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第二章 夢と魔法の国
21.ビッグなサプライズ
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「では、お休みなさいませ、お嬢様」
「うん、お休み~。今日もありがとう」
怒涛の1日が終わり、就寝時間でございます~。前を思い出すと、使用人にもお礼を伝えずにはいられない。最初は驚いていたスザンヌも、今では嬉しそうに「はい」と笑んでから下がってくれる。
「あ~、つっかれたあ!」
ばふんとベッドにダイブする。今日も驚きの1日だったなあ。まさか殿下から婚約話を持ち込まれるとは。ふと横を見ると、殿下に貰った花たちが視界に入る。シンプルな花瓶に挿されたそれは、本当に綺麗だ。
「スザンヌが綺麗に飾ってくれたな。あれ?やっぱりキラキラしているよね?月明かりに反射してる?……まさか、妖精さんがいたりして?!なーんて、簡単には会えないか。でも、一度でいいから会ってみたいなあ」
花を見ながら一人言る。ファンタジー好きなら、妖精さんや精霊さんに会うのって夢じゃない?魔法だけでもかなりウキウキだけ……
『ふふっ、会ってみたい?会ってみたい?』
ど?!今のって?
「えっ?!誰かいるの?空耳?!」
ゴロゴロしていた私はがばっと起き上がり、周りを見渡す。
『空耳じゃないわよ、聞こえるのね!素敵!可愛いリリー。あの子のあの子の想い人。クスクス。イタズラ好きでやんちゃなあの子のあんな顔、初めて見たの。楽しいわ。こっち、こっちよ。よく見てよく見て』
「こっち……」
やっぱり、殿下がくれた花からだ。キラキラキラキラが増している。それがひとつに集まって、小さな人形になっていく。
「まさか……お花の妖精さん?!」
『あったり~!ふふっ、うれしいな。お話できる子久しぶりなの!あの子がいっしょうけんめいお花を選んで、にこにこで、楽しそうだから付いてきたの!』
うわ~!イメージ通りの妖精さんだ!小さな体に優美な羽で、キラキラキラキラ、私の周りを飛んでいる。
そして殿下、そんなに一生懸命選んでくれたんだ。ちょっとくすぐったい。
「う、嬉しい…!可愛い…!」
『ふふっ、ありがとう、リリーもリリーも可愛いわ』
私が両手の平を差し出すと、妖精さんはちょこんと乗ってくれた。と、尊い……!
「はわわわわ……は、初めまして。あなたのことは何て呼べばいいのかしら?」
『わたしはわたしは花の妖精。あの子もあの子も花の妖精。まだね、まだまだ名前はないの』
「そうなの?……まだ?」
『そうそう、まだなの。リリー、リリーがつけてくれる?』
「いいの?うーん、あ!私の誕生花がアマリリスだから、お揃いで、リリスなんてどう?」
『リリス!リリス、かわいいかわいい。わたしはリリス!』
花の妖精さん……リリスは喜んでくれたらしい。また私の周りをくるくる回り出す。キラキラと魔法の鱗粉を振り撒きながら。そして私の頭上に立って更に強く輝いた。
『リリーにわたしの祝福をあげる。会いたかったら名前を呼んで。お菓子もあったらうれしいな』
「あ、ありがとう!リリスもいつでも遊びに来てね!お菓子もちゃんと用意しておくね!」
『わあい、楽しみ、楽しみ!じゃあまたね~!』
「もう?!あっ、お城!お城に帰るの?」
『そうよ~!あのお庭はたくさん仲間がいるの。またリリーも来てね!』
「ちょ、待っ」
て、と私が言い切る前に、リリスはキラキラ飛んで行った。早い。この自由さが妖精さんと言えば妖精さんなんだろうけれど。
「まだ聞きたいこととかあったのに……」
もらった祝福のこととか、お庭の仲間のこととか、精霊王って本当にいるのかとかどんな人(?)なのかとか。たくさん。
「でも会えただけですごいよね……ふわぁ、さすがに疲れた、寝よう……」
ゴソゴソとベッドに潜り込む。いつもふわふわで心地いい。メイドのみんな、ありがとう。いつまでも雇えるように、私も頑張るね。
ランプに手をかざして、明かりを消す。
小さなことだけど、魔法を使える楽しさに顔が緩む。
魔法と言えば、殿下もなかなか凄いよね。あの後いろいろお話しして、殿下の覚えの早さを側近二人がベタ褒めしてたもんね。そのコツは聞いてみてもいいのかも。
そうだ、殿下は妖精さんに会ったことはあるのかしら?王宮庭園にいっぱいいるなら、あるのかな……?殿下をあの子って、リリスの方がお姉さんなのね……そりゃそうか…………。
疲れたし、驚いたし、最後の最後にもビッグサプライズがあったけれど、なんだかんだ、楽しい1日だった……かも…………ぐぅ。
お休みなさい。
「うん、お休み~。今日もありがとう」
怒涛の1日が終わり、就寝時間でございます~。前を思い出すと、使用人にもお礼を伝えずにはいられない。最初は驚いていたスザンヌも、今では嬉しそうに「はい」と笑んでから下がってくれる。
「あ~、つっかれたあ!」
ばふんとベッドにダイブする。今日も驚きの1日だったなあ。まさか殿下から婚約話を持ち込まれるとは。ふと横を見ると、殿下に貰った花たちが視界に入る。シンプルな花瓶に挿されたそれは、本当に綺麗だ。
「スザンヌが綺麗に飾ってくれたな。あれ?やっぱりキラキラしているよね?月明かりに反射してる?……まさか、妖精さんがいたりして?!なーんて、簡単には会えないか。でも、一度でいいから会ってみたいなあ」
花を見ながら一人言る。ファンタジー好きなら、妖精さんや精霊さんに会うのって夢じゃない?魔法だけでもかなりウキウキだけ……
『ふふっ、会ってみたい?会ってみたい?』
ど?!今のって?
「えっ?!誰かいるの?空耳?!」
ゴロゴロしていた私はがばっと起き上がり、周りを見渡す。
『空耳じゃないわよ、聞こえるのね!素敵!可愛いリリー。あの子のあの子の想い人。クスクス。イタズラ好きでやんちゃなあの子のあんな顔、初めて見たの。楽しいわ。こっち、こっちよ。よく見てよく見て』
「こっち……」
やっぱり、殿下がくれた花からだ。キラキラキラキラが増している。それがひとつに集まって、小さな人形になっていく。
「まさか……お花の妖精さん?!」
『あったり~!ふふっ、うれしいな。お話できる子久しぶりなの!あの子がいっしょうけんめいお花を選んで、にこにこで、楽しそうだから付いてきたの!』
うわ~!イメージ通りの妖精さんだ!小さな体に優美な羽で、キラキラキラキラ、私の周りを飛んでいる。
そして殿下、そんなに一生懸命選んでくれたんだ。ちょっとくすぐったい。
「う、嬉しい…!可愛い…!」
『ふふっ、ありがとう、リリーもリリーも可愛いわ』
私が両手の平を差し出すと、妖精さんはちょこんと乗ってくれた。と、尊い……!
「はわわわわ……は、初めまして。あなたのことは何て呼べばいいのかしら?」
『わたしはわたしは花の妖精。あの子もあの子も花の妖精。まだね、まだまだ名前はないの』
「そうなの?……まだ?」
『そうそう、まだなの。リリー、リリーがつけてくれる?』
「いいの?うーん、あ!私の誕生花がアマリリスだから、お揃いで、リリスなんてどう?」
『リリス!リリス、かわいいかわいい。わたしはリリス!』
花の妖精さん……リリスは喜んでくれたらしい。また私の周りをくるくる回り出す。キラキラと魔法の鱗粉を振り撒きながら。そして私の頭上に立って更に強く輝いた。
『リリーにわたしの祝福をあげる。会いたかったら名前を呼んで。お菓子もあったらうれしいな』
「あ、ありがとう!リリスもいつでも遊びに来てね!お菓子もちゃんと用意しておくね!」
『わあい、楽しみ、楽しみ!じゃあまたね~!』
「もう?!あっ、お城!お城に帰るの?」
『そうよ~!あのお庭はたくさん仲間がいるの。またリリーも来てね!』
「ちょ、待っ」
て、と私が言い切る前に、リリスはキラキラ飛んで行った。早い。この自由さが妖精さんと言えば妖精さんなんだろうけれど。
「まだ聞きたいこととかあったのに……」
もらった祝福のこととか、お庭の仲間のこととか、精霊王って本当にいるのかとかどんな人(?)なのかとか。たくさん。
「でも会えただけですごいよね……ふわぁ、さすがに疲れた、寝よう……」
ゴソゴソとベッドに潜り込む。いつもふわふわで心地いい。メイドのみんな、ありがとう。いつまでも雇えるように、私も頑張るね。
ランプに手をかざして、明かりを消す。
小さなことだけど、魔法を使える楽しさに顔が緩む。
魔法と言えば、殿下もなかなか凄いよね。あの後いろいろお話しして、殿下の覚えの早さを側近二人がベタ褒めしてたもんね。そのコツは聞いてみてもいいのかも。
そうだ、殿下は妖精さんに会ったことはあるのかしら?王宮庭園にいっぱいいるなら、あるのかな……?殿下をあの子って、リリスの方がお姉さんなのね……そりゃそうか…………。
疲れたし、驚いたし、最後の最後にもビッグサプライズがあったけれど、なんだかんだ、楽しい1日だった……かも…………ぐぅ。
お休みなさい。
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