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【9】ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家
第26話 ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家
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「有栖川って、妹いんの?」
同じクラスの堂道翼が、ふと、白兎にたずねてきた。
堂道は、スイーツを食べに行く仲間──菓子友だ。普段は弓道部で忙しい堂道だけれど、部活の休みと白兎のアルバイトの休みが重なった時は、必ず一緒にスイーツを食べに行ってくれる。男子の友達には、スイーツをわざわざ食べに行く者が少なく、堂道は白兎にとっては、とても貴重な存在だ。
今も、白兎と堂道は放課後にスイーツ食べ放題の店の行列に並んでいるところだ。
「は? いないけど。なんで?」
有栖川白兎は、生粋のひとりっ子だ。妹なんていない。
「いや、こないだ小学生くらいの女の子を連れて歩いてるとこ見たからさ。商店街のお茶屋で、ソフトクリーム食べてなかったか?」
「あぁ。それ、ましろだ。バイト先の店長の姪っ子」
「姪っ子?」
堂道は、不思議そうに首を傾げている。
まぁ、普通は店長の家族と仲良くなるなんて、あんまりないよな。
「ましろは、店の手伝いしてて、オレが接客の指導してんだよ。素直でいい子なんだ」
ましろは、たまにドジもするけれど、お客さんのために一生懸命になれる子だ。最近は、接客も上手になっているからか、お客さんから指名が入るほどなのだ。本当に、えらいと思う。
「お前、もしかしてロリコン?」
「はぁっ? バカかお前。誰がロリコンだ!」
しょうもないこと言いやがってと、白兎は堂道を怒ったけれど、それならましろは、やっぱり妹のような存在だろうか。ついつい、向こうが自分のことを兄貴と思ってくれていたら嬉しいなと思ってしまう。
ちょうどその時、スイーツ食べ放題のお店の店員さんが外に出て来た。
「おっ! いよいよオレらの番かーっ?」
「申し訳ございません。本日はスイーツがなくなってしまいまして。今のお客様で終了のさせていただきます」
店員さんの衝撃の発言に、白兎と堂道は凍りついた。
「マジかよ! ここまで並んだのにぃ⁈」
白兎の悲鳴が虚しく響く。
けれど、白兎も飲食店でアルバイトをしているので、食材がなくなってしまうという状況も理解できる。だから、悲しいけれど、あきらめるしかない。
うわーーーーっ! でも、耐えられねえ!
「オレは菓子が食べたい! 堂道、行くぞ!」
「へ? 有栖川、どこ行くんだよ⁈」
びっくりして戸惑う堂道を連れて、白兎はずいずいと歩き始めた。
白兎の辞書には、こう書いてある。
「スイーツが買えないなら、作ればいいだろ!」
***
白兎と堂道は、いったんコンビニに寄って、それからとあるレストランにやって来た。
「ファミリーレストラン《りんごの木》……。白兎のバイト先じゃん」
おとぎ商店街にある小さなレストランは、白兎がアルバイトをしているお店だ。
けれど、店が小さいからといって、あなどることなかれ。シェフの作る料理は、食べておいしく、そして楽しい逸品。
ちなみに料理だけでなく、製菓も達人の域である。去年ぶらりと店に寄り、食後のデザートを食べた白兎にパティシエを目指させてしまうほど美味しい。
そして白兎は、そんなシェフにスイーツ作りを教わり、今ではウエイター兼デザート係を担当している。
「店が休みの日でも、スイーツの試作にキッチン使っていい、って言われてんだよ」
白兎はニヤッと笑うと、お店の合鍵をガチャリと扉に差し込んだ。
「白兎。お前、目付き悪いよな。どろぼうに見えるぜ」
「余計なお世話だ」
堂道の表現も、遠くないかもしれない。
白兎はそろりそろりとお店のキッチンに入り、スーパーで買ったスイーツの材料を広げた。
「板チョコ、チョコレート菓子数種、チョコペン、ウエハース、ビスケット、マシュマロ! よし、やるぞ!」
「市販のお菓子がめっちゃあるけど、何作んだ?」
きょとんとしている堂道を見て、白兎は「ぐふふ」と笑みをこぼした。笑わずにはいられなかったのだ。
「スイーツ好きの夢! 【ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家】を建設するぞ!」
「えぇー。白兎が手作りしてくれるんじゃないのかよ!」
「店のものを食いたけりゃ、金を払え。金を。オレ様のスイーツは有料だ」
白兎が言うと、堂道は「ボクにくらいサービスしろよ」と、すねたフリをしていた。
けれど、そうは言っても、スイーツ好きの堂道にとってもお菓子の家は魅力的なはずだ。以前、堂道は子どものころから、ヘンゼルとグレーテルの絵本を読んでは、お菓子の家のさし絵を何度も何度も眺めていたと話していたのだ。
「ボク好みのでっかい家にしてくれよな。3LDK以上じゃないとダメだ」
「有栖川建築に任せろ」
白兎は、せっせとビスケットと板チョコを組み合わせて、家の壁や屋根の土台を作っていく。チョコレートを溶かしたり、チョコペンを使うと、よくくっついてやりやすい。
すげぇ楽しい! ハマる!
こだわり出すと止まらない。うとうとしながら待っている堂道そっちのけで、白兎は作業に集中していた。
そのため、いつの間にか真横に立っていた女の子に気がつかなかった。
「アリス君、すごいね! お菓子の家?」
「おわっ! ましろ!」
白兎は、驚いてひっくり返りそうになった。
そこにいたのは、《りんごの木》の白雪店長の姪っ子で、自分の後輩──、白雪ましろだった。学校帰りらしく、ランドセルを背負っている。
「なんでいるんだよ!」
「昨日、バックヤードにノートを忘れてて、取りに来たんだ。そしたら、キッチンからアリス君の声がしたから」
ましろはにこにこ笑いながら、お菓子の家に興味津々だ。キラキラした目でソレを見つめている。
「絵本から飛び出して来たみたい……」
「……いっしょに作るか?」
白兎は胸がむずむずしてきたので、そう提案した。なんとなく、ましろを喜ばせたくなったのだ。
「いいの? やったー!」
ましろはとてもはしゃぎながら、ランドセルをテーブルに置いて戻って来た。その途中に、うとうとと居眠りをしていた堂道に挨拶をしているのが面白い。
「アリス君のお友達さん、初めまして。白雪ましろです」
「ど、どうも。堂道翼です」
目覚めたばかりの堂道は、いつの間にか現れたましろに目を丸くしていた。オバケでも見るかのような目だ。
「えっと、ウワサのましろちゃん?」
「ウワサ⁈ アリス君、変なこと言ってないよね⁈」
「お前がドジでミスばっかりって話はしてる」
「わーっ! ひどいよー!」
そんなましろと白兎のやり取りを見て、堂道は可笑しそうに笑っている。
「はははっ! 仲良いなぁ」
「意地悪されてばっかりだよ!」
「誰が意地悪だ」
そして三人でクスクスと笑いながら作業をしているうちに、立派なお菓子の家が完成した。
屋根はウエハース、壁はビスケット、装飾にはカラフルなチョコレートに、ふわふわのマシュマロ。要所要所のホイップクリームは、お店のものを買い取ってたっぷりとしぼった。
これは、夢にまで見たお菓子の家!
「有栖川、マジ天才」
「うわ~い! おいしそう!」
「もったいないけど、食べるぞ!」
壊すために作られるなんて、悲しい。けれど、その瞬間まで愛おしいのがお菓子の家だ。
「よいしょーっ!」
「えーいっ! いただきまーすっ!」
堂道は、なかなか豪快に屋根をはがし、ましろはえんとつをもぎ取っている。
容赦ねぇなぁ。
「よし、オレも!」
白兎も二人を見習って、お菓子の家の壁をパキンっと折り取って口に入れた。
うまい! 止まんねぇ! ヘンゼルとグレーテルが食べまくる気持ちが分かる。
「どうしよう。晩ご飯が入らなくなっちゃうよ」
「店長のメシはうまいから、どうせ食えるだろ。あーあ。ましろ、でぶルートまっしぐらだ」
「やだやだ! 困るよーっ!」
ましろをいじるのは、とても楽しい。反応が面白くて、かわいい。
ほんとに、妹って、こんなかんじなのかな。
「わたしにはお兄ちゃんはいないけど、アリス君って、お兄ちゃんみたいだね」
ふと、ましろが言ったひと言に、白兎の胸はぴょこんと跳ねた。オレも店長みたいに、ましろの家族になっていいのかな、なんて思ってしまう。
「おっ! いいじゃん。有栖川がヘンゼルで、ましろちゃんがグレーテルだ」
白兎は、堂道の声でハッと我に返った。我ながら、照れくさいことを考えてしまった。
「オレなら、グレーテルを守りながら、魔女を倒すけどな!」
同じクラスの堂道翼が、ふと、白兎にたずねてきた。
堂道は、スイーツを食べに行く仲間──菓子友だ。普段は弓道部で忙しい堂道だけれど、部活の休みと白兎のアルバイトの休みが重なった時は、必ず一緒にスイーツを食べに行ってくれる。男子の友達には、スイーツをわざわざ食べに行く者が少なく、堂道は白兎にとっては、とても貴重な存在だ。
今も、白兎と堂道は放課後にスイーツ食べ放題の店の行列に並んでいるところだ。
「は? いないけど。なんで?」
有栖川白兎は、生粋のひとりっ子だ。妹なんていない。
「いや、こないだ小学生くらいの女の子を連れて歩いてるとこ見たからさ。商店街のお茶屋で、ソフトクリーム食べてなかったか?」
「あぁ。それ、ましろだ。バイト先の店長の姪っ子」
「姪っ子?」
堂道は、不思議そうに首を傾げている。
まぁ、普通は店長の家族と仲良くなるなんて、あんまりないよな。
「ましろは、店の手伝いしてて、オレが接客の指導してんだよ。素直でいい子なんだ」
ましろは、たまにドジもするけれど、お客さんのために一生懸命になれる子だ。最近は、接客も上手になっているからか、お客さんから指名が入るほどなのだ。本当に、えらいと思う。
「お前、もしかしてロリコン?」
「はぁっ? バカかお前。誰がロリコンだ!」
しょうもないこと言いやがってと、白兎は堂道を怒ったけれど、それならましろは、やっぱり妹のような存在だろうか。ついつい、向こうが自分のことを兄貴と思ってくれていたら嬉しいなと思ってしまう。
ちょうどその時、スイーツ食べ放題のお店の店員さんが外に出て来た。
「おっ! いよいよオレらの番かーっ?」
「申し訳ございません。本日はスイーツがなくなってしまいまして。今のお客様で終了のさせていただきます」
店員さんの衝撃の発言に、白兎と堂道は凍りついた。
「マジかよ! ここまで並んだのにぃ⁈」
白兎の悲鳴が虚しく響く。
けれど、白兎も飲食店でアルバイトをしているので、食材がなくなってしまうという状況も理解できる。だから、悲しいけれど、あきらめるしかない。
うわーーーーっ! でも、耐えられねえ!
「オレは菓子が食べたい! 堂道、行くぞ!」
「へ? 有栖川、どこ行くんだよ⁈」
びっくりして戸惑う堂道を連れて、白兎はずいずいと歩き始めた。
白兎の辞書には、こう書いてある。
「スイーツが買えないなら、作ればいいだろ!」
***
白兎と堂道は、いったんコンビニに寄って、それからとあるレストランにやって来た。
「ファミリーレストラン《りんごの木》……。白兎のバイト先じゃん」
おとぎ商店街にある小さなレストランは、白兎がアルバイトをしているお店だ。
けれど、店が小さいからといって、あなどることなかれ。シェフの作る料理は、食べておいしく、そして楽しい逸品。
ちなみに料理だけでなく、製菓も達人の域である。去年ぶらりと店に寄り、食後のデザートを食べた白兎にパティシエを目指させてしまうほど美味しい。
そして白兎は、そんなシェフにスイーツ作りを教わり、今ではウエイター兼デザート係を担当している。
「店が休みの日でも、スイーツの試作にキッチン使っていい、って言われてんだよ」
白兎はニヤッと笑うと、お店の合鍵をガチャリと扉に差し込んだ。
「白兎。お前、目付き悪いよな。どろぼうに見えるぜ」
「余計なお世話だ」
堂道の表現も、遠くないかもしれない。
白兎はそろりそろりとお店のキッチンに入り、スーパーで買ったスイーツの材料を広げた。
「板チョコ、チョコレート菓子数種、チョコペン、ウエハース、ビスケット、マシュマロ! よし、やるぞ!」
「市販のお菓子がめっちゃあるけど、何作んだ?」
きょとんとしている堂道を見て、白兎は「ぐふふ」と笑みをこぼした。笑わずにはいられなかったのだ。
「スイーツ好きの夢! 【ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家】を建設するぞ!」
「えぇー。白兎が手作りしてくれるんじゃないのかよ!」
「店のものを食いたけりゃ、金を払え。金を。オレ様のスイーツは有料だ」
白兎が言うと、堂道は「ボクにくらいサービスしろよ」と、すねたフリをしていた。
けれど、そうは言っても、スイーツ好きの堂道にとってもお菓子の家は魅力的なはずだ。以前、堂道は子どものころから、ヘンゼルとグレーテルの絵本を読んでは、お菓子の家のさし絵を何度も何度も眺めていたと話していたのだ。
「ボク好みのでっかい家にしてくれよな。3LDK以上じゃないとダメだ」
「有栖川建築に任せろ」
白兎は、せっせとビスケットと板チョコを組み合わせて、家の壁や屋根の土台を作っていく。チョコレートを溶かしたり、チョコペンを使うと、よくくっついてやりやすい。
すげぇ楽しい! ハマる!
こだわり出すと止まらない。うとうとしながら待っている堂道そっちのけで、白兎は作業に集中していた。
そのため、いつの間にか真横に立っていた女の子に気がつかなかった。
「アリス君、すごいね! お菓子の家?」
「おわっ! ましろ!」
白兎は、驚いてひっくり返りそうになった。
そこにいたのは、《りんごの木》の白雪店長の姪っ子で、自分の後輩──、白雪ましろだった。学校帰りらしく、ランドセルを背負っている。
「なんでいるんだよ!」
「昨日、バックヤードにノートを忘れてて、取りに来たんだ。そしたら、キッチンからアリス君の声がしたから」
ましろはにこにこ笑いながら、お菓子の家に興味津々だ。キラキラした目でソレを見つめている。
「絵本から飛び出して来たみたい……」
「……いっしょに作るか?」
白兎は胸がむずむずしてきたので、そう提案した。なんとなく、ましろを喜ばせたくなったのだ。
「いいの? やったー!」
ましろはとてもはしゃぎながら、ランドセルをテーブルに置いて戻って来た。その途中に、うとうとと居眠りをしていた堂道に挨拶をしているのが面白い。
「アリス君のお友達さん、初めまして。白雪ましろです」
「ど、どうも。堂道翼です」
目覚めたばかりの堂道は、いつの間にか現れたましろに目を丸くしていた。オバケでも見るかのような目だ。
「えっと、ウワサのましろちゃん?」
「ウワサ⁈ アリス君、変なこと言ってないよね⁈」
「お前がドジでミスばっかりって話はしてる」
「わーっ! ひどいよー!」
そんなましろと白兎のやり取りを見て、堂道は可笑しそうに笑っている。
「はははっ! 仲良いなぁ」
「意地悪されてばっかりだよ!」
「誰が意地悪だ」
そして三人でクスクスと笑いながら作業をしているうちに、立派なお菓子の家が完成した。
屋根はウエハース、壁はビスケット、装飾にはカラフルなチョコレートに、ふわふわのマシュマロ。要所要所のホイップクリームは、お店のものを買い取ってたっぷりとしぼった。
これは、夢にまで見たお菓子の家!
「有栖川、マジ天才」
「うわ~い! おいしそう!」
「もったいないけど、食べるぞ!」
壊すために作られるなんて、悲しい。けれど、その瞬間まで愛おしいのがお菓子の家だ。
「よいしょーっ!」
「えーいっ! いただきまーすっ!」
堂道は、なかなか豪快に屋根をはがし、ましろはえんとつをもぎ取っている。
容赦ねぇなぁ。
「よし、オレも!」
白兎も二人を見習って、お菓子の家の壁をパキンっと折り取って口に入れた。
うまい! 止まんねぇ! ヘンゼルとグレーテルが食べまくる気持ちが分かる。
「どうしよう。晩ご飯が入らなくなっちゃうよ」
「店長のメシはうまいから、どうせ食えるだろ。あーあ。ましろ、でぶルートまっしぐらだ」
「やだやだ! 困るよーっ!」
ましろをいじるのは、とても楽しい。反応が面白くて、かわいい。
ほんとに、妹って、こんなかんじなのかな。
「わたしにはお兄ちゃんはいないけど、アリス君って、お兄ちゃんみたいだね」
ふと、ましろが言ったひと言に、白兎の胸はぴょこんと跳ねた。オレも店長みたいに、ましろの家族になっていいのかな、なんて思ってしまう。
「おっ! いいじゃん。有栖川がヘンゼルで、ましろちゃんがグレーテルだ」
白兎は、堂道の声でハッと我に返った。我ながら、照れくさいことを考えてしまった。
「オレなら、グレーテルを守りながら、魔女を倒すけどな!」
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