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【3】大きなかぶの肉詰め
第11話 ペダルを回せ!
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今日はお休みなので、ファミリーレストラン《りんごの木》は、シン……と静かだ。
アリス君は、お店の二階から《かがみ屋》のお家に帰ったし、お客さんもいない。いるのは、ましろとりんごおじさん、そして琥太郎君だけだ。
「本日のおすすめデザート【桃太郎のピーチタルト】です。どうぞ」
ましろは、琥太郎君の前にそっとお皿を置いた。
桃奈の家の果物屋さんから仕入れた桃で作ったピーチタルトだ。
アリス君によると、「ヨーグルトクリームの酸味と桃の甘さが絶妙にマッチ」していて、「小さいタルト台をひとつひとつ焼いているから、見た目もきれい」だそうだ。たしかに、切り分けていないから、タルトカップの中の桃は、花びらのようにきれいなままだ。
「白雪も白雪のおじさんも、すみません。おれと父ちゃんのケンカに巻き込んじゃって」
落ち着いた琥太郎君は、とても申し訳なさそうにしながら、ピーチタルトを食べている。「うまっ!」と何度も言っているので、気に入ってくれたようだ。
「きっと、おいしいご飯を食べながらなら、お父さんとも仲直りできますよ。早くお父さん、来られるといいですね」
りんごおじさんは、他のテーブルにたくさんのお皿とグラスを並べて、キュッキュッと布で磨いている。その音はとてもリズミカルで、聴いているましろは楽しくなってくる。
「授業参観は、お仕事を抜けて来てくれてたんだよね。間に合ってなかったけど……。夜ご飯はきっと来てくれるよ!」
「父ちゃん、来るかどうかあやしいって。仕事が忙しくて、帰って来るのも遅いし、学校の行事も全然来ない。いーっつも、行く行くってウソつく」
琥太郎君は、ピーチタルトを名残惜しそうに食べ切ると、甘いミルクティーをごくごくと飲み干した。
あの後、琥太郎君のお父さんとは、残りの仕事を片付けて、夜ご飯の時間には《りんごの木》に来るという約束をして別れた。
「コタ! 六時には行くから、待っててくれ。絶対に行くからな! すごいご馳走食べような!」
琥太郎君のお父さんは力強くそう言うと、大急ぎで会社に戻って行ったのだ。
そして、琥太郎君は《りんごの木》でお父さんが来るのを待っている。
「参観日は絶対に行くって、言ってたくせに……。おれのことなんて、どうでもいいんだ」
「そんなことないよ! お父さん、琥太郎君のこと大事だよ!」
「うぅん。きっと父ちゃんは、おれなんていなかったら自由なのに、って思ってる。母ちゃんみたいに、子どもから解放されたいって思ってるんだ」
ましろの胸が、ズキンと痛んだ。
ましろがとても小さいころに、ましろのお父さんは家を出て行った。
『もう疲れたんだ。自由にさせてくれ』
そう言って、ましろとお母さんを置いて行った。もう顔は覚えていないけれど、あの時のお父さんの言葉と、ガラス玉みたいな瞳をましろは忘れることができない。
だから一瞬、琥太郎君に何と言ったらいいか、分からなくなってしまった。
「君のお父さんは、君のことが大好きですよ」
静かな空間で口を開いたのは、りんごおじさんだ。
磨き終わったグラスを棚にしまうと、エプロンのポケットから、走り書きのような字が書いてあるメモを取り出した。
「なにそれ?」
「お父さんが僕にくれたんですよ。君の好きな食べ物、苦手な食べ物、アレルギー……。楽しい夜ご飯になるように、お父さんなりに考えてくれたんですね。大事な家族のためじゃないと、できないことですよ」
りんごおじさんにメモを渡され、琥太郎君は食い入るようにそれを見ていた。そして、おかしそうに笑った。
「ぷっ。おれの好物に野菜炒めが入ってる。父ちゃんがそれしか作れなくてさ。しょっちゅう食べんだけど、おれ、そんなに美味そうにしてたのかな」
「きっとそうですよ」
りんごおじさんは、「愛がこもっている料理だから」、なんてキザなことは言わなかったけれど、うれしそうにうなずいていた。
「さて、僕は今からディナーを作りますね。琥太郎君とましろさんは、宿題をして待っていてくださいね」
りんごおじさんは、サラッと宿題をするようにすすめてきた。
うっ。逃げられない!
ましろは、琥太郎君とおしゃべりでもしようかと思っていたけれど、大人しく宿題をするしかないようだ。琥太郎君も、しぶしぶ算数ドリルをランドセルから引っ張り出している。
そして、ましろが算数と国語の宿題を終え、うとうとと居眠りから目覚めると、夜の六時を少し過ぎていた。
「あれ! 約束の時間、過ぎてる!」
「ほら、やっぱ父ちゃんはうそつきじゃんか」
ましろの隣では、琥太郎君がしょんぼりした様子でうつむいていた。
「仕事は先ほど終わったと、お父さんから電話がありましたよ。ただ、駅の方で事故があって、バスがなかなか来ないので、走って来られるそうです」
りんごおじさんは、お店の奥で電話を取っていたらしい。琥太郎君の近くにやって来て、「きっともう少しですよ」と声をかけた。
「駅から走るとか、父ちゃんバカかよ」
「いても立ってもいられなかったんでしょう」
りんごおじさんはそう言うけれど、たしかに駅から《りんごの木》まで走って来るのは大変だ。たしかアリス君が「オレが自転車を爆走させたら二十分だ!」と言っていたので、人の足だともっと時間がかかるし疲れるだろう。
それに《りんごの木》は、おとぎ商店街の中でも少し引っこんだ所にあるため、初めて来る人は、とても迷いやすいことも心配だ。
「わたし、琥太郎君のお父さんを迎えに行って来るよ!」
ましろは、パッとひらめいた案を口にした。
「駅までの道は真っ直ぐだから分かるし、きっと途中で会えると思うんだ。わたしが案内した方が、早く来てもらえるよね!」
「たしかに、入れ違いになる道でもないですし、それはそうですが……」
「りんごおじさんは、お料理の用意して、琥太郎君と待ってて!」
りんごおじさんは少し迷っていたが、ましろに押し切られて「気をつけて行ってください」と、オッケーを出してくれた。
「では、僕は料理の仕上げをします。琥太郎君にお手伝いをしてもらいましょうか」
「え? あ、はい!」
戸惑う琥太郎君をキッチンに連れながら、りんごおじさんはましろに手を振ってくれた。
「ましろさん、よろしくお願いします」
***
ましろは、張り切って《りんごの木》を飛び出した。
少しでも早く、琥太郎君と琥太郎君のお父さんを会わせてあげたかった。二人を笑顔にしてあげたかった。
走れ走れ! がんばれ、わたし!
お店の赤いエプロンを付けっぱなしだと気がついたけれど、脱いでいる時間ももったいない!
お父さん、琥太郎君を安心させてあげて!
とっても大切な家族なんだよって、言ってあげて!
心の中のモヤモヤとズキズキを取っ払いたくて、ましろは全力で走った。
「はぁ、はぁ……っ!」
「あら、ましろちゃん? そんなに走ってどうしたの?」
おとぎ商店街を抜けた辺りで、聞き覚えのある声に呼び止められた。
「恩田さん!」
パートの恩田さんが、自転車を押しながら歩いていたのだ。
「じ、実は……」
ましろは、息を切らしながら事情を話した。
すると恩田さんは、「協力するわ」と、素早く自転車を駅の方向に反転させた。
「ましろちゃん、後ろに乗って! 息子のヘルメットかぶってね」
「えぇっ⁈ いいの⁈」
「息子を塾に送って行ったとこだから、時間はあるわ。何より、お店の仲間ががんばってるんだから、手伝いたいじゃない」
恩田さんは男前にグーサインをすると、ましろをひょいと抱き上げて自転車の後ろに乗せてくれた。
「ありがとう! 恩田さん!」
「あ、口は閉じといた方がいいわよ。舌かんじゃうかもしれないから」
ん? どういう意味?
ましろがヘルメットを付けることを確認した恩田さんは、質問のヒマも与えてくれずに自転車を急発進させた。
「私なら、駅まで十分かからないから! 同級生のお父さん見つけたら、肩叩いて教えてねーっ!」
アリス君より断然速い!
シャカシャカシャカーーーッ!
ビューーーーーンッ!
恩田さんが、信じられない速度でペダルを回し、信じられない速度で景色が後ろに流れていく。
速い! 速すぎる!
これが主婦の自転車⁈
ましろは必死に恩田さんにしがみつき、目では琥太郎君のお父さんの姿を探した。気を抜くと、見逃してしまいそうだ。
その時、視界のすみっこに、スーツ姿のおじさんがチラリと映った。汗をかきながら走っている。
琥太郎君のお父さんだ!
ましろはあわてて恩田さんの肩を叩き、自転車を止めてもらった。
「琥太郎君のお父さん! 迎えに来たよ!」
「君は、《りんごの木》の……⁈」
「《りんごの木》の特別送迎サービスよ! って言っても、ここからはセルフでお願いしますね!」
恩田さんは自転車から降りると、琥太郎君のお父さんに代わりに乗るように促した。
「乗って行ってください! 道案内は、後ろのウエイトレスがしますので。自転車は、お店に停めておいてくれたらいいです」
「え! そんな、申し訳ない……」
「琥太郎君が待ってるんだよ!」
ためらうお父さんだったが、恩田さんとましろの二人から急かされ、自転車を発進させた。
「恩田さん、ありがとうーっ!」
自転車の速度は、恩田さんの半分よりも遅かったけれど、それでも琥太郎君のお父さんは一生懸命にペダルをこいでいた。
アリス君は、お店の二階から《かがみ屋》のお家に帰ったし、お客さんもいない。いるのは、ましろとりんごおじさん、そして琥太郎君だけだ。
「本日のおすすめデザート【桃太郎のピーチタルト】です。どうぞ」
ましろは、琥太郎君の前にそっとお皿を置いた。
桃奈の家の果物屋さんから仕入れた桃で作ったピーチタルトだ。
アリス君によると、「ヨーグルトクリームの酸味と桃の甘さが絶妙にマッチ」していて、「小さいタルト台をひとつひとつ焼いているから、見た目もきれい」だそうだ。たしかに、切り分けていないから、タルトカップの中の桃は、花びらのようにきれいなままだ。
「白雪も白雪のおじさんも、すみません。おれと父ちゃんのケンカに巻き込んじゃって」
落ち着いた琥太郎君は、とても申し訳なさそうにしながら、ピーチタルトを食べている。「うまっ!」と何度も言っているので、気に入ってくれたようだ。
「きっと、おいしいご飯を食べながらなら、お父さんとも仲直りできますよ。早くお父さん、来られるといいですね」
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「父ちゃん、来るかどうかあやしいって。仕事が忙しくて、帰って来るのも遅いし、学校の行事も全然来ない。いーっつも、行く行くってウソつく」
琥太郎君は、ピーチタルトを名残惜しそうに食べ切ると、甘いミルクティーをごくごくと飲み干した。
あの後、琥太郎君のお父さんとは、残りの仕事を片付けて、夜ご飯の時間には《りんごの木》に来るという約束をして別れた。
「コタ! 六時には行くから、待っててくれ。絶対に行くからな! すごいご馳走食べような!」
琥太郎君のお父さんは力強くそう言うと、大急ぎで会社に戻って行ったのだ。
そして、琥太郎君は《りんごの木》でお父さんが来るのを待っている。
「参観日は絶対に行くって、言ってたくせに……。おれのことなんて、どうでもいいんだ」
「そんなことないよ! お父さん、琥太郎君のこと大事だよ!」
「うぅん。きっと父ちゃんは、おれなんていなかったら自由なのに、って思ってる。母ちゃんみたいに、子どもから解放されたいって思ってるんだ」
ましろの胸が、ズキンと痛んだ。
ましろがとても小さいころに、ましろのお父さんは家を出て行った。
『もう疲れたんだ。自由にさせてくれ』
そう言って、ましろとお母さんを置いて行った。もう顔は覚えていないけれど、あの時のお父さんの言葉と、ガラス玉みたいな瞳をましろは忘れることができない。
だから一瞬、琥太郎君に何と言ったらいいか、分からなくなってしまった。
「君のお父さんは、君のことが大好きですよ」
静かな空間で口を開いたのは、りんごおじさんだ。
磨き終わったグラスを棚にしまうと、エプロンのポケットから、走り書きのような字が書いてあるメモを取り出した。
「なにそれ?」
「お父さんが僕にくれたんですよ。君の好きな食べ物、苦手な食べ物、アレルギー……。楽しい夜ご飯になるように、お父さんなりに考えてくれたんですね。大事な家族のためじゃないと、できないことですよ」
りんごおじさんにメモを渡され、琥太郎君は食い入るようにそれを見ていた。そして、おかしそうに笑った。
「ぷっ。おれの好物に野菜炒めが入ってる。父ちゃんがそれしか作れなくてさ。しょっちゅう食べんだけど、おれ、そんなに美味そうにしてたのかな」
「きっとそうですよ」
りんごおじさんは、「愛がこもっている料理だから」、なんてキザなことは言わなかったけれど、うれしそうにうなずいていた。
「さて、僕は今からディナーを作りますね。琥太郎君とましろさんは、宿題をして待っていてくださいね」
りんごおじさんは、サラッと宿題をするようにすすめてきた。
うっ。逃げられない!
ましろは、琥太郎君とおしゃべりでもしようかと思っていたけれど、大人しく宿題をするしかないようだ。琥太郎君も、しぶしぶ算数ドリルをランドセルから引っ張り出している。
そして、ましろが算数と国語の宿題を終え、うとうとと居眠りから目覚めると、夜の六時を少し過ぎていた。
「あれ! 約束の時間、過ぎてる!」
「ほら、やっぱ父ちゃんはうそつきじゃんか」
ましろの隣では、琥太郎君がしょんぼりした様子でうつむいていた。
「仕事は先ほど終わったと、お父さんから電話がありましたよ。ただ、駅の方で事故があって、バスがなかなか来ないので、走って来られるそうです」
りんごおじさんは、お店の奥で電話を取っていたらしい。琥太郎君の近くにやって来て、「きっともう少しですよ」と声をかけた。
「駅から走るとか、父ちゃんバカかよ」
「いても立ってもいられなかったんでしょう」
りんごおじさんはそう言うけれど、たしかに駅から《りんごの木》まで走って来るのは大変だ。たしかアリス君が「オレが自転車を爆走させたら二十分だ!」と言っていたので、人の足だともっと時間がかかるし疲れるだろう。
それに《りんごの木》は、おとぎ商店街の中でも少し引っこんだ所にあるため、初めて来る人は、とても迷いやすいことも心配だ。
「わたし、琥太郎君のお父さんを迎えに行って来るよ!」
ましろは、パッとひらめいた案を口にした。
「駅までの道は真っ直ぐだから分かるし、きっと途中で会えると思うんだ。わたしが案内した方が、早く来てもらえるよね!」
「たしかに、入れ違いになる道でもないですし、それはそうですが……」
「りんごおじさんは、お料理の用意して、琥太郎君と待ってて!」
りんごおじさんは少し迷っていたが、ましろに押し切られて「気をつけて行ってください」と、オッケーを出してくれた。
「では、僕は料理の仕上げをします。琥太郎君にお手伝いをしてもらいましょうか」
「え? あ、はい!」
戸惑う琥太郎君をキッチンに連れながら、りんごおじさんはましろに手を振ってくれた。
「ましろさん、よろしくお願いします」
***
ましろは、張り切って《りんごの木》を飛び出した。
少しでも早く、琥太郎君と琥太郎君のお父さんを会わせてあげたかった。二人を笑顔にしてあげたかった。
走れ走れ! がんばれ、わたし!
お店の赤いエプロンを付けっぱなしだと気がついたけれど、脱いでいる時間ももったいない!
お父さん、琥太郎君を安心させてあげて!
とっても大切な家族なんだよって、言ってあげて!
心の中のモヤモヤとズキズキを取っ払いたくて、ましろは全力で走った。
「はぁ、はぁ……っ!」
「あら、ましろちゃん? そんなに走ってどうしたの?」
おとぎ商店街を抜けた辺りで、聞き覚えのある声に呼び止められた。
「恩田さん!」
パートの恩田さんが、自転車を押しながら歩いていたのだ。
「じ、実は……」
ましろは、息を切らしながら事情を話した。
すると恩田さんは、「協力するわ」と、素早く自転車を駅の方向に反転させた。
「ましろちゃん、後ろに乗って! 息子のヘルメットかぶってね」
「えぇっ⁈ いいの⁈」
「息子を塾に送って行ったとこだから、時間はあるわ。何より、お店の仲間ががんばってるんだから、手伝いたいじゃない」
恩田さんは男前にグーサインをすると、ましろをひょいと抱き上げて自転車の後ろに乗せてくれた。
「ありがとう! 恩田さん!」
「あ、口は閉じといた方がいいわよ。舌かんじゃうかもしれないから」
ん? どういう意味?
ましろがヘルメットを付けることを確認した恩田さんは、質問のヒマも与えてくれずに自転車を急発進させた。
「私なら、駅まで十分かからないから! 同級生のお父さん見つけたら、肩叩いて教えてねーっ!」
アリス君より断然速い!
シャカシャカシャカーーーッ!
ビューーーーーンッ!
恩田さんが、信じられない速度でペダルを回し、信じられない速度で景色が後ろに流れていく。
速い! 速すぎる!
これが主婦の自転車⁈
ましろは必死に恩田さんにしがみつき、目では琥太郎君のお父さんの姿を探した。気を抜くと、見逃してしまいそうだ。
その時、視界のすみっこに、スーツ姿のおじさんがチラリと映った。汗をかきながら走っている。
琥太郎君のお父さんだ!
ましろはあわてて恩田さんの肩を叩き、自転車を止めてもらった。
「琥太郎君のお父さん! 迎えに来たよ!」
「君は、《りんごの木》の……⁈」
「《りんごの木》の特別送迎サービスよ! って言っても、ここからはセルフでお願いしますね!」
恩田さんは自転車から降りると、琥太郎君のお父さんに代わりに乗るように促した。
「乗って行ってください! 道案内は、後ろのウエイトレスがしますので。自転車は、お店に停めておいてくれたらいいです」
「え! そんな、申し訳ない……」
「琥太郎君が待ってるんだよ!」
ためらうお父さんだったが、恩田さんとましろの二人から急かされ、自転車を発進させた。
「恩田さん、ありがとうーっ!」
自転車の速度は、恩田さんの半分よりも遅かったけれど、それでも琥太郎君のお父さんは一生懸命にペダルをこいでいた。
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