世界は節目を迎えました

零時

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第二章 外の景色

十八話 手紙

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  暗い。
  でも真暗闇ではない。 
  少しばかりの光が布団をすり抜けてくる。
  おかげでうっすらと自分の手足が見える程度には明るい。

  もうどの位こうしているだろうか。
  ぼーっとして疲れたら寝るの繰り返し。
  時間の感覚はよくわからなくなっている。
  数時間だろうか、数日だろうか...もしかしたら数週間かもしれない。
  今が朝なのか夜なのかすらわからないのだ...

  あぁ、一度は戻ったか。
  ポカリが話をしに来てくれた時だ。
  まだ心が荒れていたからか。
  話の内容自体はあまり良く覚えていない。
  でも帰り際ポカリの腹の虫が泣いたから昼頃だと知れた。

  腹か...減った気はする。
  しかし、食べる気にはなれない...
  頭部を潰された感覚が頭から離れないのだ。
  気持ち悪くなって当然だ。

  頭を潰されている時、精神の方は相当イカレてたんだろうと思う。
  痛みが全くなかったし。
  よくわからない言動をした記憶があるからだ。
  それは恐怖でどうにかなっていたのだろうと結論付けた。
  ただその時は何ともなかったにしても今思えば気持ち悪い限りだ。
  正気に戻ったあと感覚を思い出しただけで引き籠るほどに...

  幸いなことに今現在はそれほどでもない。
  せいぜい食欲が引っ込む程度だ。
  このままがダメな事もわかってる。
  まずはここから出よう。
  それからポカリに礼をしよう。
  励ましに来てくれてありがとう、心配かけてごめんと。
  それからシエルにもだ。

  意を決してかぶっていた布団を剥いだ。
  心なしか卵の殻を内側から破ったような気持ちだ。
  空気が少しばかり冷たく感じる。
  布団の中は相当籠っていたようだ。

  小さな窓から青白いぼんやりとした光が部屋を照らす。
  しばらく目にしていなかった自室を見渡すと、遠出でもしていたかのように軽い懐かしさを感じる。
  実際ずっと部屋にしかいなかったのだが何とも不思議な感覚だ。

  寝床から体を起こし脚に力を入れる。
  どのくらいかはわからないが立って歩くという行為が久しぶりな事は感じる。

  「おっとっと」

  よろけた。
  ふらつく足取りをどうにか制御してテーブルに手をつく。
  すると視界に何かが映った。
  足を気にしつつ視界に映ったものを確認する。

  テーブルの上に一枚の手紙が置かれていた。

  

  




  

  

  


   
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