俺と（従姉）姉ちゃんの良くある『今日から俺は？』の話だ。

第19話 怒り……（８）

「伯父さん、喧嘩したら駄目だって」

　俺は姉ちゃんの彼氏を恐ろしい形相で睨み、威圧をしている伯父さんに喧嘩をしたら駄目だと止め。

「姉ちゃんの彼氏も伯父さんの首の襟を離してよ。お願いだから」と。
「あんた～！　自分が何をしているのか分かっているのか～？　伯父さんは姉ちゃんの父親だぞ！　それなのにあんたは……」

　俺は泣きながら姉ちゃんの彼氏を諫めた。

　まあ、諫めたけれど。俺の伯父さんは未成年者の姉ちゃんを玩具にされていた現実を知ったから。俺が止めたぐらいで伯父さんの荒ぶれ高まっている熱い血が収まり、下がる訳はないから。
　伯父さんは俺の諫めを無視して、そのまま力任せ、強引に……。姉ちゃんの彼氏の足を若い頃にしていた柔道の足払いで安易に畳の上へと転がし、喉元を押さえつけた。

　だから姉ちゃんの彼氏の口から「あがっ、うぐっ、げほ、げほ……」と苦しそうな声と咳が吐かれるから。
　伯父さんは直ぐに自身の利き腕を振り上げて、姉ちゃんの彼氏の顔へと拳を打ち込む体制を整えた。



『うわぁ～、不味い。このままだと伯父さんが警察沙汰になり傷害で逮捕されるようになるから。この家は大変な事になるから本当に不味い……』と俺は思った。