【BL】Real Kiss

狗嵜ネムリ

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第16話 ヒミツのブラザーフッド

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 背中を反らして頼寿の上に座って真顔でいる。
 たったこれだけのことなのに、全裸であることと頼寿の唇が乳首のすぐ近くにあること、そして頼政さんに見られているということが重なって物凄いプレッシャーだ。

 しかもプレッシャーなのに恥ずかしさから体が熱くなって、妙に頼寿の体を意識してしまって……

「……ぅ……」
「おい、変な声出すな」
「ご、ごめ……。だって頼寿のちんこ当たってるし、何か変で……」

 萎えた頼寿のそれと若干反応している俺のモノが触れ合っている。その感触だけで変な声が出るのは仕方ない。仕方ないけどこれはかなり宜しくない。
 だってこの状況で俺だけ勃つなんて情けなさ過ぎるじゃんか。

「玉雪、大丈夫だよ」
「え、……?」
 スケッチブックから俺に視線を移動させた頼政さんが、真剣な顔で言った。

「逆に良い表情になってる。肌の色付きも綺麗だよ。もっと頼寿を求めるようにエロい顔をしてくれて構わない」
「ああ、ぅ……そんなこと言われると、余計にぃっ……」

 恐らく真っ赤になっている俺を見上げて、頼寿が露骨に呆れた顔をした。

「玉雪は頼寿の初のパートナーなんだってな。弟が見初めた相手なら間違いないと分かっていたが、実際会ってみてますます納得したよ」
 サラサラと鉛筆を滑らせながら、頼政さんが小さく笑う。
「頼寿に媚びず暴言を吐いたり、対等に喧嘩ができる子は俺も初めてだ。ステージでもプライベートでも、お前達が永遠に上手くいくことを願ってる」
「あ、あ……ありがとう、ございます……」
 せっかく嬉しい言葉をかけて貰っているのに、体が熱くてまともに返事を考えることができない。

 ──何で俺だけこんなに熱くなってるんだろう。

「ステージではない場所で頼寿に抱かれるというのは、どんな気分だ? ──その答えは俺のキャンバスに表れるだろう」
「ふあ、……頼寿……」
「堪えろタマ、高ぶったら兄貴の思うツボだ」
「頼寿の愛撫も、囁きも、熱も……全てを独占しているのは世界で君だけだよ、玉雪」
「兄貴、コイツを煽るな」

 ──前から横からやめてくれ!

 頼寿と頼政さんの似たような低音ボイスが、正面と左側からステレオで聞こえてくるのがヤバい。聴覚を刺激される感覚……それが余計に、頼寿と触れ合っている部分を敏感にさせているんだ。

「玉雪、我慢できなくなったら頼寿に求めてもいいぞ」
「そそ、そんなこと……できませんっ……」
「恥じらう必要はない。性というのは芸術だ。セックスを人に見せる仕事もあれば、人の性の一瞬を永遠に残す仕事もある」
「あうう……」

 頭の中がグルグルして、何が良くて何が常識なのか分からなくなってくる。そうこうしているうちに俺のペニスはどんどん膨張してゆき、目の前で頼寿に溜息をつかれた。

「俺の周りは変わった性癖の奴しかいねえのか」
「はは。そう言う頼寿が一番変わってるだろ。……本当は見せたいんじゃないか? 愛するパートナーとのセックスを、世界中に」
「……流石に分かってるな、兄貴」

 瞬間、頼寿の左手が思い切り俺の背中を引き寄せた。

「ひゃっ……!」
 同時に、乳首に唇が被せられる。それだけじゃない。反応しかけのペニスも握られ、激しく上下に擦られる。

 予想もしていなかった突然の衝撃──限界を超えた欲望が、身体中に拡散してゆくのが分かった。

「んあっ、あ、頼寿っ……あぁ! やっべえ、気持ちいいの、止まんないっ……!」
「声でけえよ」
「もっと、熱いの欲しい……頼寿のデカいの欲しい……!」

 鉛筆の先端を咥えながら、頼政さんが不敵に笑った。

「噂通り、一度吹っ飛ぶと素直になるんだな玉雪は。……良い子を見つけたな頼寿。壊さないように、大事にしてやれよ」
「言われるまでもねえ、……」
「──うあぁっ! きゅ、急に挿れ、……!」
 一瞬浮かせた尻の中に、頼寿の猛ったモノがズブリと挿入される。さっき途中でストップしたせいか、体は簡単に反応していた。

「頼寿ぁっ、ごめ、……止まんねぇっ……」
「結局兄貴の計画通りってことか」
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