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第22話 SIESTA
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「玉雪、もう少し力抜いていいぞ。支えてる」
「お願い、……思いっきり突いて、頼寿……!」
頼寿が左手で俺の左脚を持ち上げ、右手で俺の胸を押さえる。それだけでもかなりバランスを保つことができて、俺は目を潤ませながらも口元に笑みを浮かべた。練習中は右脚がしょっちゅう攣っていたけれど、今ではもう完璧。頼寿に背中を預けて色っぽい表情を作ることだってできる。
「あ、あっ……! すご、……頼寿っ……!」
フラッシュライトに全身を愛撫され、背後からは頼寿の腰が打ち付けられる。そんな俺達を見ている数えきれないほどのオーディエンスに、他の何物にも代えがたい最高の快感。
今ここにある全ては、俺達の物なんだ。
「……タマ」
呼ばれて顔を横に向けると、頼寿が俺の頬に唇を押し付けてきた。中で感じる熱がより一層強くなり、剥き出しの俺のペニスも依然として猛ったままだ。
「あぁっ……! あ、ふ……頼寿、っ……より、ひさ……!」
「最高だな。その顔、体……。ここにいる全員がお前を見ているが……」
「あ、ん……んっ」
下から突き上げられ、床に着いた右足が一瞬宙に浮いた。
「お前を一番近くで見ているのは俺だ。これからもずっと、……一生な」
担がれていた左脚を床に下ろし、腰を突き出しながらもしっかりと立った状態で曲げた両腕を後ろに伸ばし、頼寿の肩を掴む。
今日まで何度も練習してきたから、体は次の動きを憶えていた。何も考えなくたって体は動くのに、心の中はもう、今にも泣いてしまいそうなほどに嬉しくて。人前で立ちバック状態という普通じゃ絶対考えられないことをしているのに、最高に幸せで。
「頼寿あぁっ……あ……!」
何度も俺を貫く愛しい男の眼には今、皆が知ってる氷のような鋭さはない。
ただ真剣で、熱くて、身も心も全てが燃えてしまいそう──
「あっ、うぅ……! もっと、頼寿っ……気持ちいいっ……!」
「は、……」
突き出した尻に頼寿の腰が何度もぶつかり、その度に体が跳ねて汗が散り、光の中へ消えて行く。もう音楽と歓声のどっちが聞こえているかも分からない。
「ああっ……!」
俺の声も、もはやちゃんと喉から出ているのかどうかも分からない。全ての音が混ざり合って、世界が揺らめいて見える。
──駄目だ。気が高ぶり過ぎて、飛びそう。
「はっ、ふ……はぁっ……」
──ラストもう少しなんだ。あと少し、あと二分だけしっかりしろ、玉雪。
「んぁっ……」
頼寿が俺の中から自分のそれを抜き、俺の体が客席から見て横になるよう向きを変えさせた。そのまま背中から腰にかけてを左腕で強く支えられ、後ろに軽く倒される。
「体の力を全部抜け。玉雪、大丈夫だ。よく頑張った」
「よ……りひさ、……」
体重を全て頼寿に預け、大きく呼吸をしながら頼寿を見つめる。口元には自然と笑みが浮かんでいた。
ああ、やっぱり頼寿は最高の男だ。何で俺、こんないい男と付き合えてるんだろう。
「飛びそうなツラしても、しっかり勃ってるじゃねえか」
「そりゃ……最っ高に……気持ちいいから……」
切れ切れに答えると、頼寿が少しだけ笑って俺のそれ右手で包み込んだ。
少しずつ、歓声が遠のいてゆく。
「それじゃあ最後に、思い切りぶっ放せよ」
「お願い、……思いっきり突いて、頼寿……!」
頼寿が左手で俺の左脚を持ち上げ、右手で俺の胸を押さえる。それだけでもかなりバランスを保つことができて、俺は目を潤ませながらも口元に笑みを浮かべた。練習中は右脚がしょっちゅう攣っていたけれど、今ではもう完璧。頼寿に背中を預けて色っぽい表情を作ることだってできる。
「あ、あっ……! すご、……頼寿っ……!」
フラッシュライトに全身を愛撫され、背後からは頼寿の腰が打ち付けられる。そんな俺達を見ている数えきれないほどのオーディエンスに、他の何物にも代えがたい最高の快感。
今ここにある全ては、俺達の物なんだ。
「……タマ」
呼ばれて顔を横に向けると、頼寿が俺の頬に唇を押し付けてきた。中で感じる熱がより一層強くなり、剥き出しの俺のペニスも依然として猛ったままだ。
「あぁっ……! あ、ふ……頼寿、っ……より、ひさ……!」
「最高だな。その顔、体……。ここにいる全員がお前を見ているが……」
「あ、ん……んっ」
下から突き上げられ、床に着いた右足が一瞬宙に浮いた。
「お前を一番近くで見ているのは俺だ。これからもずっと、……一生な」
担がれていた左脚を床に下ろし、腰を突き出しながらもしっかりと立った状態で曲げた両腕を後ろに伸ばし、頼寿の肩を掴む。
今日まで何度も練習してきたから、体は次の動きを憶えていた。何も考えなくたって体は動くのに、心の中はもう、今にも泣いてしまいそうなほどに嬉しくて。人前で立ちバック状態という普通じゃ絶対考えられないことをしているのに、最高に幸せで。
「頼寿あぁっ……あ……!」
何度も俺を貫く愛しい男の眼には今、皆が知ってる氷のような鋭さはない。
ただ真剣で、熱くて、身も心も全てが燃えてしまいそう──
「あっ、うぅ……! もっと、頼寿っ……気持ちいいっ……!」
「は、……」
突き出した尻に頼寿の腰が何度もぶつかり、その度に体が跳ねて汗が散り、光の中へ消えて行く。もう音楽と歓声のどっちが聞こえているかも分からない。
「ああっ……!」
俺の声も、もはやちゃんと喉から出ているのかどうかも分からない。全ての音が混ざり合って、世界が揺らめいて見える。
──駄目だ。気が高ぶり過ぎて、飛びそう。
「はっ、ふ……はぁっ……」
──ラストもう少しなんだ。あと少し、あと二分だけしっかりしろ、玉雪。
「んぁっ……」
頼寿が俺の中から自分のそれを抜き、俺の体が客席から見て横になるよう向きを変えさせた。そのまま背中から腰にかけてを左腕で強く支えられ、後ろに軽く倒される。
「体の力を全部抜け。玉雪、大丈夫だ。よく頑張った」
「よ……りひさ、……」
体重を全て頼寿に預け、大きく呼吸をしながら頼寿を見つめる。口元には自然と笑みが浮かんでいた。
ああ、やっぱり頼寿は最高の男だ。何で俺、こんないい男と付き合えてるんだろう。
「飛びそうなツラしても、しっかり勃ってるじゃねえか」
「そりゃ……最っ高に……気持ちいいから……」
切れ切れに答えると、頼寿が少しだけ笑って俺のそれ右手で包み込んだ。
少しずつ、歓声が遠のいてゆく。
「それじゃあ最後に、思い切りぶっ放せよ」
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