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どうやら、王太子はシェイラに婚約者ができる前から婚約したいと国王や王妃に頼んでいる間に婚約することになってしまい、そのことで相当堪えてしまっているのだと後になって、王妃と王太子の姉の王女に聞かされて、シェイラは物凄く驚くことになったのだ。


(そうだったの?!)


「あの頃は、大変だったわ。何日も食事も取らずに部屋に引きこもってしまって」
「それが、あなたが破棄されたと知ってからは、早かったのよ? また、取られたら大変だと思ったのでしょうけど」
「……」


シェイラは、王妃と王女の言葉にポカンとしてしまっていた。


「だから、あの子が白紙にするなんてことは、絶対に言わないから安心していいわよ」
「母上! 姉上!」
「あら、早かったわね」


王太子が、珍しく慌てふためいてやって来たかといえば、シェイラを見て安心した顔をしながらも、母親と姉に何を言っていたのかと問いただして慌てふためいていた。それを見てシェイラは、どうやら本当のことのようだと納得してしまった。

王妃と王女にお茶に誘われたのを王太子に伝えずに来たせいで、心配かけてしまったようだ。そこは、申し訳ないことをしたと思うが、本当のことがわかって良かった。


「意地悪されてないか?」
「え……?」
「あら、やだ。私たちが、シェイラに何をするというのよ」
「二人とも、気に入らない相手には凄いだろ」


(え? そうなの??)


シェイラは、そんなことをされたことがなくて驚いてしまった。


「あら、シェイラを気に入らないと思ってるなんて心外だわ」
「本当よね。とてもいい子じゃない。安心したわ」


お邪魔のようだからと王妃と王女は部屋に戻ろうとして、昔話をしといたと言われて、王太子は眉を顰めていた。

残されたシェイラは、掻い摘んで王太子に話すことになり、それを聞いて耳を真っ赤にさせた姿を見ることになってからは、益々勉強を頑張るきっかけとなった。そして、王太子との仲も以前よりも、もっとよくなっていった。

そんなこともあり、王女は隣国へと嫁いで行ってしまったあとも、王妃とは仲良くし続けることになったシェイラを王太子が、何かと取り合う場面が繰り広げられることになり、シェイラは幸せな生活を送ることが出来たのだった。




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