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【7】美女と野獣のバラぎょうざ
第22話 恩田つる子のダイエット大作戦
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そして、恩田さんプロデュースのダイエット作戦がスタートした。まずは、朝の六時から白鷺川沿いをウォーキング。
「眠たいよ。もうちょっと寝させて」
「ましろさん、いきなり欠席はよくないですよ。さぁ、バナナジュースを作りましたから、飲んで出発です」
そんなやり取りをした後、ましろはりんごおじさんに布団を引きはがされ、白鷺川に送りこまれた。
「おはよう! ましろちゃん、大地君。ジャージがよく似合ってるわね」
「恩田さん! ご指導よろしくお願いします!」
恩田さんと大地君は、朝からとても元気がいい。むにゃむにゃしているのは、一番若いましろだ。眠くて眠くてたまらない。
「ふわぁぁ~……。こんな朝からしなくても……」
「何言ってるの、ましろちゃん! 朝はさわやかで気持ちいいわ! 何より、一日のエンジンをかけるのにぴったりよ!」
ましろは、恩田さんに引きずられるような形で歩き出した。ただし、めちゃくちゃ速い。
「歩く時の姿勢が大切よ! 大地君、背筋伸ばして! ましろちゃん、足はかかとから地面に着けるのよ!」
「まっ、待って! おんださ……。ひぇーーっ!」
***
小学校から家に帰ると、バランスボールのお出ましだ。
ましろはボールをイスの代わりにしながら、宿題をしたり、テレビを見たりしていた。ただし、油断するとボールから転がり落ちてしまう。
「なんで、わたしまでダイエットメニューをやらなきゃいけないのかなぁ」
ましろは、テレビを見ながらボヨンボヨンと弾んでいた。気持ちではない。体だけだ。
「せっかくおもてなしするんですから、大地君の想いを知っておいてもいいんじゃないでしょうか。いっしょに頑張れば、見えてくることもあると思いますよ」
りんごおじさんは、キッチンからこちらをのぞいて笑っていた。
《りんごの木》は、木曜日が定休日で、りんごおじさんは張り切ってキッチンにこもる。カウンターの上に、きれいに形が作られた焼く前のぎょうざが並んでいるので、どうやら大地君と愛華さんのための料理を試作中らしい。
「大地君の想いぃ?」
「ましろさんは、誰かに恋をしたことはありますか?」
ピンと来ていなかったましろに、りんごおじさんは問いかけた。料理をする手は止まっている。
「こういうことは、姪っ子に聞くものではないのかもしれませんが……」
「別にいいよ。わたし、好きな人はいないんだ。恋って、なんか、よく分からない。隣のクラスには、カップルがいるけど」
ましろが澄ました態度で答えると、りんごおじさんは少し面をくらったようだった。まさか、小学生が付き合っているとは思っていなかったらしい。
「隣のクラスに……。ほう……。なかなかませていますね」
「そう言うりんごおじさんは?」
「僕は35歳ですから、さすがに恋をしたことはありますよ」
りんごおじさんは、懐かしそうに遠くを見つめる。
「大切な人のために何かをするのって、とても楽しいんです。相手の喜ぶ顔を想像するだけで、心が踊って、あたたかくなりますよ」
「ふぅん。そうなんだ。なんかいいね、そういうの」
ましろは恋するりんごおじさんを想像して、つい笑ってしまった。そして、その拍子にゴテンッとバランスボールから落っこちた。
「いたたっ! りんごおじさんのせいで落ちちゃったよ!」
「困ったいいがかりですね」
***
そして土曜日には、恩田さん行きつけのヨガ教室へ。
「小学生も男子も大歓迎よ! さ、がんばりましょ!」
恩田さんはそう言うけれど、教室はマダムばっかりで、ましろと大地君は明らかに浮いている。それだけでも恥ずかしいのに、見やすい所へどうぞと、一番前に行かされてしまった。
「大地君、イヤじゃないの?」
ましろがこっそりと聞くと、大地君は「そんなことないよ」と首を横に振った。
「今までにない体験ができて、面白いよ。それに、俺がスマートになって、愛華さんが喜んでくれるのが楽しみだから、頑張れるよ」
「えらい……! 愛の力ってやつ⁈」
「ははは。そうかもねぇ」
照れくさそうに笑う大地君が、ましろはちょっと羨ましくなった。
大地君なら、りんごおじさんの言っていた言葉が理解できるに違いない。好きな人の喜ぶ顔を想像するだけで、心が踊って、あたたかくなる──。
まだ、わたしにはよく分からないけど、きっとすっごく嬉しいことなんだろうな。
「ねぇねぇ、プロポーズの言葉とか考えてるの?」
「えっ? えぇっとね、やっぱりストレートに……」
「はい、そこの二人! おしゃべりはそこまでにして、ネコのバランスボールのポーズして!」
ましろと大地君のひそひそ話は見事に見つかってしまい、ヨガの先生の注意が飛んで来た。「ごめんなさい!」、「すみません!」と大慌てだ。
けれど、四つん這いの体勢から、右手と左足を浮かす動作に体がぷるぷるしてしまう。すでに倒れてしまいそうだ。
うわっ! 想像よりキツいよ!
「五秒キープしてくださいね!」
ええっ⁈ 五秒も⁈
ヨガの先生の言葉を聞いて、ましろはコテンッと横に転がってしまった。
***
大地君は、ましろが取り組んでいるダイエットメニューに加えて、自宅での筋トレと食事内容の見直しをしているらしい。
ちなみに食事のレシピは、りんごおじさんがアドバイスしていて、無理せずおいしく食べながら、痩せてきているそうだ。
「成果が出ているようで、嬉しいですね」
《りんごの木》のバックヤードで夜ご飯を食べていたましろとりんごおじさんは、大地君の話をしていた。
メニューはぎょうざだ。最近、りんごおじさんは、どんな「プロポーズぎょうざ」を作るか悩んでいるようで、いろんなぎょうざが食卓に並んでいる。
パリッとしたお肉たっぷりの焼きぎょうざ。小さくてかわいいひと口ぎょうざ。もちもちした水ぎょうざ。ぷりぷりのエビが入ったエビぎょうざ……。どれもおいしくて、ついつい食べ過ぎてしまう。
「わたし、りんごおじさんのせいで痩せないんじゃないかな。ヘンゼルとグレーテルの魔女みたいに、わたしを太らす気なんじゃない?」
「ましろさんは、やせる必要なんてないんですよ。体力がつけば、それでいいと思いますよ」
りんごおじさんは微笑みながらも、軽く首をかしげていた。
「なかなかピンと来ませんね。プロポーズにふさわしいぎょうざ」
やっぱり、ぎょうざのことで悩んでるんだ!
その時ましろは、「あっ!」と思い出した。アリス君が言っていた、「お皿は花かご」という話だ。
「ぎょうざをお花みたいにできないかな」
皮が白いぎょうざは、どうしても並べると地味になってしまう。もちろん、ぎょうざらしくて美味しそうだけれど、どうせなら料理だって華やかなプレゼントになってほしい。
「なるほど。やってみましょう!」
りんごおじさんは、いいアイディアがひらめいたらしく、笑顔でましろの取り皿にぎょうざをポンポンと放りこんできた。
「だから、食べさせ過ぎだってば!」
「眠たいよ。もうちょっと寝させて」
「ましろさん、いきなり欠席はよくないですよ。さぁ、バナナジュースを作りましたから、飲んで出発です」
そんなやり取りをした後、ましろはりんごおじさんに布団を引きはがされ、白鷺川に送りこまれた。
「おはよう! ましろちゃん、大地君。ジャージがよく似合ってるわね」
「恩田さん! ご指導よろしくお願いします!」
恩田さんと大地君は、朝からとても元気がいい。むにゃむにゃしているのは、一番若いましろだ。眠くて眠くてたまらない。
「ふわぁぁ~……。こんな朝からしなくても……」
「何言ってるの、ましろちゃん! 朝はさわやかで気持ちいいわ! 何より、一日のエンジンをかけるのにぴったりよ!」
ましろは、恩田さんに引きずられるような形で歩き出した。ただし、めちゃくちゃ速い。
「歩く時の姿勢が大切よ! 大地君、背筋伸ばして! ましろちゃん、足はかかとから地面に着けるのよ!」
「まっ、待って! おんださ……。ひぇーーっ!」
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小学校から家に帰ると、バランスボールのお出ましだ。
ましろはボールをイスの代わりにしながら、宿題をしたり、テレビを見たりしていた。ただし、油断するとボールから転がり落ちてしまう。
「なんで、わたしまでダイエットメニューをやらなきゃいけないのかなぁ」
ましろは、テレビを見ながらボヨンボヨンと弾んでいた。気持ちではない。体だけだ。
「せっかくおもてなしするんですから、大地君の想いを知っておいてもいいんじゃないでしょうか。いっしょに頑張れば、見えてくることもあると思いますよ」
りんごおじさんは、キッチンからこちらをのぞいて笑っていた。
《りんごの木》は、木曜日が定休日で、りんごおじさんは張り切ってキッチンにこもる。カウンターの上に、きれいに形が作られた焼く前のぎょうざが並んでいるので、どうやら大地君と愛華さんのための料理を試作中らしい。
「大地君の想いぃ?」
「ましろさんは、誰かに恋をしたことはありますか?」
ピンと来ていなかったましろに、りんごおじさんは問いかけた。料理をする手は止まっている。
「こういうことは、姪っ子に聞くものではないのかもしれませんが……」
「別にいいよ。わたし、好きな人はいないんだ。恋って、なんか、よく分からない。隣のクラスには、カップルがいるけど」
ましろが澄ました態度で答えると、りんごおじさんは少し面をくらったようだった。まさか、小学生が付き合っているとは思っていなかったらしい。
「隣のクラスに……。ほう……。なかなかませていますね」
「そう言うりんごおじさんは?」
「僕は35歳ですから、さすがに恋をしたことはありますよ」
りんごおじさんは、懐かしそうに遠くを見つめる。
「大切な人のために何かをするのって、とても楽しいんです。相手の喜ぶ顔を想像するだけで、心が踊って、あたたかくなりますよ」
「ふぅん。そうなんだ。なんかいいね、そういうの」
ましろは恋するりんごおじさんを想像して、つい笑ってしまった。そして、その拍子にゴテンッとバランスボールから落っこちた。
「いたたっ! りんごおじさんのせいで落ちちゃったよ!」
「困ったいいがかりですね」
***
そして土曜日には、恩田さん行きつけのヨガ教室へ。
「小学生も男子も大歓迎よ! さ、がんばりましょ!」
恩田さんはそう言うけれど、教室はマダムばっかりで、ましろと大地君は明らかに浮いている。それだけでも恥ずかしいのに、見やすい所へどうぞと、一番前に行かされてしまった。
「大地君、イヤじゃないの?」
ましろがこっそりと聞くと、大地君は「そんなことないよ」と首を横に振った。
「今までにない体験ができて、面白いよ。それに、俺がスマートになって、愛華さんが喜んでくれるのが楽しみだから、頑張れるよ」
「えらい……! 愛の力ってやつ⁈」
「ははは。そうかもねぇ」
照れくさそうに笑う大地君が、ましろはちょっと羨ましくなった。
大地君なら、りんごおじさんの言っていた言葉が理解できるに違いない。好きな人の喜ぶ顔を想像するだけで、心が踊って、あたたかくなる──。
まだ、わたしにはよく分からないけど、きっとすっごく嬉しいことなんだろうな。
「ねぇねぇ、プロポーズの言葉とか考えてるの?」
「えっ? えぇっとね、やっぱりストレートに……」
「はい、そこの二人! おしゃべりはそこまでにして、ネコのバランスボールのポーズして!」
ましろと大地君のひそひそ話は見事に見つかってしまい、ヨガの先生の注意が飛んで来た。「ごめんなさい!」、「すみません!」と大慌てだ。
けれど、四つん這いの体勢から、右手と左足を浮かす動作に体がぷるぷるしてしまう。すでに倒れてしまいそうだ。
うわっ! 想像よりキツいよ!
「五秒キープしてくださいね!」
ええっ⁈ 五秒も⁈
ヨガの先生の言葉を聞いて、ましろはコテンッと横に転がってしまった。
***
大地君は、ましろが取り組んでいるダイエットメニューに加えて、自宅での筋トレと食事内容の見直しをしているらしい。
ちなみに食事のレシピは、りんごおじさんがアドバイスしていて、無理せずおいしく食べながら、痩せてきているそうだ。
「成果が出ているようで、嬉しいですね」
《りんごの木》のバックヤードで夜ご飯を食べていたましろとりんごおじさんは、大地君の話をしていた。
メニューはぎょうざだ。最近、りんごおじさんは、どんな「プロポーズぎょうざ」を作るか悩んでいるようで、いろんなぎょうざが食卓に並んでいる。
パリッとしたお肉たっぷりの焼きぎょうざ。小さくてかわいいひと口ぎょうざ。もちもちした水ぎょうざ。ぷりぷりのエビが入ったエビぎょうざ……。どれもおいしくて、ついつい食べ過ぎてしまう。
「わたし、りんごおじさんのせいで痩せないんじゃないかな。ヘンゼルとグレーテルの魔女みたいに、わたしを太らす気なんじゃない?」
「ましろさんは、やせる必要なんてないんですよ。体力がつけば、それでいいと思いますよ」
りんごおじさんは微笑みながらも、軽く首をかしげていた。
「なかなかピンと来ませんね。プロポーズにふさわしいぎょうざ」
やっぱり、ぎょうざのことで悩んでるんだ!
その時ましろは、「あっ!」と思い出した。アリス君が言っていた、「お皿は花かご」という話だ。
「ぎょうざをお花みたいにできないかな」
皮が白いぎょうざは、どうしても並べると地味になってしまう。もちろん、ぎょうざらしくて美味しそうだけれど、どうせなら料理だって華やかなプレゼントになってほしい。
「なるほど。やってみましょう!」
りんごおじさんは、いいアイディアがひらめいたらしく、笑顔でましろの取り皿にぎょうざをポンポンと放りこんできた。
「だから、食べさせ過ぎだってば!」
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