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第110話 許昌学園(3)

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「うぅ、ううう……」

 僕が郭汜君の方へと視線を変えると。

「長安学院のクソがぁ~! いい加減にしろ~! こら~! うりゃ~! わりゃ~!」

 僕の耳へと更に少女の怒声が聞こえてくると打撃音迄もが数発聞こえてきた。

 だから僕は『えっ! 何? あの娘は一体何をしているのだ?』と思うのだ。

 だって地面に横たわり呻る郭汜の身体をポニーテールの少女が憤怒しながら蹴る姿が僕の瞳に映ったからね。
 僕は『君達~! いい加減にしろ~!』と諫めようとしたら。

「うわぁあああっ!」とまた絶叫が僕の耳へと聞こえてくる。

 そう郭汜君に続いて今度は李傕君の身体が吹き飛び──! 宙を舞い……。道路の真ん中……。車道の分離帯へと彼の身体が鈍い音を出しつつ落下するのが僕の瞳へと映る。


「李傕君~!」

 僕は慌てて彼の名を呼び、リちゃんと張繍さん、樊稠さんをその場に置き去り……。

 李傕君の許へと詰め寄ろうと試みれば。

「おい! 一体誰だ? 先程の変な風の術式を使用した阿保は……?」
「うち等のスカートの中身が丸見えになって、世間の良い見世物……。物笑いの種になっただろうが~。あぁ~!」
「長安学院のクソ共が、いい加減にしろ~!」

 僕の耳へと少女の怒声が複数聞こえてきた。



「誰だ~、お前等~?」

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