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第9話 衝撃!金縛り姦!?・その1
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金縛り中の心霊体験は、大概が夢だと言われている。錯覚を見ているとか何とか、とも。
でも俺は今日、暇つぶしに見ていた怖い話のサイトでちょっとした発見をしてしまったのだ。
「金縛り中に現れた幽霊にエロいことされたらいつもの倍気持ち良かった」。
……嘘か真か分からないけれど、とっても興味がある。何故なら俺は十九歳、そういうことに興味津々なお年頃なのだ。
「黎人、今日は熱心にスマホ見てるな。おやつも食べねえで」
ローテーブルに置かれたショートケーキと俺の顔を交互に見ながら、先生が苦笑して言った。
先生は俺よりうんと年上だから、きっと俺と出会う前も色々なセックスをしてきたはずだ。それを思うと少し妬けるけれど、妬けるのと同じくらい気になる部分でもある。
「先生、これまでで一番変わったエッチってどんなのでした?」
「何だいきなり」
「ちょっと気になったんです。俺達、セックスに関してはノーマルな方でしょ」
「俺は別にこれまでもノーマルだったが」
先生は不思議そうな顔で俺を振り返ったが、両手はキーボードを高速で叩いている。珍しく執筆がノッているのだ。
「でも先生は凄くエッチなのに、変わったやり方には興味無いのかなって」
「黎人にエッチだと言われたくねえなぁ」
「ぬう……」
ケラケラと笑いながら、先生が顔をパソコンモニターに戻す。俺は仕方なく再びスマホに視線を落とし、記事の続きを読み進めた。
『金縛り中って体が敏感になるのかね。触られると性感帯じゃなくても気持ち良かったな。これぞ金縛り姦?』。
──めちゃくちゃ気になる。どんなのか知りたい。堪らない。
「せ、先生っ!」
「おう?」
「今週中に、俺絶対に金縛りになりますから! そしたら、そしたら……俺にエッチなことしてくださいっ!」
瞬間、ピタリと先生のタイピングが止まった。
「詳しく話せ」
「あ、……」
「成功したら、それで一本書けそうだ」
*
問題は、俺が上手く金縛りにかかること。
そして金縛りになったことを、どうやって先生に伝えるかということだ。
「金縛り自体は、ちょっと体を疲れさせて……それからギリギリまで寝るのを我慢すれば簡単になりそうですけど」
「そんなモン俺は毎日だが、全くかからねえぞ」
「先生はバッテリー切れ寸前まで稼働してるからですよ」
今日、明日は無理かもしれないけれど、今週中という期限があれば必ず一度は金縛りになるはず。
だから先生への伝え方さえ決めておけば、いつ金縛りになってもオッケーということだ。
「じゃあこれからは手を繋いで寝ることにして、俺が金縛りになったら先生の手をギュッとしますから」
「体が動かねえのに手を握れるのか?」
「うーん……やったことないから自信ないですけど、それ以外に方法があるか……」
アイスココアをがぶ飲みしながら、先生が「ううむ」と首を捻る。
「それかお前が寝てる時に俺が触って、起きなかったら金縛りってことになるんじゃねえか? 数を打てばそのうち当たるだろ」
「それも良さげですけど、心構えもなしにいきなり触られたらビックリして金縛りが解けちゃいそうです」
そうなるとやっぱり、俺の方からどうにかして先生に知らせなければならない。手を握る方法は良いと思ったんだけどなぁ……。
「先生、俺が金縛りになってるところ見たことありますか?」
「難しい質問だな」
「ですよね。先生が気付いてくれれば簡単なんですけど……」
小さく溜息をつくと、先生が「そういえば」と何かに気付いたように宙を見た。
「黎人はいつもグースカ寝ているが、ごくたまにうなされている時がある。その翌日はいつも金縛りに遭ったと言っていたから、ひょっとしたらその、うなされている時が金縛り中なんじゃないのか?」
「おぉ……それです先生!」
金縛り中にうなされているなんて俺自身は全然知らなかった。いつも放置して解けるのを待っているから、しんと寝ているだけだと思っていたのに。
「じゃあ今度うなされていたら、存分にやっちゃって下さい! 俺もそのつもりで金縛られるんで!」
「楽しそうでいいなぁ、お前」
*
深夜二時。
──ん。
体が動かない。ピクリとも動かない。足のつま先から指の先まで、誰がなんと言おうと動かない。
──やった、金縛りだ!
俺は唯一自由に動く目蓋をばっちり開けて、横にいる先生を見た。──さぁ先生、今こそめくるめく金縛り姦の時間です!
「………」
………。
「……ぐうぅ」
──寝てるし。
俺はどうにか手を動かして先生の手を握ろうとした……けど駄目だ。分かっちゃいるけど思った以上に動かない。
「んんぁ……う、ぅぅ……」
初めて金縛り中に声を出そうと頑張ってみたが、馬鹿みたいな呻き声しか出せない。それでも先生が起きてくれれば全て解決するのに……全く起きる気配なし。
──先生。先生、起きて!
心の中で必死に念じる。子供の頃に友達が言っていたんだ、金縛り中に誰かを呼ぶと、その人に何かが伝わるって。
何かって何だ? って感じだけど、今の俺はそんな頼りない子供の情報にすら縋っていた。とにかく必死だった。
「あ、うぅ……」
悶絶する俺のすぐ隣で、先生は気持ち良さそうな寝息をたてている。
──今回はダメか。
「……ん」
諦めかけたその時、先生の手が俺の胸元に触れた。
先生?
驚いて先生の顔を見ようとしたその時、物凄い耳鳴りがして俺の意識は闇の中に引きずり込まれた──目が開かなくなったのだ。
「黎人。うなされてたが、金縛りになってるのか? 体、動かねえか?」
エコーがかかったような先生の低い声がして、その心地好さに俺はうっとりと闇の中で頷いた。
「望み通り、いいことしてやるからな」
先生が俺のシャツのボタンを外し、指先でそっと乳首を摘まれる。
「っ……!」
その瞬間、かつてないほどの電流が俺の体を駆け抜けた。
何と説明するべきか。いつもなら「あん」くらいの声が、「んああぁぁん!」なレベルにまで引き上げられたって感じだ。
「少し触れただけで硬くなったな。普段より確実に敏感になってる」
「ん、ん……あぁ、……」
乳首を捏ねられる度に絶叫のような喘ぎ声が出るけれど、実際にはうめき声にしかなっていない。それでも俺は満足だった。金縛りの時にこんなに体が感じやすくなるなんて、癖になってしまいそう……。
「下も硬くなってるか?」
先生の指先が俺の股間をクイと押した。
「んっ……ん」
亀頭がぴりぴり、竿がぞくぞくして、腰から下が痙攣するのが分かった。いつもの気持ち良さとは段違いだ。指で少し押されただけなのに。
「美味そうに実ってるぜ、黎人」
「ふ、あ……せんせ……だめ……」
パンツから飛び出したペニスに先生の舌が触れる。先の方を舐められて、根元までずっぽりと咥えられる。ペニスの内側からじんじんと痺れてゆく感触──腰の痙攣が止まらない。
「んあっ、あ、あっ……だめ、せんせ……! そんな、えっちな吸い方したら、ぁっ……」
依然として体は動かないままだし、声も出ているかは分からない。
ともあれ何だか痺れた全身を細かいブラシでサワサワされているようだ。空気が触れる感覚さえもそんな風に感じられて、俺はピクリとも動かない体を色っぽくくねらせた(つもり)。
「まだイくなよ黎人。今夜は一発でキメなきゃなんねえからな」
ジャージとパンツが下ろされ、大きく脚を広げられる。見えないけど先生が自分のペニスを扱きながら俺のそこへあてているのが分かり、いよいよの期待で心臓がはち切れそうになった──。
続く!
第9話・終
でも俺は今日、暇つぶしに見ていた怖い話のサイトでちょっとした発見をしてしまったのだ。
「金縛り中に現れた幽霊にエロいことされたらいつもの倍気持ち良かった」。
……嘘か真か分からないけれど、とっても興味がある。何故なら俺は十九歳、そういうことに興味津々なお年頃なのだ。
「黎人、今日は熱心にスマホ見てるな。おやつも食べねえで」
ローテーブルに置かれたショートケーキと俺の顔を交互に見ながら、先生が苦笑して言った。
先生は俺よりうんと年上だから、きっと俺と出会う前も色々なセックスをしてきたはずだ。それを思うと少し妬けるけれど、妬けるのと同じくらい気になる部分でもある。
「先生、これまでで一番変わったエッチってどんなのでした?」
「何だいきなり」
「ちょっと気になったんです。俺達、セックスに関してはノーマルな方でしょ」
「俺は別にこれまでもノーマルだったが」
先生は不思議そうな顔で俺を振り返ったが、両手はキーボードを高速で叩いている。珍しく執筆がノッているのだ。
「でも先生は凄くエッチなのに、変わったやり方には興味無いのかなって」
「黎人にエッチだと言われたくねえなぁ」
「ぬう……」
ケラケラと笑いながら、先生が顔をパソコンモニターに戻す。俺は仕方なく再びスマホに視線を落とし、記事の続きを読み進めた。
『金縛り中って体が敏感になるのかね。触られると性感帯じゃなくても気持ち良かったな。これぞ金縛り姦?』。
──めちゃくちゃ気になる。どんなのか知りたい。堪らない。
「せ、先生っ!」
「おう?」
「今週中に、俺絶対に金縛りになりますから! そしたら、そしたら……俺にエッチなことしてくださいっ!」
瞬間、ピタリと先生のタイピングが止まった。
「詳しく話せ」
「あ、……」
「成功したら、それで一本書けそうだ」
*
問題は、俺が上手く金縛りにかかること。
そして金縛りになったことを、どうやって先生に伝えるかということだ。
「金縛り自体は、ちょっと体を疲れさせて……それからギリギリまで寝るのを我慢すれば簡単になりそうですけど」
「そんなモン俺は毎日だが、全くかからねえぞ」
「先生はバッテリー切れ寸前まで稼働してるからですよ」
今日、明日は無理かもしれないけれど、今週中という期限があれば必ず一度は金縛りになるはず。
だから先生への伝え方さえ決めておけば、いつ金縛りになってもオッケーということだ。
「じゃあこれからは手を繋いで寝ることにして、俺が金縛りになったら先生の手をギュッとしますから」
「体が動かねえのに手を握れるのか?」
「うーん……やったことないから自信ないですけど、それ以外に方法があるか……」
アイスココアをがぶ飲みしながら、先生が「ううむ」と首を捻る。
「それかお前が寝てる時に俺が触って、起きなかったら金縛りってことになるんじゃねえか? 数を打てばそのうち当たるだろ」
「それも良さげですけど、心構えもなしにいきなり触られたらビックリして金縛りが解けちゃいそうです」
そうなるとやっぱり、俺の方からどうにかして先生に知らせなければならない。手を握る方法は良いと思ったんだけどなぁ……。
「先生、俺が金縛りになってるところ見たことありますか?」
「難しい質問だな」
「ですよね。先生が気付いてくれれば簡単なんですけど……」
小さく溜息をつくと、先生が「そういえば」と何かに気付いたように宙を見た。
「黎人はいつもグースカ寝ているが、ごくたまにうなされている時がある。その翌日はいつも金縛りに遭ったと言っていたから、ひょっとしたらその、うなされている時が金縛り中なんじゃないのか?」
「おぉ……それです先生!」
金縛り中にうなされているなんて俺自身は全然知らなかった。いつも放置して解けるのを待っているから、しんと寝ているだけだと思っていたのに。
「じゃあ今度うなされていたら、存分にやっちゃって下さい! 俺もそのつもりで金縛られるんで!」
「楽しそうでいいなぁ、お前」
*
深夜二時。
──ん。
体が動かない。ピクリとも動かない。足のつま先から指の先まで、誰がなんと言おうと動かない。
──やった、金縛りだ!
俺は唯一自由に動く目蓋をばっちり開けて、横にいる先生を見た。──さぁ先生、今こそめくるめく金縛り姦の時間です!
「………」
………。
「……ぐうぅ」
──寝てるし。
俺はどうにか手を動かして先生の手を握ろうとした……けど駄目だ。分かっちゃいるけど思った以上に動かない。
「んんぁ……う、ぅぅ……」
初めて金縛り中に声を出そうと頑張ってみたが、馬鹿みたいな呻き声しか出せない。それでも先生が起きてくれれば全て解決するのに……全く起きる気配なし。
──先生。先生、起きて!
心の中で必死に念じる。子供の頃に友達が言っていたんだ、金縛り中に誰かを呼ぶと、その人に何かが伝わるって。
何かって何だ? って感じだけど、今の俺はそんな頼りない子供の情報にすら縋っていた。とにかく必死だった。
「あ、うぅ……」
悶絶する俺のすぐ隣で、先生は気持ち良さそうな寝息をたてている。
──今回はダメか。
「……ん」
諦めかけたその時、先生の手が俺の胸元に触れた。
先生?
驚いて先生の顔を見ようとしたその時、物凄い耳鳴りがして俺の意識は闇の中に引きずり込まれた──目が開かなくなったのだ。
「黎人。うなされてたが、金縛りになってるのか? 体、動かねえか?」
エコーがかかったような先生の低い声がして、その心地好さに俺はうっとりと闇の中で頷いた。
「望み通り、いいことしてやるからな」
先生が俺のシャツのボタンを外し、指先でそっと乳首を摘まれる。
「っ……!」
その瞬間、かつてないほどの電流が俺の体を駆け抜けた。
何と説明するべきか。いつもなら「あん」くらいの声が、「んああぁぁん!」なレベルにまで引き上げられたって感じだ。
「少し触れただけで硬くなったな。普段より確実に敏感になってる」
「ん、ん……あぁ、……」
乳首を捏ねられる度に絶叫のような喘ぎ声が出るけれど、実際にはうめき声にしかなっていない。それでも俺は満足だった。金縛りの時にこんなに体が感じやすくなるなんて、癖になってしまいそう……。
「下も硬くなってるか?」
先生の指先が俺の股間をクイと押した。
「んっ……ん」
亀頭がぴりぴり、竿がぞくぞくして、腰から下が痙攣するのが分かった。いつもの気持ち良さとは段違いだ。指で少し押されただけなのに。
「美味そうに実ってるぜ、黎人」
「ふ、あ……せんせ……だめ……」
パンツから飛び出したペニスに先生の舌が触れる。先の方を舐められて、根元までずっぽりと咥えられる。ペニスの内側からじんじんと痺れてゆく感触──腰の痙攣が止まらない。
「んあっ、あ、あっ……だめ、せんせ……! そんな、えっちな吸い方したら、ぁっ……」
依然として体は動かないままだし、声も出ているかは分からない。
ともあれ何だか痺れた全身を細かいブラシでサワサワされているようだ。空気が触れる感覚さえもそんな風に感じられて、俺はピクリとも動かない体を色っぽくくねらせた(つもり)。
「まだイくなよ黎人。今夜は一発でキメなきゃなんねえからな」
ジャージとパンツが下ろされ、大きく脚を広げられる。見えないけど先生が自分のペニスを扱きながら俺のそこへあてているのが分かり、いよいよの期待で心臓がはち切れそうになった──。
続く!
第9話・終
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