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第11話 木曜日のウサギ
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「か、会長。トイレ行きたいんですけど……どこか分かりますか?」
「案内しよう、おいで」
しかし見れば見るほどデカい屋敷だ。客用トイレがあって、パーティーホールまであって。まるで城といっても過言ではないほどの、まさに贅を尽くした代物。
「俺が路地裏に這いつくばってた時も、こんな城でパーティーしてたのかな……」
「そんな時があったのかい」
「えっ……?」
今まさに用を足そうとしていたその時、背後からふわりと両腕が回されて全身を包み込まれた。香水の匂い。甘い声。まさか後ろにいるのは──
「よ、良若さん?」
「当たり。丁度玉雪くんがトイレに入るのが見えてね。二人きりになれるチャンスだと思ったんだ」
「三上会長がトイレのすぐ外に……」
「会長なら他のご友人と話し込んでるよ。俺が責任持って玉雪くんをお届けしますと約束したから、安心してワインでも飲んでるんじゃないかな?」
……この様子だと、トイレに誰か入って来ないようにもしているはずだ。頼寿も気付いていない。
どうするべきか。騒いで逃げるのは簡単だけど、もしもコイツを怒らせたら会長の仕事にも影響するかもしれない。こんな城を買ってもらえるほどの愛人なのだ。同じ不動産を扱っている秋津源五郎が三上グループと縁切りしたら、何兆円の損失になるだろう。
「……ど、どうすれば……」
「トイレ途中だろ? いいよ、続けて」
背後から俺を抱きしめた良若が、片手で剥き出しの太腿をゆっくり撫でてくる。泣きたくなるほど気色悪い──好きでもない奴に触られるのって、こんなに嫌な気持ちになるのか。
「も、もう出ません。良若さんが急に現れるから、びっくりして止まっちゃいました」
「それは悪いことしたね。でもトイレに向かっておちんちん出せば、条件反射で出るかもしれないよ?」
「……ぅ……」
駄目だ、何を言っても良若の気が済むまで絶対に解放されない。
仕方なくパンツをずらして萎えたそれを取り出す。布面積の少ないパンツにはファスナーも付いていないから、少しずらしただけで全部見えてしまって思わず顔が熱くなった。
「可愛いね。ウサギ君のおちんちんは少しピンクなんだ。女の子にも使ったことないのかな?」
「見な、いで……」
「俺が後ろから持っててあげるから、可愛く鳴いてごらん。おしっこしたくなったらしてもいいよ」
「やっ、ちょ、ちょっと……!」
後ろから根元を摘ままれて、軽く指で揉まれる。
「こんなの、駄目だって……! 会長に見つかったら……」
「案外興奮してくれるかもね。そういうのが好きな人なんだろ?」
違う。会長はそんな奴じゃない。
俺が本気で嫌がってるのに興奮するなんて、絶対にありえない。
「あっ……!」
歯を食いしばっていたら、突然尻の割れ目を良若の指が押し広げてきた。Tバックの頼りない布越しに、俺のそこをぐりぐりと刺激している。
「や、やめ……そこは駄目だっ、お願いだからやめて……!」
「でも慣らさないと、俺のデカいから入らないよ?」
「やだ、あぁ……! そこはマジで無理、絶対に駄目だってば……!」
「……もしかして玉雪くん、経験ないの?」
「あ、ぁ……」
良若が漏らした低い笑い声と吐息が、俺の耳を濡らす。Tバックの紐をずらして直接蕾に触れられ、全身に痛いほど鳥肌が立った。
「ごめんね、そんなこと知っちゃったら我慢できないな。謝っても足りないけど──めちゃくちゃに犯してやるよウサギちゃん」
「い、嫌だっ! ざけんなてめ、……」
「誰に口利いてんだ? 俺の一声で三上グループなんか一瞬で消えるぞ? お前の所の会長にセクハラされたとでも言えば、ソッコーで消滅だ。何百人もの社員も路頭に迷うな、お前のせいで」
「嘘だっ。会長がそんなことするはずないって、皆信じてくれる……信頼されてんだ、会長はあんたと違う!」
言った瞬間に俺のそれを握る手に力が込められ、思わず唇を噛んだ。
「案内しよう、おいで」
しかし見れば見るほどデカい屋敷だ。客用トイレがあって、パーティーホールまであって。まるで城といっても過言ではないほどの、まさに贅を尽くした代物。
「俺が路地裏に這いつくばってた時も、こんな城でパーティーしてたのかな……」
「そんな時があったのかい」
「えっ……?」
今まさに用を足そうとしていたその時、背後からふわりと両腕が回されて全身を包み込まれた。香水の匂い。甘い声。まさか後ろにいるのは──
「よ、良若さん?」
「当たり。丁度玉雪くんがトイレに入るのが見えてね。二人きりになれるチャンスだと思ったんだ」
「三上会長がトイレのすぐ外に……」
「会長なら他のご友人と話し込んでるよ。俺が責任持って玉雪くんをお届けしますと約束したから、安心してワインでも飲んでるんじゃないかな?」
……この様子だと、トイレに誰か入って来ないようにもしているはずだ。頼寿も気付いていない。
どうするべきか。騒いで逃げるのは簡単だけど、もしもコイツを怒らせたら会長の仕事にも影響するかもしれない。こんな城を買ってもらえるほどの愛人なのだ。同じ不動産を扱っている秋津源五郎が三上グループと縁切りしたら、何兆円の損失になるだろう。
「……ど、どうすれば……」
「トイレ途中だろ? いいよ、続けて」
背後から俺を抱きしめた良若が、片手で剥き出しの太腿をゆっくり撫でてくる。泣きたくなるほど気色悪い──好きでもない奴に触られるのって、こんなに嫌な気持ちになるのか。
「も、もう出ません。良若さんが急に現れるから、びっくりして止まっちゃいました」
「それは悪いことしたね。でもトイレに向かっておちんちん出せば、条件反射で出るかもしれないよ?」
「……ぅ……」
駄目だ、何を言っても良若の気が済むまで絶対に解放されない。
仕方なくパンツをずらして萎えたそれを取り出す。布面積の少ないパンツにはファスナーも付いていないから、少しずらしただけで全部見えてしまって思わず顔が熱くなった。
「可愛いね。ウサギ君のおちんちんは少しピンクなんだ。女の子にも使ったことないのかな?」
「見な、いで……」
「俺が後ろから持っててあげるから、可愛く鳴いてごらん。おしっこしたくなったらしてもいいよ」
「やっ、ちょ、ちょっと……!」
後ろから根元を摘ままれて、軽く指で揉まれる。
「こんなの、駄目だって……! 会長に見つかったら……」
「案外興奮してくれるかもね。そういうのが好きな人なんだろ?」
違う。会長はそんな奴じゃない。
俺が本気で嫌がってるのに興奮するなんて、絶対にありえない。
「あっ……!」
歯を食いしばっていたら、突然尻の割れ目を良若の指が押し広げてきた。Tバックの頼りない布越しに、俺のそこをぐりぐりと刺激している。
「や、やめ……そこは駄目だっ、お願いだからやめて……!」
「でも慣らさないと、俺のデカいから入らないよ?」
「やだ、あぁ……! そこはマジで無理、絶対に駄目だってば……!」
「……もしかして玉雪くん、経験ないの?」
「あ、ぁ……」
良若が漏らした低い笑い声と吐息が、俺の耳を濡らす。Tバックの紐をずらして直接蕾に触れられ、全身に痛いほど鳥肌が立った。
「ごめんね、そんなこと知っちゃったら我慢できないな。謝っても足りないけど──めちゃくちゃに犯してやるよウサギちゃん」
「い、嫌だっ! ざけんなてめ、……」
「誰に口利いてんだ? 俺の一声で三上グループなんか一瞬で消えるぞ? お前の所の会長にセクハラされたとでも言えば、ソッコーで消滅だ。何百人もの社員も路頭に迷うな、お前のせいで」
「嘘だっ。会長がそんなことするはずないって、皆信じてくれる……信頼されてんだ、会長はあんたと違う!」
言った瞬間に俺のそれを握る手に力が込められ、思わず唇を噛んだ。
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