12 / 29
奥州藤原氏に伝えられる秘術
しおりを挟む
秀衡に『大事な話がありますので』と言われて、巴は藤原氏の男たちの中に座っていた。
「大陸と商いをしておりますと、なかなか面白い話が耳に入ってきましてな。」
と、秀衡は世間話っぽく切り出した。
「今から千年以上昔のことですが、はるか西の土地に不思議な男がおりまして、危篤の患者を治したり、らいの病を治したりしたそうです。」
巴は、医者の話かと思った。
「いやいや、医術で治すのではござらん。医術を使って時間をかけるのではなく、一瞬の内に治すのです。」
「まあ、そのようなことが...」
と、巴も驚いた。
「他にも、嵐を静めたり、湖の上を歩いたり、水を酒に変えたり、わずかな食物で何千人もの腹を満たしたりとか、色々な神業を起こしたそうです。」
「それは幻術でしょうか。」
と、巴は秀衡に聞いた。
「遠い西方のはるか昔の話ですから、定かなことは分かりません。しかしその男はさらには、人から悪霊を追い出したり、果ては死人を生き返らせたりしたそうですじゃ。」
これには、流石に巴も息を飲んだ。
「して、その男はどうなったのですか。」
と、巴はその男に興味を持った。
「何万人もの人が信者になりました。しかしその男は、寺も作らずお布施も取らず、ひたすら教えを説いて回ったそうです。けれども、この男を快く思わぬ在来の宗派の連中が、その男を磔にして殺してしまいました。」
ここで泰衡が口を挟んだ。
「磔の刑と言うのは、一思いに突き殺すのではなく、手の平と足首を五寸釘で板に打ち付けて、高い所に吊るすのだそうです。出血と傷の痛みと飢えと渇き、それに不自然な体勢による苦痛でじわじわと時間をかけて殺すのです。その男がとうとう死んだと思った後も、息を吹き返さないように、最後に脇の下を突き刺したそうです。」
巴は、意地悪で残酷な異国の処刑法に顔をしかめた。
「ところがですな、この男は処刑の三日後に蘇ったというのですよ。それからこの男は、天に帰ったと言うのです。つまりこの男は神だったのですな。その後、弟子たちがこの男の教えを広めまして、今では多くの国で国教になっているのです。」
と、秀衡が話の続きを喋ると、泰衡が追加した。
「私も大陸から来た多くの商人から、その手の話をたくさん聞きました。自分が信者だという男の話も聞きました。確かに大陸のはるか西の方では信者が増えているそうです。クリスト教と言う教えです。千年以上も続いていて多くの地域に広まっておりますので、軽んじることはできない存在です。」
ここで秀衡が、巴に問いかけた。
「さて、巴殿は千年以上昔にこの男が行なったと言い伝えられる奇跡を、真ことの話と思われますか。」
巴はこの問いの意味を測りかねた。
確かに、病を一瞬に治したり、無い所から食物を出したりできることは、どんなに良いことだろうかと思った。ましてや死人を生き返らせれば、これほどの幸せは無いと思った。
しかし、現実にそのようなことに出会ったことが無い。
巴は、答えに閉口した。
「奇跡を起こす鍵は、祈りと断食なのです。」
と、国衡がここで初めて口を挟んだ。国衡は奇跡を肯定しているようだ。
しかし祈りと断食なら、仏教や神道に携わる者なら誰でも行なったことがあるような修行である。
だが本当に奇跡を起こせるものは、まずいない。
「招かれる者は多けれども、選ばれし者は少なし。」
と、忠衡が突然言った。巴が忠衡の方を振り返ると、
「いえ、そのクリスト教の信者が言っていたのです。」
と、忠衡は付け加えた。
国衡はここでかしこまった。
「畏れながら、巴殿にはその素養がふんだんにあるとお見受けしました。」
と言われても巴は困った。巴が怪訝な顔つきでいると、国衡は畳みかけた。
「三日後の断食の後、祈祷の業をお伝えします。それまで我が藤原氏に伝わる術についてお話いたします。」
「そのようなことを、わらわのようなよそ者に話してよろしいのですか。」
と、巴は拒もうとしたが、
「済まぬが、我らはもう巴殿に加わっていただくように決めてしまったのです。あの頼朝を滅ぼすためには、巴殿のお力が必要なのです。」
と、秀衡は熱意を込めて、巴に頭を下げた。
『頼朝を滅ぼすために自分の力が必要?』
義仲の敵を討つ話なら巴の願うところである。しかし、奇跡の力で頼朝を滅ぼそうとでもいうのだろうか。
まさかクリスト教とやらの力を使おうというのであろうか。
巴は、平家との戦の最中に頼朝の幕屋に単身乗り込んで行って、頼朝と刺し違える機会を伺っていた。
しかし頼朝は、鎌倉に引きこもったままで、一向に戦場に出てこない。
どんなに源氏が優勢、勝勢となっても出てこない。源氏の総大将として、最後尾であろうとも戦場に出て、味方の士気を奮い立たせる行動すら全く取らなかったのである。
頼朝の行動は、戦の常識から大きく外れていた。
鎌倉をずっと監視していた巴も、当てが外れて時を空しくしてしまった。
そして平家が滅び、頼朋にひれ伏さない勢力が、奥州藤原氏だけとなったのを見て、平泉へと向かったのである。
さて、言われた通り巴は、三日間の断食を行なった。
三日間、水だけで済ます生活は昔から慣れたことなので、巴は苦も無く断食をやり遂げた。
その日の夜、祈祷は藤原氏の屋敷の地下の部屋で行われた。
灯火だけの灯りは、神秘的な雰囲気を醸し出した。
秀衡、国衡、泰衡、忠衡、高衡、通衡、頼衡と巴が、車座になった。
だが、泰衡だけ憂鬱な顔をしていた。
「この祈りを成し遂げる為には、皆の思いが一つになることが肝要である。心に乱れがあるものは、この場から外れていただきたい。」
と、秀衡が神妙な顔つきで述べた。
「わらわは、何を思えばよろしいのでしょうか。」
と、巴が聞いたので、
「巴殿には、奥州の平安を願っていただきたい。」
と、秀衡は答えた。
「それでは、始めますぞ。」
秀衡は、祈りの言葉を唱え始めた。祈りは大和言葉だったので、異国の言葉だったらどうしようと内心ハラハラしていた巴も安心した。
祈りの言葉を聞いているうちに、巴は幻想を見ているような気がし始めた。
今まで全く見たことも無い風景が、脳裏に展開されて行った。
自然と巴の眉間にしわが寄り、この見たことも無い風景の正体が何であるかを突き止めようと心を砕いた。
祈りが終わって、巴はずいぶん疲れた気がした。
他の者たちも、皆疲れ切った表情をしていた。
「巴殿、何を見られた?」
と、秀衡が聞いて来た。
「頼朝は、とてもちっぽけな存在でした。しかしその背後に、とても巨大で、何と申しましょうか、恐ろしく危険な者の形が見えました。その者はとても強く、およそ人間の力ではかなわない強さでした。この強い者、支配者は、自分の言いなりでしか生きられない束縛の人生を選ぶ人間を、増やそうとしておりました。」
と、巴は答えた。
「やはり間違いありません。祈りによって、三名が同じものを見たのです。何か邪で巨大な力が頼朝を操っております。」
と、国衡は思わず叫んだ。
「三名と申しますと?」
と、巴が不審に思うと、
「あ、父と、私と、巴殿です。」
と、国衡が答えた。
「私もぼんやりと何かが見えたのですが、巴殿のようにはっきりとは...」
と、忠衡が悔しそうにやや言葉を濁した。
泰衡が憂鬱そうにしていた理由が分かった。泰衡は次期当主でありながら、祈祷の成果が得られないのだ。
「日本の危機であるな...」
秀衡が、何かを覚悟したように天井の方を見上げた。
「大陸と商いをしておりますと、なかなか面白い話が耳に入ってきましてな。」
と、秀衡は世間話っぽく切り出した。
「今から千年以上昔のことですが、はるか西の土地に不思議な男がおりまして、危篤の患者を治したり、らいの病を治したりしたそうです。」
巴は、医者の話かと思った。
「いやいや、医術で治すのではござらん。医術を使って時間をかけるのではなく、一瞬の内に治すのです。」
「まあ、そのようなことが...」
と、巴も驚いた。
「他にも、嵐を静めたり、湖の上を歩いたり、水を酒に変えたり、わずかな食物で何千人もの腹を満たしたりとか、色々な神業を起こしたそうです。」
「それは幻術でしょうか。」
と、巴は秀衡に聞いた。
「遠い西方のはるか昔の話ですから、定かなことは分かりません。しかしその男はさらには、人から悪霊を追い出したり、果ては死人を生き返らせたりしたそうですじゃ。」
これには、流石に巴も息を飲んだ。
「して、その男はどうなったのですか。」
と、巴はその男に興味を持った。
「何万人もの人が信者になりました。しかしその男は、寺も作らずお布施も取らず、ひたすら教えを説いて回ったそうです。けれども、この男を快く思わぬ在来の宗派の連中が、その男を磔にして殺してしまいました。」
ここで泰衡が口を挟んだ。
「磔の刑と言うのは、一思いに突き殺すのではなく、手の平と足首を五寸釘で板に打ち付けて、高い所に吊るすのだそうです。出血と傷の痛みと飢えと渇き、それに不自然な体勢による苦痛でじわじわと時間をかけて殺すのです。その男がとうとう死んだと思った後も、息を吹き返さないように、最後に脇の下を突き刺したそうです。」
巴は、意地悪で残酷な異国の処刑法に顔をしかめた。
「ところがですな、この男は処刑の三日後に蘇ったというのですよ。それからこの男は、天に帰ったと言うのです。つまりこの男は神だったのですな。その後、弟子たちがこの男の教えを広めまして、今では多くの国で国教になっているのです。」
と、秀衡が話の続きを喋ると、泰衡が追加した。
「私も大陸から来た多くの商人から、その手の話をたくさん聞きました。自分が信者だという男の話も聞きました。確かに大陸のはるか西の方では信者が増えているそうです。クリスト教と言う教えです。千年以上も続いていて多くの地域に広まっておりますので、軽んじることはできない存在です。」
ここで秀衡が、巴に問いかけた。
「さて、巴殿は千年以上昔にこの男が行なったと言い伝えられる奇跡を、真ことの話と思われますか。」
巴はこの問いの意味を測りかねた。
確かに、病を一瞬に治したり、無い所から食物を出したりできることは、どんなに良いことだろうかと思った。ましてや死人を生き返らせれば、これほどの幸せは無いと思った。
しかし、現実にそのようなことに出会ったことが無い。
巴は、答えに閉口した。
「奇跡を起こす鍵は、祈りと断食なのです。」
と、国衡がここで初めて口を挟んだ。国衡は奇跡を肯定しているようだ。
しかし祈りと断食なら、仏教や神道に携わる者なら誰でも行なったことがあるような修行である。
だが本当に奇跡を起こせるものは、まずいない。
「招かれる者は多けれども、選ばれし者は少なし。」
と、忠衡が突然言った。巴が忠衡の方を振り返ると、
「いえ、そのクリスト教の信者が言っていたのです。」
と、忠衡は付け加えた。
国衡はここでかしこまった。
「畏れながら、巴殿にはその素養がふんだんにあるとお見受けしました。」
と言われても巴は困った。巴が怪訝な顔つきでいると、国衡は畳みかけた。
「三日後の断食の後、祈祷の業をお伝えします。それまで我が藤原氏に伝わる術についてお話いたします。」
「そのようなことを、わらわのようなよそ者に話してよろしいのですか。」
と、巴は拒もうとしたが、
「済まぬが、我らはもう巴殿に加わっていただくように決めてしまったのです。あの頼朝を滅ぼすためには、巴殿のお力が必要なのです。」
と、秀衡は熱意を込めて、巴に頭を下げた。
『頼朝を滅ぼすために自分の力が必要?』
義仲の敵を討つ話なら巴の願うところである。しかし、奇跡の力で頼朝を滅ぼそうとでもいうのだろうか。
まさかクリスト教とやらの力を使おうというのであろうか。
巴は、平家との戦の最中に頼朝の幕屋に単身乗り込んで行って、頼朝と刺し違える機会を伺っていた。
しかし頼朝は、鎌倉に引きこもったままで、一向に戦場に出てこない。
どんなに源氏が優勢、勝勢となっても出てこない。源氏の総大将として、最後尾であろうとも戦場に出て、味方の士気を奮い立たせる行動すら全く取らなかったのである。
頼朝の行動は、戦の常識から大きく外れていた。
鎌倉をずっと監視していた巴も、当てが外れて時を空しくしてしまった。
そして平家が滅び、頼朋にひれ伏さない勢力が、奥州藤原氏だけとなったのを見て、平泉へと向かったのである。
さて、言われた通り巴は、三日間の断食を行なった。
三日間、水だけで済ます生活は昔から慣れたことなので、巴は苦も無く断食をやり遂げた。
その日の夜、祈祷は藤原氏の屋敷の地下の部屋で行われた。
灯火だけの灯りは、神秘的な雰囲気を醸し出した。
秀衡、国衡、泰衡、忠衡、高衡、通衡、頼衡と巴が、車座になった。
だが、泰衡だけ憂鬱な顔をしていた。
「この祈りを成し遂げる為には、皆の思いが一つになることが肝要である。心に乱れがあるものは、この場から外れていただきたい。」
と、秀衡が神妙な顔つきで述べた。
「わらわは、何を思えばよろしいのでしょうか。」
と、巴が聞いたので、
「巴殿には、奥州の平安を願っていただきたい。」
と、秀衡は答えた。
「それでは、始めますぞ。」
秀衡は、祈りの言葉を唱え始めた。祈りは大和言葉だったので、異国の言葉だったらどうしようと内心ハラハラしていた巴も安心した。
祈りの言葉を聞いているうちに、巴は幻想を見ているような気がし始めた。
今まで全く見たことも無い風景が、脳裏に展開されて行った。
自然と巴の眉間にしわが寄り、この見たことも無い風景の正体が何であるかを突き止めようと心を砕いた。
祈りが終わって、巴はずいぶん疲れた気がした。
他の者たちも、皆疲れ切った表情をしていた。
「巴殿、何を見られた?」
と、秀衡が聞いて来た。
「頼朝は、とてもちっぽけな存在でした。しかしその背後に、とても巨大で、何と申しましょうか、恐ろしく危険な者の形が見えました。その者はとても強く、およそ人間の力ではかなわない強さでした。この強い者、支配者は、自分の言いなりでしか生きられない束縛の人生を選ぶ人間を、増やそうとしておりました。」
と、巴は答えた。
「やはり間違いありません。祈りによって、三名が同じものを見たのです。何か邪で巨大な力が頼朝を操っております。」
と、国衡は思わず叫んだ。
「三名と申しますと?」
と、巴が不審に思うと、
「あ、父と、私と、巴殿です。」
と、国衡が答えた。
「私もぼんやりと何かが見えたのですが、巴殿のようにはっきりとは...」
と、忠衡が悔しそうにやや言葉を濁した。
泰衡が憂鬱そうにしていた理由が分かった。泰衡は次期当主でありながら、祈祷の成果が得られないのだ。
「日本の危機であるな...」
秀衡が、何かを覚悟したように天井の方を見上げた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
我らの輝かしきとき ~拝啓、坂の上から~
華研えねこ
歴史・時代
講和内容の骨子は、以下の通りである。
一、日本の朝鮮半島に於ける優越権を認める。
二、日露両国の軍隊は、鉄道警備隊を除いて満州から撤退する。
三、ロシアは樺太を永久に日本へ譲渡する。
四、ロシアは東清鉄道の内、旅順-長春間の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を日本へ譲渡する。
五、ロシアは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を日本へ譲渡する。
六、ロシアは沿海州沿岸の漁業権を日本人に与える。
そして、1907年7月30日のことである。
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
織田信長IF… 天下統一再び!!
華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。
この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。
主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。
※この物語はフィクションです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
返歌 ~酒井抱一(さかいほういつ)、その光芒~
四谷軒
歴史・時代
【あらすじ】
江戸後期。姫路藩藩主の叔父、酒井抱一(さかいほういつ)は画に熱中していた。
憧れの尾形光琳(おがたこうりん)の風神雷神図屏風を目指し、それを越える画を描くために。
そこへ訪れた姫路藩重役・河合寸翁(かわいすんおう)は、抱一に、風神雷神図屏風が一橋家にあると告げた。
その屏風は、無感動な一橋家当主、徳川斉礼(とくがわなりのり)により、厄除け、魔除けとしてぞんざいに置かれている――と。
そして寸翁は、ある目論見のために、斉礼を感動させる画を描いて欲しいと抱一に依頼する。
抱一は、名画をぞんざいに扱う無感動な男を、感動させられるのか。
のちに江戸琳派の祖として名をはせる絵師――酒井抱一、その筆が走る!
【表紙画像】
「ぐったりにゃんこのホームページ」様より
剣客逓信 ―明治剣戟郵便録―
三條すずしろ
歴史・時代
【第9回歴史・時代小説大賞:痛快! エンタメ剣客賞受賞】
明治6年、警察より早くピストルを装備したのは郵便配達員だった――。
維新の動乱で届くことのなかった手紙や小包。そんな残された思いを配達する「御留郵便御用」の若者と老剣士が、時に不穏な明治の初めをひた走る。
密書や金品を狙う賊を退け大切なものを届ける特命郵便配達人、通称「剣客逓信(けんかくていしん)」。
武装する必要があるほど危険にさらされた初期の郵便時代、二人はやがてさらに大きな動乱に巻き込まれ――。
※エブリスタでも連載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる