20 / 34
第二章 外の景色
十八話 手紙
しおりを挟む
暗い。
でも真暗闇ではない。
少しばかりの光が布団をすり抜けてくる。
おかげでうっすらと自分の手足が見える程度には明るい。
もうどの位こうしているだろうか。
ぼーっとして疲れたら寝るの繰り返し。
時間の感覚はよくわからなくなっている。
数時間だろうか、数日だろうか...もしかしたら数週間かもしれない。
今が朝なのか夜なのかすらわからないのだ...
あぁ、一度は戻ったか。
ポカリが話をしに来てくれた時だ。
まだ心が荒れていたからか。
話の内容自体はあまり良く覚えていない。
でも帰り際ポカリの腹の虫が泣いたから昼頃だと知れた。
腹か...減った気はする。
しかし、食べる気にはなれない...
頭部を潰された感覚が頭から離れないのだ。
気持ち悪くなって当然だ。
頭を潰されている時、精神の方は相当イカレてたんだろうと思う。
痛みが全くなかったし。
よくわからない言動をした記憶があるからだ。
それは恐怖でどうにかなっていたのだろうと結論付けた。
ただその時は何ともなかったにしても今思えば気持ち悪い限りだ。
正気に戻ったあと感覚を思い出しただけで引き籠るほどに...
幸いなことに今現在はそれほどでもない。
せいぜい食欲が引っ込む程度だ。
このままがダメな事もわかってる。
まずはここから出よう。
それからポカリに礼をしよう。
励ましに来てくれてありがとう、心配かけてごめんと。
それからシエルにもだ。
意を決してかぶっていた布団を剥いだ。
心なしか卵の殻を内側から破ったような気持ちだ。
空気が少しばかり冷たく感じる。
布団の中は相当籠っていたようだ。
小さな窓から青白いぼんやりとした光が部屋を照らす。
しばらく目にしていなかった自室を見渡すと、遠出でもしていたかのように軽い懐かしさを感じる。
実際ずっと部屋にしかいなかったのだが何とも不思議な感覚だ。
寝床から体を起こし脚に力を入れる。
どのくらいかはわからないが立って歩くという行為が久しぶりな事は感じる。
「おっとっと」
よろけた。
ふらつく足取りをどうにか制御してテーブルに手をつく。
すると視界に何かが映った。
足を気にしつつ視界に映ったものを確認する。
テーブルの上に一枚の手紙が置かれていた。
でも真暗闇ではない。
少しばかりの光が布団をすり抜けてくる。
おかげでうっすらと自分の手足が見える程度には明るい。
もうどの位こうしているだろうか。
ぼーっとして疲れたら寝るの繰り返し。
時間の感覚はよくわからなくなっている。
数時間だろうか、数日だろうか...もしかしたら数週間かもしれない。
今が朝なのか夜なのかすらわからないのだ...
あぁ、一度は戻ったか。
ポカリが話をしに来てくれた時だ。
まだ心が荒れていたからか。
話の内容自体はあまり良く覚えていない。
でも帰り際ポカリの腹の虫が泣いたから昼頃だと知れた。
腹か...減った気はする。
しかし、食べる気にはなれない...
頭部を潰された感覚が頭から離れないのだ。
気持ち悪くなって当然だ。
頭を潰されている時、精神の方は相当イカレてたんだろうと思う。
痛みが全くなかったし。
よくわからない言動をした記憶があるからだ。
それは恐怖でどうにかなっていたのだろうと結論付けた。
ただその時は何ともなかったにしても今思えば気持ち悪い限りだ。
正気に戻ったあと感覚を思い出しただけで引き籠るほどに...
幸いなことに今現在はそれほどでもない。
せいぜい食欲が引っ込む程度だ。
このままがダメな事もわかってる。
まずはここから出よう。
それからポカリに礼をしよう。
励ましに来てくれてありがとう、心配かけてごめんと。
それからシエルにもだ。
意を決してかぶっていた布団を剥いだ。
心なしか卵の殻を内側から破ったような気持ちだ。
空気が少しばかり冷たく感じる。
布団の中は相当籠っていたようだ。
小さな窓から青白いぼんやりとした光が部屋を照らす。
しばらく目にしていなかった自室を見渡すと、遠出でもしていたかのように軽い懐かしさを感じる。
実際ずっと部屋にしかいなかったのだが何とも不思議な感覚だ。
寝床から体を起こし脚に力を入れる。
どのくらいかはわからないが立って歩くという行為が久しぶりな事は感じる。
「おっとっと」
よろけた。
ふらつく足取りをどうにか制御してテーブルに手をつく。
すると視界に何かが映った。
足を気にしつつ視界に映ったものを確認する。
テーブルの上に一枚の手紙が置かれていた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる