。そう聞こえたから」
「だ、だだだから、てめぇはっ……!」
「潤歩」
大雅と潤歩の間に入った獅琉が、俺の頭をくしゃくしゃに撫でて笑った。その笑みは茫然と佇むフリーズの三人に向けられている。
「潤歩の亜利馬だけど、俺の亜利馬でもあるから。そういう訳で俺達の大事な亜利馬を泣かせた罪は重いよ、フリーズのみんな」
「……俺の亜利馬でもあるし」
大雅が言って、
「じゃあ、俺の亜利馬でもあるな」
竜介がニッと笑った。
会議室のドアが開いて入って来たのは、フリーズの三人だった。夕兎。秋常。怜王。三人揃って黒ずくめの衣装(多分私服)を身に纏っているのを見ると、何だかバンドマンみたいだった。
「ブレイズの皆さん、お揃いでどうしたんですか?」
茶金色の髪をかきあげながら、秋常が驚いたように目を丸くさせる。
「お疲れ様。フリーズのみんな、午後から会議室使うのかな。俺達すぐ出てくから、ちょっと待っててね」
獅琉が立ち上がり、俺達も昼飯の残骸を片付けて荷物をまとめ、出て行く支度をした。
「まだ時間あるから大丈夫ですよ。それまで、ちょっと話しませんか?」
陽性の微笑みと甘く優しい声。スタイルも良く背の高い秋常は、ブレイズでいう獅琉みたいなタイプのお兄さんだ。
「話っていうか、聞きたいんだけどよォ。あんたら、俺達にDVD送って来ただろ。意味分かんねえんだけど説明してくんない?」
潤歩なりの「丁寧な」訊き方で質問すると、にんまり笑う秋常の背後で夕兎の顔がボッと赤くなった。
「ただのご挨拶ですよ。深い意味はありません」
「挨拶ならエロDVDじゃなくて、もっとましなモン寄越せって感じ」
「潤歩さん、やめましょう」
潤歩の腕を掴んで引いていると、ふいに秋常と目が合った。俺を見つめる大きな目は、嬉しそうに細くなっている。
「亜利馬くんにとっては『ましなモン』だったと思いますよ」
「っ……!」
バレてる。俺があのDVDを見てマスターベーションしていたという、超個人的な秘密を彼は知っている。
「……夕兎さんが言ったんですか」
秋常から夕兎に視線を移すと、俺の目を見た夕兎が一瞬ギクリと顔を強張らせ──すぐに「フン」と顎をしゃくって勝ち誇ったように言った。
「俺の勝ちだと言ったはずだ。仲間への勝利報告は当然のことだろう」
「ひ、酷いです」
あまりの恥ずかしさに顔が熱くなり、目が潤んでしまう。気心の知れたブレイズメンバーならともかく、まだ何も知らない人達にまで俺のあんな秘密を知られたと思うと……今すぐ消えてしまいたかった。
「チャプター1の半分も行ってなかったみたいじゃないですか? さすが若いですよね、亜利馬くん」
「………」
嘲笑うように言われて更に恥ずかしくなった俺は、羞恥からくる体の震えを止めようとして潤歩の腕をぎゅっと掴んだ。
「……おい、てめぇら」
俺に腕を掴まれていた潤歩が、低い声を発しながらフリーズの三人を睨み据える。
「ガキみてえな真似しやがって、文句があんなら直接言えっつうの」
「潤歩さん、……」
「ウチの亜利馬を泣かしてんじゃねえッ!」
まさか潤歩に庇ってもらえるなんて思っていなくて、俺は思わず別の意味で赤くなってしまった。背後では獅琉達が「ヒョー」と冷やかすような声を出している。
「……『ウチの』じゃなくて、『俺の』……」
大雅がボソッとトドメを刺した瞬間、俺と潤歩の顔が同時に爆発した。
「ち、ち、違げぇっつうの! んなこと誰も言ってねえだろうが、大雅っ!」
「そ、そうだよ大雅っ! 変なこと急に言うなってば!」
「……ごめんね。そう聞こえたから」
「だ、だだだから、てめぇはっ……!」
「潤歩」
大雅と潤歩の間に入った獅琉が、俺の頭をくしゃくしゃに撫でて笑った。その笑みは茫然と佇むフリーズの三人に向けられている。
「潤歩の亜利馬だけど、俺の亜利馬でもあるから。そういう訳で俺達の大事な亜利馬を泣かせた罪は重いよ、フリーズのみんな」
「……俺の亜利馬でもあるし」
大雅が言って、
「じゃあ、俺の亜利馬でもあるな」
竜介がニッと笑った。
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