俺と（従姉）姉ちゃんの良くある『今日から俺は？』の話だ。

第31話 あんな俺を見てくれていた奴もいたけれど。良くなってからの俺の事を見るようになった奴もいる（９）

「はぁ～。新作、あんた～、何を言っているの？　父ちゃんと母ちゃんはうちがあんたのいいお嫁さんなると言っているのでしょうに。あんた～、それぐらいのこともわからないの～？（プンプン）」

　でも家の姉ちゃんはこの通りでね、今更のようにと言うか？　俺に嘘偽り……。自分が本気で思っていない事……。俺が以前姉ちゃんに対して「あんたの許嫁は俺だ！　だから姉ちゃんは俺の物だ！」と告げた時に拒否をしてきたのは。姉ちゃん自身な訳だから。

「えぇ～、姉ちゃん彼氏いるじゃ、ん。そんな言葉を彼氏に聞かれたら幻滅してフラレ、捨てられるぞ」と。

　俺は苦笑いを浮かべつつ。それも自分の顔を引き攣らせながら姉ちゃんの世迷い言を否定してやったりした。

「はぁ～、新作～。何を言っているの～？　うちは母ちゃんと前の奴とは別れるようにと言われたから。ちゃんと前の男とは別れているから、今のうちはフリーで彼氏なんかいないし。新作～、あんた～、何を可笑しなことを言っているの～？」

　姉ちゃんも自身の顔を引き攣らせながら、にへらと笑いつつ俺には前の彼氏と別れたと嘘を告げてくるから。

「姉ちゃん、別に俺に嘘を言わなくても良いから～。俺は別に伯父さんや伯母さんに、姉ちゃんの事を告げ口したりしないから大丈夫だよ」と。

　俺は苦笑いを浮かべつつ姉ちゃんに大丈夫だ～！　と告げるのだが。

　まあ、最初の頃は姉ちゃんも大人しく、「新作の勘違いだよ。うちは彼氏とは学校で話しもしていないのだから」と自分の顔を引き攣らせつつ慌てて俺へと誤魔化していただけだった。

　でも更に日にちが立てば姉ちゃんは怪訝な表情で。

「そんなにうちのことが信用できないのならば。新作がうちの身体を調べてくれたらいいから」と。

　姉ちゃんは慌ててスウェットスーツやボンタンジャージ、スポーツブランドのジャージの下を脱ぎ──下着姿になって、俺に腹部の下を調べろとか、優艶な事を平然と告げてくるようになる。

　だから俺はその都度怪訝な表情で姉ちゃんへと「別に調べなくてもいいよ」と。
「そうなんだ。あっ、ははは～」と笑い誤魔化していたけれど。