俺と（従姉）姉ちゃんの良くある『今日から俺は？』の話だ。

第31話 あんな俺を見てくれていた奴もいたけれど。良くなってからの俺の事を見るようになった奴もいる（10）

　俺がいつまで経っても姉ちゃんの優艶な誘いに乗らない……。

　そう姉ちゃんは容姿が整った俺を自分の物にしたくて仕方がないのかな？　今度は俺の思春期の少年らしい私生活……。女性関係を尋ねてきた。

「新作、あんた～、彼女がいるの？」とね。

「うぅん、いないよ」

　俺は皆も知っての通りで特定の彼女を作ってはいないから姉ちゃんへと素直に女はいないと告げる。

「本当に？」
「うん、本当だよ」

　俺は夕飯を食べながら何度も頷く日々が続いた。



「新作は好きな女性ひとかいるの？」
「俺？」
「うん、そう」
「いるよ……」

　俺が姉ちゃんの問い掛け……。「彼女がいるのか？」の言葉に対して首を振る日々が続けば姉ちゃんは俺にストレートに尋ねてきた。

　それも姉ちゃんは大変に御機嫌良くなのだぁ！

　そう、多分？　としか俺も告げる事はできないけれど。姉ちゃんは俺の好きな女性は自分なのだと思っていたみたいだ。

　だから従姉アイツは俺へと嬉しそうに尋ねてきたけれど。俺にはもう既に心に想う人……。高校と大学を卒業したら結婚しても良いと思っている女性ひとが居る。

　そう久美ちゃん先生と浅田唯なのだ。

　まあ、久美ちゃん先生の件は学校中……。生徒間……。ヤンキー達の間では男女問わず有名な話でね。その間に割って入っているのが、積極性がある癖にツンデレ……。

　まさに可愛いあの娘はバデ○キャットではないが、俺は何だかんだと言いつつも尽くしてくれる、唯の尻に敷かれている状態でね。俺は浅田唯あいつに頭が上がらない状態……。

　その二人に続くのが学園内のヤンキーの先輩達と暴走族チームの集会に遊びにくる無職や他校の先輩やタメ、後輩の女達かな……？

　まあ、女たらしの山中に対して悪態をつけない状態へといつの間にか進化……。硬派のヤンキーではなく、ナンパ師のヤンキーになっている俺だから、姉ちゃんへの好感度は、以前よりかは良くなったとしても、コイツの順位表は三番目ぐらいかな？　と。俺が思案をしていると。

「新作、あんたの好きな人は誰～？」