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第400話 密かな企み
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いよいよクレアとディアベルに結婚を申し込もうと思うのだが、なにせ俺は前世でもこの世界でも結婚した事が無いのでプロポーズの経験がない。なのでこう言う事は経験者に聞くべきだと判断し、ちょうど休みでソリアの顔をアホ面で眺めていたアミルに相談する事にした。仮にも一児の父親だ。真っ当なアイデアを出してくれるだろう。周りに人が居ないのを確認してから俺が二人に結婚を申し込むつもりだと打ち明けたら、アミルはやっとかとでも言いたげに肩をすくめた。
「いつ告白するのかと思ってたけど、まさか付き合うのを飛び越していきなり結婚申し込もうなんて、流石にお前はやる事が豪快だよな」
「なかなか言い出す機会が無かったんだよ。魔族関連であちこち飛び回ってたし、落ち着く暇なんて無かったからな」
実際俺達に時間的余裕はほとんどなかった。なんとなくで始めた冒険者家業だったのに、いつの間にか魔族の陰謀に巻き込まれ、半ばファフニルに脅されるような形で魔族と対抗する勇者に仕立て上げられた。要塞線が完成してからは領地の開拓に忙しかったし、彼女達に告白するって雰囲気でも無かったからな。
「まあそんな事はどうでもいいよ。お前の時はレレーナにどう言ったのか聞かせてくれ」
「そう言われてもな……特別な事なんて何もしてないよ。ただ俺と結婚してくれって言っただけだ」
「え? 結婚指輪とか渡さなかったのか?」
「結婚指輪って何だ? そんなの聞いた事無いぞ」
信じられない事だが、どうやらこの世界には結婚指輪と言う物が無いらしい。じゃあどうやって申し込むのか聞いたところ、一般的には花束が多いんだとか。貴族ともなると莫大な量の装飾品を相手の実家に送り付けて、輿入れする時にそれらを身に着けさせるらしい。ここだけは結納に似てるんだなと驚く俺を他所に、アミルは話を続ける。
「それに俺の時は舞い上がり過ぎてレレーナに張り倒されたから、完全に成功したって訳でもなかったよ。ちょうどその時お前も居ただろ?」
「ああ……そう言えばそうか。あれはアミル達と出会って間もない頃だったな」
冒険者として初めての依頼に挑んだ時、偶然アミル達と知り合ったんだっけ。交代で野営してる時、俺とクレアが寝てる間に告白したんだった。それでその場で押し倒そうとして翌朝頬に手形を作ってたな。
「まあ、お前の場合は仮にも王様になるんだから、花束だけじゃ物足りないかもな。あの二人が宝石とか好きとも思えないから、何かお前にしか作れない特別な物を用意すればいいんじゃないか?」
「特別ねぇ……」
「他の人にも話聞いてみろよ。何か参考になるかも知れないぞ」
アミルのアドバイスに従って、俺は城に住む結婚の経験者……つまりバツイチに話を聞く事にした。と言ってもこの城に居るのは若い子ばかりだし、話を聞ける人など限られていたのだが。
「私がどうやって結婚を申し込まれたか?」
「はい。参考までに聞かせてもらえれば」
「私も興味あるわ! 父様は何て言って母様に結婚を申し込んだの?」
訪れたのはリーベの部屋だ。ちょうどレヴィアも中に居たので一緒に話を聞く事になった。興味津々な俺とレヴィアの様子に苦笑しながら、昔を思い出す様にリーベは静かに目を閉じる。
「うーん……明確に結婚してくれって言われた事は無かったかな。知っての通り私達はお互いの立場もあって離れ離れになっちゃったから、結婚はしなかったのよ。でもね、お互いの気持ちが通じているのはわかっていたし、寂しくは無かったわ」
そう言えばそうだった。リーベと勇者は最終的には別れることになったんだった。これは配慮が足りなかったかなと反省していたのだが、本人は全く気にしてい無いようで頼まれもしないのに勇者との仲をのろけ始めたのだ。
「それでね、あの人ったらいつも私の事を綺麗だねとか、可愛いよとか言ってくれて、そういう時のあの人はすっごくカッコよくて、私はいつも胸がドキドキしていたわ。それから初めて一緒に出掛けた時の話しなんだけど……」
頬に手を当て、少女の様に身をくねらせながら話を続けるリーベ。ヤバい。地雷を踏んだ。これは放っておいたらいつまでも話し続けるタイプの人だ。俺はこの窮地を逃れるべく、リーベの隣に座るレヴィアにアイコンタクトを送る。レヴィアはウンザリした表情で話を聞いていたが、俺の瞬きにすぐ気がついてくれたようだ。夢中になって話を続けるリーベにバレないよう、必死に瞬きで信号を送る俺達。
(レヴィア、俺は抜け出すから何とかしてリーベさんを引き留めてくれ)
(わかったわ兄様。正直言って私もついて行きたいけど、この状態で一人にしたら母様が可哀想だものね)
以心伝心とは正にこの事。レヴィアにしてみても、両親ののろけ話など聞かされてはたまったものじゃないのだろう。プロポーズの言葉だけ聞きたかったのに、デートの内容だとか父から母に対しての口説き文句などを聞かされるのだ。彼女にとっては拷問に近いのかも知れない。
「あっ! そう言えばまだ仕事が残ってたんだ! すいませんリーベさん、俺このへんでお暇します」
「あ、あら、そうなの? 今からが一番面白くなるのに」
「母様、兄様も色々忙しいみたいだし、続きは私が聞くわ。それで? 父様は何て言ってたの?」
かなりわざとらしい芝居だったが、レヴィアのフォローもあってバレずに済んだ。心の中でレヴィアに感謝しつつ部屋を後にした俺は、もう一人頼りになりそうな人物に思い至った。レレーナだ。しっかり者の彼女なら、女性目線でクレア達が喜びそうな物を考えてくれるかもしれない。俺は急ぎ城下町にある教会へと足を運んだ。
ソリアが生まれてからずっと彼女に付きっきりだったレレーナだが、最近はシャリーや専門のベビーシッターのおかげで週に何回か日中だけ教会の手伝いに行っている。アミルの収入が以前と比較にならない程上がっているので、働きに出るのは金銭面が理由ではなく、単にじっとしていられないからだそうだ。なんだかんだ言ってレレーナも根っこの所で冒険者なのだろう。そんな彼女が仕事を終えて出て来ると、教会の前に立っていた俺にすぐ気がついたようだった。
「エスト、こんな所で何してるの?」
「お疲れさん。ちょっとレレーナに相談したい事があって待ってたんだ」
「私に?」
立ち話もなんなので、最近城下に出来たばかりのカフェに二人して入る。店員も客も俺が店に入った事に一瞬驚いたようだが、特に気にしない風を装ってくれた。俺の領地に住む人々は、俺が街に居る時は休みの時だと判断して近寄って来ない。特別扱いされるのが嫌いな俺には大変ありがたい気遣いだ。たまに観光客などが握手を求めて来る事もあるが、それ以外は静かなものだ。注文を取りに来た女中に二人分の飲み物を注文する。一礼して席を離れていく女中をなんとなく見送っていたら、レレーナが話を振って来た。
「それで、相談って言うのは?」
「うん、実はね。クレア達の事なんだけど……」
アミルに説明したのと同じように、クレア達にプロポーズするつもりでいる事と、プレゼントを何にするべきか迷っているのを打ち明けると、レレーナは苦笑しながらもアイデアを出してくれた。
「二人同時って凄いわね。断られる可能性とか考えなかったの?」
「それも考えてるけどさ、どちらかを先にしたらこの先しこりが残りそうだから一緒に申し込もうと思って」
「エストの言う結婚指輪と言うのがどう言う物かわからないけど、エスト自身が作ってくれた指輪なら二人とも喜んでくれると思うわ。申し込む時は指輪だけじゃ物足りないだろうし、沢山の花束も一緒に渡してみるとか? お花の嫌いな女性ってあんまり居ないでしょ?」
「なるほど……手作りか」
その発想は無かった。既存の製品を買って来て渡す事しか頭に無かった俺には衝撃的なアイデアだ。やはりレレーナに相談して正解だった。俺だけじゃこの答えには辿り着けなかっただろう。
「わかった。じゃあ自分で何か作ってみるよ。ありがとうレレーナ。助かった」
「どういたしまして。上手くいくのを祈ってるわ」
家に戻るレレーナを見送り、俺は腕輪に魔力を回す。ヒントは得た。手作りと言う言葉で一つ思いついた俺は、ある人物に協力を求める為バックスに向けて転移するのだった。
「いつ告白するのかと思ってたけど、まさか付き合うのを飛び越していきなり結婚申し込もうなんて、流石にお前はやる事が豪快だよな」
「なかなか言い出す機会が無かったんだよ。魔族関連であちこち飛び回ってたし、落ち着く暇なんて無かったからな」
実際俺達に時間的余裕はほとんどなかった。なんとなくで始めた冒険者家業だったのに、いつの間にか魔族の陰謀に巻き込まれ、半ばファフニルに脅されるような形で魔族と対抗する勇者に仕立て上げられた。要塞線が完成してからは領地の開拓に忙しかったし、彼女達に告白するって雰囲気でも無かったからな。
「まあそんな事はどうでもいいよ。お前の時はレレーナにどう言ったのか聞かせてくれ」
「そう言われてもな……特別な事なんて何もしてないよ。ただ俺と結婚してくれって言っただけだ」
「え? 結婚指輪とか渡さなかったのか?」
「結婚指輪って何だ? そんなの聞いた事無いぞ」
信じられない事だが、どうやらこの世界には結婚指輪と言う物が無いらしい。じゃあどうやって申し込むのか聞いたところ、一般的には花束が多いんだとか。貴族ともなると莫大な量の装飾品を相手の実家に送り付けて、輿入れする時にそれらを身に着けさせるらしい。ここだけは結納に似てるんだなと驚く俺を他所に、アミルは話を続ける。
「それに俺の時は舞い上がり過ぎてレレーナに張り倒されたから、完全に成功したって訳でもなかったよ。ちょうどその時お前も居ただろ?」
「ああ……そう言えばそうか。あれはアミル達と出会って間もない頃だったな」
冒険者として初めての依頼に挑んだ時、偶然アミル達と知り合ったんだっけ。交代で野営してる時、俺とクレアが寝てる間に告白したんだった。それでその場で押し倒そうとして翌朝頬に手形を作ってたな。
「まあ、お前の場合は仮にも王様になるんだから、花束だけじゃ物足りないかもな。あの二人が宝石とか好きとも思えないから、何かお前にしか作れない特別な物を用意すればいいんじゃないか?」
「特別ねぇ……」
「他の人にも話聞いてみろよ。何か参考になるかも知れないぞ」
アミルのアドバイスに従って、俺は城に住む結婚の経験者……つまりバツイチに話を聞く事にした。と言ってもこの城に居るのは若い子ばかりだし、話を聞ける人など限られていたのだが。
「私がどうやって結婚を申し込まれたか?」
「はい。参考までに聞かせてもらえれば」
「私も興味あるわ! 父様は何て言って母様に結婚を申し込んだの?」
訪れたのはリーベの部屋だ。ちょうどレヴィアも中に居たので一緒に話を聞く事になった。興味津々な俺とレヴィアの様子に苦笑しながら、昔を思い出す様にリーベは静かに目を閉じる。
「うーん……明確に結婚してくれって言われた事は無かったかな。知っての通り私達はお互いの立場もあって離れ離れになっちゃったから、結婚はしなかったのよ。でもね、お互いの気持ちが通じているのはわかっていたし、寂しくは無かったわ」
そう言えばそうだった。リーベと勇者は最終的には別れることになったんだった。これは配慮が足りなかったかなと反省していたのだが、本人は全く気にしてい無いようで頼まれもしないのに勇者との仲をのろけ始めたのだ。
「それでね、あの人ったらいつも私の事を綺麗だねとか、可愛いよとか言ってくれて、そういう時のあの人はすっごくカッコよくて、私はいつも胸がドキドキしていたわ。それから初めて一緒に出掛けた時の話しなんだけど……」
頬に手を当て、少女の様に身をくねらせながら話を続けるリーベ。ヤバい。地雷を踏んだ。これは放っておいたらいつまでも話し続けるタイプの人だ。俺はこの窮地を逃れるべく、リーベの隣に座るレヴィアにアイコンタクトを送る。レヴィアはウンザリした表情で話を聞いていたが、俺の瞬きにすぐ気がついてくれたようだ。夢中になって話を続けるリーベにバレないよう、必死に瞬きで信号を送る俺達。
(レヴィア、俺は抜け出すから何とかしてリーベさんを引き留めてくれ)
(わかったわ兄様。正直言って私もついて行きたいけど、この状態で一人にしたら母様が可哀想だものね)
以心伝心とは正にこの事。レヴィアにしてみても、両親ののろけ話など聞かされてはたまったものじゃないのだろう。プロポーズの言葉だけ聞きたかったのに、デートの内容だとか父から母に対しての口説き文句などを聞かされるのだ。彼女にとっては拷問に近いのかも知れない。
「あっ! そう言えばまだ仕事が残ってたんだ! すいませんリーベさん、俺このへんでお暇します」
「あ、あら、そうなの? 今からが一番面白くなるのに」
「母様、兄様も色々忙しいみたいだし、続きは私が聞くわ。それで? 父様は何て言ってたの?」
かなりわざとらしい芝居だったが、レヴィアのフォローもあってバレずに済んだ。心の中でレヴィアに感謝しつつ部屋を後にした俺は、もう一人頼りになりそうな人物に思い至った。レレーナだ。しっかり者の彼女なら、女性目線でクレア達が喜びそうな物を考えてくれるかもしれない。俺は急ぎ城下町にある教会へと足を運んだ。
ソリアが生まれてからずっと彼女に付きっきりだったレレーナだが、最近はシャリーや専門のベビーシッターのおかげで週に何回か日中だけ教会の手伝いに行っている。アミルの収入が以前と比較にならない程上がっているので、働きに出るのは金銭面が理由ではなく、単にじっとしていられないからだそうだ。なんだかんだ言ってレレーナも根っこの所で冒険者なのだろう。そんな彼女が仕事を終えて出て来ると、教会の前に立っていた俺にすぐ気がついたようだった。
「エスト、こんな所で何してるの?」
「お疲れさん。ちょっとレレーナに相談したい事があって待ってたんだ」
「私に?」
立ち話もなんなので、最近城下に出来たばかりのカフェに二人して入る。店員も客も俺が店に入った事に一瞬驚いたようだが、特に気にしない風を装ってくれた。俺の領地に住む人々は、俺が街に居る時は休みの時だと判断して近寄って来ない。特別扱いされるのが嫌いな俺には大変ありがたい気遣いだ。たまに観光客などが握手を求めて来る事もあるが、それ以外は静かなものだ。注文を取りに来た女中に二人分の飲み物を注文する。一礼して席を離れていく女中をなんとなく見送っていたら、レレーナが話を振って来た。
「それで、相談って言うのは?」
「うん、実はね。クレア達の事なんだけど……」
アミルに説明したのと同じように、クレア達にプロポーズするつもりでいる事と、プレゼントを何にするべきか迷っているのを打ち明けると、レレーナは苦笑しながらもアイデアを出してくれた。
「二人同時って凄いわね。断られる可能性とか考えなかったの?」
「それも考えてるけどさ、どちらかを先にしたらこの先しこりが残りそうだから一緒に申し込もうと思って」
「エストの言う結婚指輪と言うのがどう言う物かわからないけど、エスト自身が作ってくれた指輪なら二人とも喜んでくれると思うわ。申し込む時は指輪だけじゃ物足りないだろうし、沢山の花束も一緒に渡してみるとか? お花の嫌いな女性ってあんまり居ないでしょ?」
「なるほど……手作りか」
その発想は無かった。既存の製品を買って来て渡す事しか頭に無かった俺には衝撃的なアイデアだ。やはりレレーナに相談して正解だった。俺だけじゃこの答えには辿り着けなかっただろう。
「わかった。じゃあ自分で何か作ってみるよ。ありがとうレレーナ。助かった」
「どういたしまして。上手くいくのを祈ってるわ」
家に戻るレレーナを見送り、俺は腕輪に魔力を回す。ヒントは得た。手作りと言う言葉で一つ思いついた俺は、ある人物に協力を求める為バックスに向けて転移するのだった。
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