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しおりを挟むその後、レイチェルがその話を両親にするとその手のことに詳しいこともあり、すぐにきちんと調査をしてくれた。
ウィリアムの妹の盗まれたアクセサリーだと判明したのは、すぐのことだったのだ。
だが、付けていた令嬢は……。
「ぬ、盗んでないわ! ひ、拾ったのよ!」
「拾ったものを持ち主を探しもせずに付けていたら、盗んだと同じだと思いますけど?」
「探したわよ! でも、見つからなくて……」
「それがいかに貴重なものか、ご存じないのですか? 探して落とし主が見つからないなんてありえませんわ。本当に探す気があれば、ですけれど」
「だからって、盗んだなんて人聞き悪いこと言わないでよ! ほら、返すわよ!」
そんなやり取りのあったが、その令嬢は最後まで頑なに拾ったと主張し続け、謝罪することはなかった。
だが、ウィリアムの妹は謝罪なんて気にすることはなく、大事な宝石が無事に戻って来たことだけを喜んでくれて、ウィリアムからレイチェルが取り返すのに力を貸してくれたと聞くや丁寧のお礼を言われ、そこからレイチェルのことをお義姉様!と言い始めて、すっかりレイチェルに懐いてくれることになったのだ。
(レイチェル様が気にかけるだけはあるわ。この子、凄く可愛いところがあるわね)
ウィリアムは、妹がすっかりレイチェルに懐いたのを嬉しそうにしながらも、時折、自分の婚約者だからといい加減、譲れと大人げないことを言って兄妹喧嘩を勃発することになったが、レイチェルは取り合いをされても気を悪くすることはなかった。
(この二人、本当にそっくりだわ。まぁ、彼女に婚約者ができれば、これも落ち着く気がするわ)
案の定、ウィリアムの妹が婚約した途端、レイチェルを兄と取り合うことはなくなったが、婚約者のことでレイチェルに何かと相談して来るようになり、ウィリアムがレイチェルとの時間を作るのに必死になることに何ら変わりはなかったのだった。
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