俺と（従姉）姉ちゃんの良くある『今日から俺は？』の話だ。

第30話 押しかけの、あの娘の不満？ （８）

「俺も大島だからしないすぅ。それに先輩達～。俺女の親父さん達から何度も殴られた事ありますから。馴れっ子です。あっ、ははは！」

山中の奴は胸を張り、空威張りしつつ笑いながら告げたのだ。

「意外だな、お前等二人……」
「まあ、山中はああ見えても女には優しい所があるから、あり得る話だけれどなぁ……」
「大島は意外だよな」
「うん」
「俺もそう思う」
「女の親父さんが殴ってきたら半殺しにしそうな雰囲気はあるよな」
「ああ、確かに……」

山中はともかく、大島が自分の彼女の父親に殴り返すじゃなく、半殺しにしないのが不思議だと、浅野唯や先輩達……。他所のクラスの奴等がワイワイ、ザワザワと騒めきながら各自各々が首を傾げるから。

「大島の場合は、俺の両親も含めて町内会の役員のおじさんやおばさん達も怖がり、関わり合いを持ちたくないと思っていますから。大島が女絡みの不祥事を起こしても誰も文句を言ってきませんよ、怖がって……。それの大島の奴は親戚に市議会議員の先生もいるから鑑別や少年院にも行く事ないすから。あっ、ははは～」

俺が大島の代わりに浅田唯や先輩達……。他のクラスの奴にも説明をすれば。


「マジか！」
「本当にか！」
「えぇのぅ～」
「良いな～」
「儂もそうだったら良いのに」
「新作～？」
「何だぁ～、浅田？」

俺が大島の事……。お家事情も含めて浅田唯や先輩達、他のクラスの奴等に説明を終え、大島に対して羨望の眼差しを送っている様子を苦笑いを浮かべつつ見ていると。
浅田唯が声をかけてきたから言葉を返した。