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第10話 頼寿先生のご奉仕講座
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その後も快晴は元奴隷と思えないほどのご主人様っぷりで、彼氏を翻弄し、弄び、仕えさせ、興奮させていた。一番驚いたのは、ペニスへの刺激を一切与えずに肌を這う指と言葉だけで彼氏を射精させたことだ。快晴もドヤ顔をしていたが、頼寿が言うには「男がドマゾだっただけ」だそうで。
俺にはとても無理だ。もしも頼寿が頭を強く打ったかなんかして完全なるマゾヒストになったとしても、俺にはこんな風に振る舞えない。
「分かんないなぁ、ご主人様も奴隷の気持ちも」
「坊ちゃんは、相手が頼寿さんだからやりづらいのかもしれませんね。頼寿さんがトップということが頭にも体にも刷り込まれてるんですよ」
「か、体にもって何だよ……」
快晴がスマホをしまって、人差し指を振りながら笑う。
「頼寿さんもそうですよ。相手が坊ちゃんだから、まだちょっとトップの意識が残ってるというか、その……坊ちゃんのこと、潜在意識では下に見てるでしょ」
「そうなのかよ、頼寿っ!」
「そんなことねえ。今日の俺は徹底してボトム役になってる」
背筋を伸ばした綺麗な正座で白飯をかきこんでいる頼寿。こうして見ているとSMプレイにおける床での食事ではなく、単純にお行儀の良い和風青年みたいだ。
確かに頼寿は俺の足の指を舐めている時もイケメンだったし、快晴の彼氏のMっぷりとは全然違う気がする。
「こういうのって、形から入った方が分かりやすいじゃないですか。一日限定なら尚更ですよ」
「形か……確かにタマにはその方が合ってるかもしれねえな」
「……形って? な、何考えてんの?」
頼寿と快晴が俺を見て、ほんの少しだけ笑った。
*
ベッドの上にはボクサーパンツだけを穿いた頼寿。縛られた両手はしっかりとベッドの柵に繋げられ、寝たままバンザイの恰好になっている。
顔には目隠し。それも布を巻いたものではなく、快晴が持っていた本格的なプレイ用のアイマスクみたいなやつだ。
「……う……」
そんな頼寿の上に跨った俺は、おずおずと手を伸ばして頼寿の胸板に触れた。
「っ……」
見えていないせいで驚いたのか、頼寿が一瞬体を震わせる。今回は「必要以上に喋らない」というルールを設けているから、頼寿が俺に対してああしろこうしろと言うことはない。
俺の好きなように頼寿をいじくり回す、それが今から行なうプレイだ。
──よ、よし。
ちなみに俺も頼寿に「こうしていい?」「触るよ」等と言うのは禁止だ。何をされるか分からないからこそ良いんだと、快晴が言っていた。
ボトムはトップを信じているから、視覚を奪われていても安心して身を任せるんだって。
「っ、ふ……」
頼寿が息を漏らしたのは、俺が頼寿の乳首に触れたからだ。だけど息を漏らしたといっても色っぽく喘いだわけではなく、唐突な刺激に対する驚きに笑いがプラスされただけ。若干バカにされているような気がしてムッとなり、俺は後ろに手を伸ばして頼寿の股間に触れた。
──コッチならどうだ。
「………」
全然反応してない。
俺にはとても無理だ。もしも頼寿が頭を強く打ったかなんかして完全なるマゾヒストになったとしても、俺にはこんな風に振る舞えない。
「分かんないなぁ、ご主人様も奴隷の気持ちも」
「坊ちゃんは、相手が頼寿さんだからやりづらいのかもしれませんね。頼寿さんがトップということが頭にも体にも刷り込まれてるんですよ」
「か、体にもって何だよ……」
快晴がスマホをしまって、人差し指を振りながら笑う。
「頼寿さんもそうですよ。相手が坊ちゃんだから、まだちょっとトップの意識が残ってるというか、その……坊ちゃんのこと、潜在意識では下に見てるでしょ」
「そうなのかよ、頼寿っ!」
「そんなことねえ。今日の俺は徹底してボトム役になってる」
背筋を伸ばした綺麗な正座で白飯をかきこんでいる頼寿。こうして見ているとSMプレイにおける床での食事ではなく、単純にお行儀の良い和風青年みたいだ。
確かに頼寿は俺の足の指を舐めている時もイケメンだったし、快晴の彼氏のMっぷりとは全然違う気がする。
「こういうのって、形から入った方が分かりやすいじゃないですか。一日限定なら尚更ですよ」
「形か……確かにタマにはその方が合ってるかもしれねえな」
「……形って? な、何考えてんの?」
頼寿と快晴が俺を見て、ほんの少しだけ笑った。
*
ベッドの上にはボクサーパンツだけを穿いた頼寿。縛られた両手はしっかりとベッドの柵に繋げられ、寝たままバンザイの恰好になっている。
顔には目隠し。それも布を巻いたものではなく、快晴が持っていた本格的なプレイ用のアイマスクみたいなやつだ。
「……う……」
そんな頼寿の上に跨った俺は、おずおずと手を伸ばして頼寿の胸板に触れた。
「っ……」
見えていないせいで驚いたのか、頼寿が一瞬体を震わせる。今回は「必要以上に喋らない」というルールを設けているから、頼寿が俺に対してああしろこうしろと言うことはない。
俺の好きなように頼寿をいじくり回す、それが今から行なうプレイだ。
──よ、よし。
ちなみに俺も頼寿に「こうしていい?」「触るよ」等と言うのは禁止だ。何をされるか分からないからこそ良いんだと、快晴が言っていた。
ボトムはトップを信じているから、視覚を奪われていても安心して身を任せるんだって。
「っ、ふ……」
頼寿が息を漏らしたのは、俺が頼寿の乳首に触れたからだ。だけど息を漏らしたといっても色っぽく喘いだわけではなく、唐突な刺激に対する驚きに笑いがプラスされただけ。若干バカにされているような気がしてムッとなり、俺は後ろに手を伸ばして頼寿の股間に触れた。
──コッチならどうだ。
「………」
全然反応してない。
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