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Chapter1:死骸人形と欠けた月
第二十三話:偽れぬ血縁
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ポケットをまさぐり、中のものを取り出す。
そしてその、世に一般的ではない機巧仕掛けの刃物へと目を落とす。
「なんですか、それ? 棒……?」
「ナイフ。普段は柄の内側に刃が仕込まれてて、横んとこのレバーを下げるとニュって飛び出てくる。危ないから触っちゃダメだぞ」
「カラクリ道具ってことですか? どこでそんなの——いえ、それよりも、今は灯りの方をなんとかしないと」
「だからその灯りを用意できるかも、って話だ。ガルディに襲われて、初めて使った時はオレも気にしちゃいなかったが、こいつは柄のところに石が埋め込まれてた」
ヤトは洞窟の入り口を降りる際、魔術ランタンを手にしていたノルトがそらんじた詠唱を思い返す。
「確か——あまねく闇よ、我が光に照らされてあれ。……だったか?」
すると、ヤトの魔力を媒介に、柄に仕込まれた黒い石がぼうと光を発する。
魔術ランタンのライトストーンに覚えていた既視感の正体はこれだったのだ。あまりにサイズが違うため、すぐには気が付けなかった。
「わ……灯りが点いた? ナイフの柄に、ライトストーン——魔術具!?」
「こいつはオレが起きた時から持ってた、つまりはリアンの持ち物だ。ただの変わったナイフだとばかり思ってたが、灯りにもなる優れ物だったらしい。ナイフとして使うには刃渡りが短すぎるし、こっちの用途が主だったのかもな」
「なるほど……変わった魔術具ですが役立ちそうです。学院のあるセファイドの都市は世界中から色んな技術が集うそうですから、そこで手に入れたんでしょうか。周到な兄さまらしいです」
道具に感じる兄の面影に、ミアは小さく表情をほころばせた。
武器としては今ひとつだったが、灯りとしては役に立つ。柄に埋め込まれたライトストーンはせいぜいが指先程度のサイズであり、ノルトの魔術ランタンに比べればその明かりは頼りなかったが、それでも手元くらいは照らしてくれる。
灯りがあるのとないのとでは大違いだ。
こればかりはヤトも素直に、心の中でリアンに感謝した。
「オレが先導する。急ぐから、離れずついてこいよ」
「了解ですっ」
ノルトは今も通路を塞ぐ岩を貫こうとしている。
選択の余地などない。灯りも確保できた今、可及的速やかに脱出をしなければ。
ナイフの柄に埋め込まれたライトストーンが発するか細い光を頼りにしながら、ひたすら来た道を戻る。地上へ向かって。
もはや互いに言葉もなく、無駄口は叩かず一心不乱に先を急ぐ。
「……光だ!」
「はい!」
やがて、ライトストーンの魔術的な明かりとは違う、しかし似た色味の光が上方から差し込んでくる。
地上の明かりだった。外は日が暮れ始め、夕方のようだ。
来た時は足を踏み外した斜面を、一歩、一歩と着実に登る。
「はぁ、は、ぁ——」
地下の広間で受けた傷は浅くなく、疲労も相まって気を抜けば意識が朦朧としかかる。そのたびにヤトは歯を食いしばり、緩みかけた緊張を戻す。
感覚の希薄な手足になんとか力を込め、必死に動かす。
疲労は限界を迎えている。あるいは、限界などというラインはとうに越えている。
そしてそれは、ヤトだけではないとヤト自身もわかっていた。
「……っ、ぁ」
「ミア、しっかりしろ。後少しだ」
「は……はいっ」
地上が近づき、既にナイフの明かりは必要なくなった。存分に役立ってくれた魔術具はまたポケットの中へと収め、代わりにその手でミアの手を引く。
(ふらふらじゃないか……)
体温から、その疲れが伝わってくるようだった。
気丈に振る舞ってはいるものの、オレンジがかった陽光に照らされる横顔は皮肉なくらいに青白い。
大きな傷こそなかったが、明るい場所でよくよく見てみれば体もあちこちを擦りむき、血がにじんでいる。おそらく広間からここまで、狭い洞窟の中を乏しい明かりで急いできたせいだろう。
(……これからどうすればいい? オレは……ミアを守るには)
やがて、斜面の果てにたどり着いた。平坦な土の地面はもはや懐かしくさえある。
ヤトはそこで、木の陰でない日当たりのよい場所を適当に見繕い、学院の制服が汚れるのも厭わず、ふかふかの地面に倒れ込んで休んでやりたい衝動に駆られた。
三十分、いや、十五分でも構わない。
この疲れ切った体を休めることができれば、どれだけいいだろう。
だがそんな余裕はなかった。
「ミア……」
「わかってます。ここから、ですよね」
声を掛けると、ミアは疲労を隠した顔でうなずく。
強行軍はまだまだ続く。むしろこれからが、ヤトたちにとっての本番と言っていい。
——軍は既にムラクモの血のことを知っている! どこまでだって追い立てられるぞ!!
崩落の間際、ノルトが残した言葉が頭の中で残響する。
疲労がヤトに弱音を吐かせようとした。
「……オレたちに——」
「でも、まずは傷を治してからです」
「——?」
しかしその前にミアは、ヤトへ近づくと、傷ついた腕にそっと手を添える。
「陽虚すれば陰虚する、陰実すれば陽実する。我が血を手繰るは陰の制約なり。『陰天・血癒』」
すると、腕を中心に体中の血が燃えるように熱くなり、見る見る傷が塞がっていく。
腕だけではない——肩や頬、腰や足まで。
ミアを労るヤトだったがその実、彼の方がよほど重体だった。血晶魔術を使うためにあえて受けた刀傷もある。血も多く流れ出て、ミアから見るヤトの顔も青白くなっているに違いない。
「これは……治癒魔術? こんなことできたのか、ミア」
「これだけ、です。わたしが使える魔術は。本来は自分の傷を癒すしかできない魔術ですが、ヤトさんは血が同じだから例外なんです。……ええ、同じ血が流れてるんですから」
陽魔術が体外のマナを操るなら、陰魔術はその逆。体内、特に血管を流れる魔力の操作に長けている。
そのため本来自身の血を操作して傷を治す魔術だったが、実兄の肉体に宿るヤトにはミアとまったく同じ血が流れているため、ヤトを自身の体の拡張のように見なすことができた。
「ミアだって限界なのに、魔術なんて使ったら余計に疲れるだろ。……待て、もしかして昨日、オレを手当てしてくれたのってミアか?」
昨日、蔵の事故で頭をぶつけたヤトは気を失ったものの、起きた時には傷もまるでなかった。
てっきりノルトが治癒魔術をかけてくれたのだとヤトは思っていたが、一般にアーリア治癒魔術が作用するのはある程度の創傷までで、皮下出血までは治せない。
ミアが陰魔術で血流を操り、治してくれたのだ。
「どうして、オレにそこまで……」
「同じことをあの時、わたしも訊きましたね」
兄ではない、リアンではない自分にどうして。そんなヤトの率直な問いに、ミアは砂のついた顔で柔らかくはにかんでみせた。
「ヤトさんは……たまに兄さまに似ています。仕草や味の好み、それに優しいところが同じで、それがどうしても兄さまの姿と被って見えてました」
「——っ」
昨夜のことを思い出す。
あなたは……誰なんですか?
そう言われたことが、今もヤトの胸に残っている。
中途半端にリアンの面影を残すこの身は、ただミアのそばにいるだけで、彼女の記憶を塗りつぶしてしまう。
「でも、やっぱりこうも思います。天井を崩落させたり、わたしを無理やり抱えたり……下ろしてって言ってるのに聞いてくれなかったり。ヤトさんはすごく強引でがさつで、やっぱり兄さまとは別人です」
「……ああそうだ。オレも思い知った。オレはリアンにはなれない。すまねえ、ミア——オレが本物のリアンだったら、今頃こんなことにはならなかったはずなのに」
「ううん、そういうことを言ってるんじゃないんです。うつむかないで、わたしの目を見てください」
言われて、ヤトは顔を上げた。
ミアは土と砂に汚れ、そこかしこを擦りむき、髪もひどくほつれている。それでもその姿は愛らしい、ヤトにとって最も大切な少女そのものだ。
表情は真剣さに凛と引き締められながらも、顔立ちにはまだ幼さを残し、髪と同じ黒のまつ毛が飾る瞳はくりくりと丸い。
瞳——両の目は、鮮血を思わせる赤の色を湛える。
そして同じ色を、ヤトもまた、両の眼窩に埋めるのだ。
同じ血、同じ呪いを有する、ムラクモ一族の証として。
そしてその、世に一般的ではない機巧仕掛けの刃物へと目を落とす。
「なんですか、それ? 棒……?」
「ナイフ。普段は柄の内側に刃が仕込まれてて、横んとこのレバーを下げるとニュって飛び出てくる。危ないから触っちゃダメだぞ」
「カラクリ道具ってことですか? どこでそんなの——いえ、それよりも、今は灯りの方をなんとかしないと」
「だからその灯りを用意できるかも、って話だ。ガルディに襲われて、初めて使った時はオレも気にしちゃいなかったが、こいつは柄のところに石が埋め込まれてた」
ヤトは洞窟の入り口を降りる際、魔術ランタンを手にしていたノルトがそらんじた詠唱を思い返す。
「確か——あまねく闇よ、我が光に照らされてあれ。……だったか?」
すると、ヤトの魔力を媒介に、柄に仕込まれた黒い石がぼうと光を発する。
魔術ランタンのライトストーンに覚えていた既視感の正体はこれだったのだ。あまりにサイズが違うため、すぐには気が付けなかった。
「わ……灯りが点いた? ナイフの柄に、ライトストーン——魔術具!?」
「こいつはオレが起きた時から持ってた、つまりはリアンの持ち物だ。ただの変わったナイフだとばかり思ってたが、灯りにもなる優れ物だったらしい。ナイフとして使うには刃渡りが短すぎるし、こっちの用途が主だったのかもな」
「なるほど……変わった魔術具ですが役立ちそうです。学院のあるセファイドの都市は世界中から色んな技術が集うそうですから、そこで手に入れたんでしょうか。周到な兄さまらしいです」
道具に感じる兄の面影に、ミアは小さく表情をほころばせた。
武器としては今ひとつだったが、灯りとしては役に立つ。柄に埋め込まれたライトストーンはせいぜいが指先程度のサイズであり、ノルトの魔術ランタンに比べればその明かりは頼りなかったが、それでも手元くらいは照らしてくれる。
灯りがあるのとないのとでは大違いだ。
こればかりはヤトも素直に、心の中でリアンに感謝した。
「オレが先導する。急ぐから、離れずついてこいよ」
「了解ですっ」
ノルトは今も通路を塞ぐ岩を貫こうとしている。
選択の余地などない。灯りも確保できた今、可及的速やかに脱出をしなければ。
ナイフの柄に埋め込まれたライトストーンが発するか細い光を頼りにしながら、ひたすら来た道を戻る。地上へ向かって。
もはや互いに言葉もなく、無駄口は叩かず一心不乱に先を急ぐ。
「……光だ!」
「はい!」
やがて、ライトストーンの魔術的な明かりとは違う、しかし似た色味の光が上方から差し込んでくる。
地上の明かりだった。外は日が暮れ始め、夕方のようだ。
来た時は足を踏み外した斜面を、一歩、一歩と着実に登る。
「はぁ、は、ぁ——」
地下の広間で受けた傷は浅くなく、疲労も相まって気を抜けば意識が朦朧としかかる。そのたびにヤトは歯を食いしばり、緩みかけた緊張を戻す。
感覚の希薄な手足になんとか力を込め、必死に動かす。
疲労は限界を迎えている。あるいは、限界などというラインはとうに越えている。
そしてそれは、ヤトだけではないとヤト自身もわかっていた。
「……っ、ぁ」
「ミア、しっかりしろ。後少しだ」
「は……はいっ」
地上が近づき、既にナイフの明かりは必要なくなった。存分に役立ってくれた魔術具はまたポケットの中へと収め、代わりにその手でミアの手を引く。
(ふらふらじゃないか……)
体温から、その疲れが伝わってくるようだった。
気丈に振る舞ってはいるものの、オレンジがかった陽光に照らされる横顔は皮肉なくらいに青白い。
大きな傷こそなかったが、明るい場所でよくよく見てみれば体もあちこちを擦りむき、血がにじんでいる。おそらく広間からここまで、狭い洞窟の中を乏しい明かりで急いできたせいだろう。
(……これからどうすればいい? オレは……ミアを守るには)
やがて、斜面の果てにたどり着いた。平坦な土の地面はもはや懐かしくさえある。
ヤトはそこで、木の陰でない日当たりのよい場所を適当に見繕い、学院の制服が汚れるのも厭わず、ふかふかの地面に倒れ込んで休んでやりたい衝動に駆られた。
三十分、いや、十五分でも構わない。
この疲れ切った体を休めることができれば、どれだけいいだろう。
だがそんな余裕はなかった。
「ミア……」
「わかってます。ここから、ですよね」
声を掛けると、ミアは疲労を隠した顔でうなずく。
強行軍はまだまだ続く。むしろこれからが、ヤトたちにとっての本番と言っていい。
——軍は既にムラクモの血のことを知っている! どこまでだって追い立てられるぞ!!
崩落の間際、ノルトが残した言葉が頭の中で残響する。
疲労がヤトに弱音を吐かせようとした。
「……オレたちに——」
「でも、まずは傷を治してからです」
「——?」
しかしその前にミアは、ヤトへ近づくと、傷ついた腕にそっと手を添える。
「陽虚すれば陰虚する、陰実すれば陽実する。我が血を手繰るは陰の制約なり。『陰天・血癒』」
すると、腕を中心に体中の血が燃えるように熱くなり、見る見る傷が塞がっていく。
腕だけではない——肩や頬、腰や足まで。
ミアを労るヤトだったがその実、彼の方がよほど重体だった。血晶魔術を使うためにあえて受けた刀傷もある。血も多く流れ出て、ミアから見るヤトの顔も青白くなっているに違いない。
「これは……治癒魔術? こんなことできたのか、ミア」
「これだけ、です。わたしが使える魔術は。本来は自分の傷を癒すしかできない魔術ですが、ヤトさんは血が同じだから例外なんです。……ええ、同じ血が流れてるんですから」
陽魔術が体外のマナを操るなら、陰魔術はその逆。体内、特に血管を流れる魔力の操作に長けている。
そのため本来自身の血を操作して傷を治す魔術だったが、実兄の肉体に宿るヤトにはミアとまったく同じ血が流れているため、ヤトを自身の体の拡張のように見なすことができた。
「ミアだって限界なのに、魔術なんて使ったら余計に疲れるだろ。……待て、もしかして昨日、オレを手当てしてくれたのってミアか?」
昨日、蔵の事故で頭をぶつけたヤトは気を失ったものの、起きた時には傷もまるでなかった。
てっきりノルトが治癒魔術をかけてくれたのだとヤトは思っていたが、一般にアーリア治癒魔術が作用するのはある程度の創傷までで、皮下出血までは治せない。
ミアが陰魔術で血流を操り、治してくれたのだ。
「どうして、オレにそこまで……」
「同じことをあの時、わたしも訊きましたね」
兄ではない、リアンではない自分にどうして。そんなヤトの率直な問いに、ミアは砂のついた顔で柔らかくはにかんでみせた。
「ヤトさんは……たまに兄さまに似ています。仕草や味の好み、それに優しいところが同じで、それがどうしても兄さまの姿と被って見えてました」
「——っ」
昨夜のことを思い出す。
あなたは……誰なんですか?
そう言われたことが、今もヤトの胸に残っている。
中途半端にリアンの面影を残すこの身は、ただミアのそばにいるだけで、彼女の記憶を塗りつぶしてしまう。
「でも、やっぱりこうも思います。天井を崩落させたり、わたしを無理やり抱えたり……下ろしてって言ってるのに聞いてくれなかったり。ヤトさんはすごく強引でがさつで、やっぱり兄さまとは別人です」
「……ああそうだ。オレも思い知った。オレはリアンにはなれない。すまねえ、ミア——オレが本物のリアンだったら、今頃こんなことにはならなかったはずなのに」
「ううん、そういうことを言ってるんじゃないんです。うつむかないで、わたしの目を見てください」
言われて、ヤトは顔を上げた。
ミアは土と砂に汚れ、そこかしこを擦りむき、髪もひどくほつれている。それでもその姿は愛らしい、ヤトにとって最も大切な少女そのものだ。
表情は真剣さに凛と引き締められながらも、顔立ちにはまだ幼さを残し、髪と同じ黒のまつ毛が飾る瞳はくりくりと丸い。
瞳——両の目は、鮮血を思わせる赤の色を湛える。
そして同じ色を、ヤトもまた、両の眼窩に埋めるのだ。
同じ血、同じ呪いを有する、ムラクモ一族の証として。
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