44 / 80
第三章 建国祭と学園と
38.少しの心配事
しおりを挟む
マリーアが学園に通い始めて、はや数ヶ月。
おしゃれセンスありありのテンダーが、さらに手先が器用なことを知り、一緒に引きずるように手芸部に入ってからも数ヶ月。
始めはかなり恥ずかしがっていたテンダーも、女子からの想像以上の歓迎ぶりと、フィスがテンダーからいろいろおしゃれ座学を受けているのを見て、男子も興味を持つ人たちが増えたようで、楽しくやっている模様。
剣技の鍛練は大丈夫なのか聞いてみたけれど、家で充分やれるから平気なんだって。なるほど。
マリーアも実は裁縫全般が大好きだったらしく。思い返すと刺繍やレース編みをニコニコやっていたなあ。楽しいらしい。………………楽しいんだ、あれ…………。
コホン、ともかく。
もうすぐ夏季休暇で休み前の期末テストでも、フィスと共に学年首位を取り、マリーアの学園生活は順風満帆のはず!いや、順風満帆なことに違いはない。のに。
「……」
今日は週に一度の学園の休日。お休みの日は、二人でのアフタヌーンティーがお決まりになっている(たまにフラッとルシーの参加あり)。毎回、楽しくおしゃべりをしているのだけれど。
ここ2、3回、ふとした時に一瞬ボーッとマリーアの表情に影が差すのだ。今のように。さっきまで、文化祭のメイン展示を是非テンダーに!!と、部員たちからの熱い推薦を受け、恐縮しきりのテンダーがあわあわしていて面白かったと話していたのに、だ。
と、言っても、それは本当に一瞬のことで、気にしなければ気にならないくらいのことなんだけど。
「それで、テンダーはどうしたの?」
「ふふっ、さすがに最高学年の部長に頭を下げられたら引き受けるしかなくて、眉をこーんなに垂らしながら頷いたわ」
マリーアは自分の眉を指で下げて、テンダーの真似をする。変顔もかわいい。さすがヒロイン。正に可愛いは正義。だが!私の目は誤魔化せなくてよ!
「ねぇ、マリー姉さま?学園で何かあった?」
ひと通り笑い合った後にダメ元で聞いてみる。
「ん?なんで?」
「んーん、なんか、こう、元気がなく見えて」
「そう?何もないわよ?楽しいし!リリーの心配は嬉しいけど、大丈夫!体調も悪くないし」
「……そっか。なら良かった!」
やはりダメか。まあ、確かにほんの一瞬だし、気のせいかもしれないけど、なんだかなあ。気になるんだよなあ。フィスたちに聞いてみちゃう?いやでも、彼らは余程のことでもない限り、マリー本人に内緒でペラペラ話してはくれないだろう。そもそも余程なことがあれば家に連絡が来るわな。
と、いう訳で。
『マリー、マリーの元気がないの?』
「そうなの、リリスたち妖精さんが何か見てないかなあと思って。学園にも妖精さんいる?」
夜の部屋に、こっそりリリーを呼んでみた。
これもちょっとルール違反かもしれないけれど!気になるんだもん!
『いるわ、いるわよ。わたしたちは風の妖精。ふわふわふわふわ、いろいろ行くのよ』
「いろいろ?リリーたちは王宮にいるでしょう?」
『おやすみするのは王宮へいくの!あんぜんなのよ』
そういうものなのか。その辺のことも聞きたいけど、今はマリーアだ。
「学園にいる妖精さんに、話を聞けるかなあ?」
『きける、きけるわ。まっててね』
リリスはそう言うと顔を両手で包んで目を閉じた。そして30秒くらい経ったころ、虹色の光が二つ現れて、かわいらしい妖精さんになった。
「わあ、あなたたちは学園の妖精さん?」
『そうそう、そうだよ。初めまして、かわいいリリー』
『初めましてなのー』
「は、初めまして!来てくれてありがとう」
うわーん、やっぱり妖精さんって可愛い~!一人でも可愛いけど、三人とかでわちゃわちゃしてると×10で可愛い。ヤバい。……じゃなくて。
「そうだ、これ!リリス、お菓子を用意していたのよ。みんなでどうぞ」
スザンヌに頼んで準備をしておいたお菓子を勧める。ルシーやリリーたち妖精にすっかり慣れた我が家のシェフたちが、しっかりと作ってくれている。
『わーい、わーい!ありがとう!リリーのおうちのお菓子大好き!』
「うふふ、ありがとう。たくさん食べてね」
両手でクッキーを持って、はぐはぐと食べる三人。かわっ……!眼福……!!じゃなくて。いや、眼福だけど。話だ、話。
「食べながら聞いてくれる?二人はマリーは分かるかしら?」
『わかる、わかるよ!』
『うんうん、しってる。光のあのこでしょ?』
「あのね、そのマリーが最近元気がない気がするの。何かしらないかなあ?」
『たぶんだけど~、わかるかも~』
『ね~。きっときっと、あのこあのこよ』
「……あの子?」
『マリー、かわいいマリーにね、ほんとうに聖女なの?って』
『ひどい、ひどいの。マリーは光の愛し子なのよ』
な~に~!!どこのどいつだ、そんなことを宣う奴は!
……そういえば、聖魔法はなかなか上達しないって、入学前に一度だけマリーが溢したことがある。その時は、「学園に行けば、きっと大丈夫だよ!」と、呑気に返してしまったが、原作でもマリーが聖女覚醒したのは私が入学してからだ。つまり、三年後。
原作では、まだマリーアの聖魔法は気付かれていない時期だ。なのに、私が違う動きをしたために、早い段階で候補とは言え聖女認定されてしまった。なんかごめん、だ。光の愛し子と精霊さんたちが言う以上、間違いなく聖女なんだけども。周りは直接精霊さんに聞けるわけじゃないからなあ。一定数疑う奴らはいるのか。でも、え~?
「陛下が正式に発表したのに……それに対して、そんな疑うようなことを言う人がいるのね……?」
『マリーはグリッタじょう、って言ってたよー』
グリッタ家……。うちと同じ侯爵家だ。反王家ではなかったような。
『なんかねー、グローリア?とお友だちなんだってー』
『そのこが本当の聖女なのよって~、おかしなおかしなこなんだよ~』
(あ~!そっちか~!)
『聖女は光の愛し子なのにね~』と、二人はクスクス笑っている。リリスも『変な子だねぇ』と、どこ吹く風でお菓子をもしゃもしゃする。
「本当だね、困った人たちだね……。ありがとう、みんな。お菓子は好きなだけ食べていってね」
『わーい、わーい、ありがとう!』と、愛くるしい妖精さんたちに癒されながら、どうしたものかと考える。
(とは言ってもなあ、どうしたって私はまだ入学できないしなあ。様子を見るしかないのかな。もどかし~い!)
でも、グローリア様ってそんなに面倒な人だったっけ?分かりやすい人だったけど。そこはさすがに貴族令嬢なのかしら。
とりあえずグローリア様の入学は来年だし、それまでに落ち着けば……って、着地点が難しいけど。
モヤモヤを抱えつつも、三人の妖精さんとのヒーリングタイムを満喫して、この日の夜を過ごしたのであった。
おしゃれセンスありありのテンダーが、さらに手先が器用なことを知り、一緒に引きずるように手芸部に入ってからも数ヶ月。
始めはかなり恥ずかしがっていたテンダーも、女子からの想像以上の歓迎ぶりと、フィスがテンダーからいろいろおしゃれ座学を受けているのを見て、男子も興味を持つ人たちが増えたようで、楽しくやっている模様。
剣技の鍛練は大丈夫なのか聞いてみたけれど、家で充分やれるから平気なんだって。なるほど。
マリーアも実は裁縫全般が大好きだったらしく。思い返すと刺繍やレース編みをニコニコやっていたなあ。楽しいらしい。………………楽しいんだ、あれ…………。
コホン、ともかく。
もうすぐ夏季休暇で休み前の期末テストでも、フィスと共に学年首位を取り、マリーアの学園生活は順風満帆のはず!いや、順風満帆なことに違いはない。のに。
「……」
今日は週に一度の学園の休日。お休みの日は、二人でのアフタヌーンティーがお決まりになっている(たまにフラッとルシーの参加あり)。毎回、楽しくおしゃべりをしているのだけれど。
ここ2、3回、ふとした時に一瞬ボーッとマリーアの表情に影が差すのだ。今のように。さっきまで、文化祭のメイン展示を是非テンダーに!!と、部員たちからの熱い推薦を受け、恐縮しきりのテンダーがあわあわしていて面白かったと話していたのに、だ。
と、言っても、それは本当に一瞬のことで、気にしなければ気にならないくらいのことなんだけど。
「それで、テンダーはどうしたの?」
「ふふっ、さすがに最高学年の部長に頭を下げられたら引き受けるしかなくて、眉をこーんなに垂らしながら頷いたわ」
マリーアは自分の眉を指で下げて、テンダーの真似をする。変顔もかわいい。さすがヒロイン。正に可愛いは正義。だが!私の目は誤魔化せなくてよ!
「ねぇ、マリー姉さま?学園で何かあった?」
ひと通り笑い合った後にダメ元で聞いてみる。
「ん?なんで?」
「んーん、なんか、こう、元気がなく見えて」
「そう?何もないわよ?楽しいし!リリーの心配は嬉しいけど、大丈夫!体調も悪くないし」
「……そっか。なら良かった!」
やはりダメか。まあ、確かにほんの一瞬だし、気のせいかもしれないけど、なんだかなあ。気になるんだよなあ。フィスたちに聞いてみちゃう?いやでも、彼らは余程のことでもない限り、マリー本人に内緒でペラペラ話してはくれないだろう。そもそも余程なことがあれば家に連絡が来るわな。
と、いう訳で。
『マリー、マリーの元気がないの?』
「そうなの、リリスたち妖精さんが何か見てないかなあと思って。学園にも妖精さんいる?」
夜の部屋に、こっそりリリーを呼んでみた。
これもちょっとルール違反かもしれないけれど!気になるんだもん!
『いるわ、いるわよ。わたしたちは風の妖精。ふわふわふわふわ、いろいろ行くのよ』
「いろいろ?リリーたちは王宮にいるでしょう?」
『おやすみするのは王宮へいくの!あんぜんなのよ』
そういうものなのか。その辺のことも聞きたいけど、今はマリーアだ。
「学園にいる妖精さんに、話を聞けるかなあ?」
『きける、きけるわ。まっててね』
リリスはそう言うと顔を両手で包んで目を閉じた。そして30秒くらい経ったころ、虹色の光が二つ現れて、かわいらしい妖精さんになった。
「わあ、あなたたちは学園の妖精さん?」
『そうそう、そうだよ。初めまして、かわいいリリー』
『初めましてなのー』
「は、初めまして!来てくれてありがとう」
うわーん、やっぱり妖精さんって可愛い~!一人でも可愛いけど、三人とかでわちゃわちゃしてると×10で可愛い。ヤバい。……じゃなくて。
「そうだ、これ!リリス、お菓子を用意していたのよ。みんなでどうぞ」
スザンヌに頼んで準備をしておいたお菓子を勧める。ルシーやリリーたち妖精にすっかり慣れた我が家のシェフたちが、しっかりと作ってくれている。
『わーい、わーい!ありがとう!リリーのおうちのお菓子大好き!』
「うふふ、ありがとう。たくさん食べてね」
両手でクッキーを持って、はぐはぐと食べる三人。かわっ……!眼福……!!じゃなくて。いや、眼福だけど。話だ、話。
「食べながら聞いてくれる?二人はマリーは分かるかしら?」
『わかる、わかるよ!』
『うんうん、しってる。光のあのこでしょ?』
「あのね、そのマリーが最近元気がない気がするの。何かしらないかなあ?」
『たぶんだけど~、わかるかも~』
『ね~。きっときっと、あのこあのこよ』
「……あの子?」
『マリー、かわいいマリーにね、ほんとうに聖女なの?って』
『ひどい、ひどいの。マリーは光の愛し子なのよ』
な~に~!!どこのどいつだ、そんなことを宣う奴は!
……そういえば、聖魔法はなかなか上達しないって、入学前に一度だけマリーが溢したことがある。その時は、「学園に行けば、きっと大丈夫だよ!」と、呑気に返してしまったが、原作でもマリーが聖女覚醒したのは私が入学してからだ。つまり、三年後。
原作では、まだマリーアの聖魔法は気付かれていない時期だ。なのに、私が違う動きをしたために、早い段階で候補とは言え聖女認定されてしまった。なんかごめん、だ。光の愛し子と精霊さんたちが言う以上、間違いなく聖女なんだけども。周りは直接精霊さんに聞けるわけじゃないからなあ。一定数疑う奴らはいるのか。でも、え~?
「陛下が正式に発表したのに……それに対して、そんな疑うようなことを言う人がいるのね……?」
『マリーはグリッタじょう、って言ってたよー』
グリッタ家……。うちと同じ侯爵家だ。反王家ではなかったような。
『なんかねー、グローリア?とお友だちなんだってー』
『そのこが本当の聖女なのよって~、おかしなおかしなこなんだよ~』
(あ~!そっちか~!)
『聖女は光の愛し子なのにね~』と、二人はクスクス笑っている。リリスも『変な子だねぇ』と、どこ吹く風でお菓子をもしゃもしゃする。
「本当だね、困った人たちだね……。ありがとう、みんな。お菓子は好きなだけ食べていってね」
『わーい、わーい、ありがとう!』と、愛くるしい妖精さんたちに癒されながら、どうしたものかと考える。
(とは言ってもなあ、どうしたって私はまだ入学できないしなあ。様子を見るしかないのかな。もどかし~い!)
でも、グローリア様ってそんなに面倒な人だったっけ?分かりやすい人だったけど。そこはさすがに貴族令嬢なのかしら。
とりあえずグローリア様の入学は来年だし、それまでに落ち着けば……って、着地点が難しいけど。
モヤモヤを抱えつつも、三人の妖精さんとのヒーリングタイムを満喫して、この日の夜を過ごしたのであった。
2
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説
【二部開始】所詮脇役の悪役令嬢は華麗に舞台から去るとしましょう
蓮実 アラタ
恋愛
アルメニア国王子の婚約者だった私は学園の創立記念パーティで突然王子から婚約破棄を告げられる。
王子の隣には銀髪の綺麗な女の子、周りには取り巻き。かのイベント、断罪シーン。
味方はおらず圧倒的不利、絶体絶命。
しかしそんな場面でも私は余裕の笑みで返す。
「承知しました殿下。その話、謹んでお受け致しますわ!」
あくまで笑みを崩さずにそのまま華麗に断罪の舞台から去る私に、唖然とする王子たち。
ここは前世で私がハマっていた乙女ゲームの世界。その中で私は悪役令嬢。
だからなんだ!?婚約破棄?追放?喜んでお受け致しますとも!!
私は王妃なんていう狭苦しいだけの脇役、真っ平御免です!
さっさとこんなやられ役の舞台退場して自分だけの快適な生活を送るんだ!
って張り切って追放されたのに何故か前世の私の推しキャラがお供に着いてきて……!?
※本作は小説家になろうにも掲載しています
二部更新開始しました。不定期更新です
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
【完結】貴方たちはお呼びではありませんわ。攻略いたしません!
宇水涼麻
ファンタジー
アンナリセルはあわてんぼうで死にそうになった。その時、前世を思い出した。
前世でプレーしたゲームに酷似した世界であると感じたアンナリセルは自分自身と推しキャラを守るため、攻略対象者と距離を置くことを願う。
そんな彼女の願いは叶うのか?
毎日朝方更新予定です。
アホ王子が王宮の中心で婚約破棄を叫ぶ! ~もう取り消しできませんよ?断罪させて頂きます!!
アキヨシ
ファンタジー
貴族学院の卒業パーティが開かれた王宮の大広間に、今、第二王子の大声が響いた。
「マリアージェ・レネ=リズボーン! 性悪なおまえとの婚約をこの場で破棄する!」
王子の傍らには小動物系の可愛らしい男爵令嬢が纏わりついていた。……なんてテンプレ。
背後に控える愚か者どもと合わせて『四馬鹿次男ズwithビッチ』が、意気揚々と筆頭公爵家令嬢たるわたしを断罪するという。
受け立ってやろうじゃない。すべては予定調和の茶番劇。断罪返しだ!
そしてこの舞台裏では、王位簒奪を企てた派閥の粛清の嵐が吹き荒れていた!
すべての真相を知ったと思ったら……えっ、お兄様、なんでそんなに近いかな!?
※設定はゆるいです。暖かい目でお読みください。
※主人公の心の声は罵詈雑言、口が悪いです。気分を害した方は申し訳ありませんがブラウザバックで。
※小説家になろう・カクヨム様にも投稿しています。
これが普通なら、獣人と結婚したくないわ~王女様は復讐を始める~
黒鴉宙ニ
ファンタジー
「私には心から愛するテレサがいる。君のような偽りの愛とは違う、魂で繋がった番なのだ。君との婚約は破棄させていただこう!」
自身の成人を祝う誕生パーティーで婚約破棄を申し出た王子と婚約者と番と、それを見ていた第三者である他国の姫のお話。
全然関係ない第三者がおこなっていく復讐?
そこまでざまぁ要素は強くないです。
最後まで書いているので更新をお待ちください。6話で完結の短編です。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
王女の夢見た世界への旅路
ライ
ファンタジー
侍女を助けるために幼い王女は、己が全てをかけて回復魔術を使用した。
無茶な魔術の使用による代償で魔力の成長が阻害されるが、代わりに前世の記憶を思い出す。
王族でありながら貴族の中でも少ない魔力しか持てず、王族の中で孤立した王女は、理想と夢をかなえるために行動を起こしていく。
これは、彼女が夢と理想を求めて自由に生きる旅路の物語。
※小説家になろう様にも投稿しています。
婚約破棄された悪役令嬢。そして国は滅んだ❗私のせい?知らんがな
朋 美緒(とも みお)
ファンタジー
婚約破棄されて国外追放の公爵令嬢、しかし地獄に落ちたのは彼女ではなかった。
!逆転チートな婚約破棄劇場!
!王宮、そして誰も居なくなった!
!国が滅んだ?私のせい?しらんがな!
18話で完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる