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菫の思念3
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注※内容に性的描写を含みます、ご注意下さい。
───
桜子を家に送った後の夕暮れの帰り道、先程の言葉の意味を考える。
『梅の香りに惑わされないで』
どういう意味だ? 梅子に惚れるなと言うことか? 確かに妙な魅力がある女だった。また会えないだろうか。
そう思いつつ前方を見ると男に誘われている女の姿があった。その顔見た瞬間俺は駆け出し、男の腕を掴んでいた。
「な、なんだお前!」
「この人はお前が声をかけていい様な女性ではない」
「は? 何言ってんだよ、立ちんぼがどこぞのご令嬢だとでも言うのか~?」
立ちんぼ……路上で男性に声をかけ身体を売る女の事を指す言葉だ。
「大体、声をかけてきたのはその女の方だ!」
男がそう怒鳴った隙に、俺の後ろに声をかけられていた女……梅子が隠れた。
「梅子さん、どういう事なんですか?」
「急に体調が悪くなってしまったので、この人に少し休憩できる場所は無いかと尋ねたら……」
「なるほど、場所が悪かったですね」
ここはそういう女が多いと言われている場所だ。誤解されても仕方はないのかもしれない。
「この人はそういう女ではないんだ」
そう言いつつ男と肩を組む。
「何だよ……」
「……これで立ち去れ」
札を二、三枚こそっと渡しながら言うと男はにやりと笑い、俺の肩をぽんと叩きながら立ち去った。無駄な暴力を回避、やはり金の力は偉大だな。
「ありがとうございました。違うと言っても信じて貰えなくて」
「いえ、お役に立てたなら良かった。この時間帯は色々と危険ですご自宅までお送ります」
「いいんですか? ではお願いします」
梅子は嬉しそうに笑った。その屈託のない顔にどきりとする。こんな平凡な女なのに何故だろう。
心の動揺を悟られぬ様に来た道を戻ろうとすると、梅子がくいと袖を引く。
「私が帰るのは本家ではなく別宅の方なので」
寂しそうな顔で梅子が言う。
「病が治ったのにまだ別宅に?」
「はい、あちらの家の方が落ち着くので」
梅子が歩き出した方に付いていく。どんどん街から遠ざかってゆく。まあ別宅……家主である男が愛人と会う為に買った様なものだろうし、当然か。
ちらりと梅子を見る。やはり……妙な艶かかさがある女だ。先程の男が強引に誘いたくなったのも無理はあるまい。
それに何だろうかこの甘い香りは。梅子からしている? 香水だろうか? 何処かで嗅いだことがある懐かしく甘い……。
「ありがとうございました」
梅子の言葉にはっとする。別宅らしい屋敷の入り口まで来ていた。
このまま別れたくない。何か次の約束を取り付けなければそんな思考をめぐらせていると。
「あの……お礼にお茶でも……」
と梅子が恥ずかしそうに言う。梅子も俺と別れたくないのだろうか?
「え、ええ! 喜んで」
喜びをひた隠しながら頷く。
門をくぐり屋敷に入る。辺りはしんと静まり返っていた。
客室らしき部屋に案内されしばらく待つと梅子が紅茶一式を乗せたワゴンを運んできた。自分でしたのか? 別宅とはいえ阿賀家の屋敷、しかも今はご令嬢が住んでいるんだ身の回りをするメイドの一人や二人はいそうなものだが。
「あの、身の回りの世話をする者はいないのですか?」
「いません。以前はいたのですが皆いなくなってしまって……」
つまり今、二人きりなのだ。その事実に胸が高鳴る。
「あ、そういえばお菓子があったんだったわ」
そう言って梅子は立ち上がり背を向けた、ふわっと甘い香りが広がる。鼻腔をくすぐる甘い香りになぜか身体が興奮してくる。だめだ、我慢が出来ない!
理性が飛んだ俺は梅子に背後から抱きついた。
「き、菫太郎さん?」
戸惑う梅子の言葉を無視して服の上から胸を触る。嫌がられるかと思ったが梅子は抵抗しない、どころか俺の手に自分の手を添えもっと触る様に促してくるではないか。
なるほど、こうなる事を彼女もお望みか、俺に一目ぼれでもしたんだろう。気を良くしスカートの中の太ももを指でなぞり手を這わせ弄んでやると可愛らしい声が漏れ始める。商売女には無い久々の初な反応に気を良くし、敏感な部分を触りまくる。しばらくすると彼女の身体が電流を流された様に大きく動く、どうやら軽くイッてしまったようだ。
肩で息をする彼女を強引にこちらに向かせると潤んだ瞳で俺を見つめてくる。生唾を飲み込みそのままソファに押したおす、乱れた服から溢れるその体を窓から差し込む夕日が照らす。その姿は芸術品の様に美しかった。俺はたまらずに自分のそそり立ったモノを挿入した。
意外な事に梅子は初めてでは無いらしい。だが今はそんな事はいいと腰を揺らす。梅子の淫らにあえぐ声とあの甘い香りが俺を包む。
ああ……最高だ!
自分勝手に絶頂を迎え満足し、モノを抜こうとしたが……なんだ? 抜けない?
「ああ……まだ足りない……もっと……」
梅子のその言葉と同時に脚で身体を固定される。
「もっと、もっと……チョウダイ」
そう言うと両腕を俺の首に絡ませ完全に身体をホールドされた形になる。そして唇を重ねてくる。そんなに俺に抱かれたいのかとその気になった瞬間、
「!?」
上から下から何かを抜かれる様な感覚が俺を襲う。
何だこれは、苦しい、やめろ! そう叫び梅子を引きはがそうとするが外れない! 力は信じられない程の力でがっちりと固定され、もがいてももがいても外れない。
段々と体の力が抜けていく、意識が遠くなっていった。
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桜子を家に送った後の夕暮れの帰り道、先程の言葉の意味を考える。
『梅の香りに惑わされないで』
どういう意味だ? 梅子に惚れるなと言うことか? 確かに妙な魅力がある女だった。また会えないだろうか。
そう思いつつ前方を見ると男に誘われている女の姿があった。その顔見た瞬間俺は駆け出し、男の腕を掴んでいた。
「な、なんだお前!」
「この人はお前が声をかけていい様な女性ではない」
「は? 何言ってんだよ、立ちんぼがどこぞのご令嬢だとでも言うのか~?」
立ちんぼ……路上で男性に声をかけ身体を売る女の事を指す言葉だ。
「大体、声をかけてきたのはその女の方だ!」
男がそう怒鳴った隙に、俺の後ろに声をかけられていた女……梅子が隠れた。
「梅子さん、どういう事なんですか?」
「急に体調が悪くなってしまったので、この人に少し休憩できる場所は無いかと尋ねたら……」
「なるほど、場所が悪かったですね」
ここはそういう女が多いと言われている場所だ。誤解されても仕方はないのかもしれない。
「この人はそういう女ではないんだ」
そう言いつつ男と肩を組む。
「何だよ……」
「……これで立ち去れ」
札を二、三枚こそっと渡しながら言うと男はにやりと笑い、俺の肩をぽんと叩きながら立ち去った。無駄な暴力を回避、やはり金の力は偉大だな。
「ありがとうございました。違うと言っても信じて貰えなくて」
「いえ、お役に立てたなら良かった。この時間帯は色々と危険ですご自宅までお送ります」
「いいんですか? ではお願いします」
梅子は嬉しそうに笑った。その屈託のない顔にどきりとする。こんな平凡な女なのに何故だろう。
心の動揺を悟られぬ様に来た道を戻ろうとすると、梅子がくいと袖を引く。
「私が帰るのは本家ではなく別宅の方なので」
寂しそうな顔で梅子が言う。
「病が治ったのにまだ別宅に?」
「はい、あちらの家の方が落ち着くので」
梅子が歩き出した方に付いていく。どんどん街から遠ざかってゆく。まあ別宅……家主である男が愛人と会う為に買った様なものだろうし、当然か。
ちらりと梅子を見る。やはり……妙な艶かかさがある女だ。先程の男が強引に誘いたくなったのも無理はあるまい。
それに何だろうかこの甘い香りは。梅子からしている? 香水だろうか? 何処かで嗅いだことがある懐かしく甘い……。
「ありがとうございました」
梅子の言葉にはっとする。別宅らしい屋敷の入り口まで来ていた。
このまま別れたくない。何か次の約束を取り付けなければそんな思考をめぐらせていると。
「あの……お礼にお茶でも……」
と梅子が恥ずかしそうに言う。梅子も俺と別れたくないのだろうか?
「え、ええ! 喜んで」
喜びをひた隠しながら頷く。
門をくぐり屋敷に入る。辺りはしんと静まり返っていた。
客室らしき部屋に案内されしばらく待つと梅子が紅茶一式を乗せたワゴンを運んできた。自分でしたのか? 別宅とはいえ阿賀家の屋敷、しかも今はご令嬢が住んでいるんだ身の回りをするメイドの一人や二人はいそうなものだが。
「あの、身の回りの世話をする者はいないのですか?」
「いません。以前はいたのですが皆いなくなってしまって……」
つまり今、二人きりなのだ。その事実に胸が高鳴る。
「あ、そういえばお菓子があったんだったわ」
そう言って梅子は立ち上がり背を向けた、ふわっと甘い香りが広がる。鼻腔をくすぐる甘い香りになぜか身体が興奮してくる。だめだ、我慢が出来ない!
理性が飛んだ俺は梅子に背後から抱きついた。
「き、菫太郎さん?」
戸惑う梅子の言葉を無視して服の上から胸を触る。嫌がられるかと思ったが梅子は抵抗しない、どころか俺の手に自分の手を添えもっと触る様に促してくるではないか。
なるほど、こうなる事を彼女もお望みか、俺に一目ぼれでもしたんだろう。気を良くしスカートの中の太ももを指でなぞり手を這わせ弄んでやると可愛らしい声が漏れ始める。商売女には無い久々の初な反応に気を良くし、敏感な部分を触りまくる。しばらくすると彼女の身体が電流を流された様に大きく動く、どうやら軽くイッてしまったようだ。
肩で息をする彼女を強引にこちらに向かせると潤んだ瞳で俺を見つめてくる。生唾を飲み込みそのままソファに押したおす、乱れた服から溢れるその体を窓から差し込む夕日が照らす。その姿は芸術品の様に美しかった。俺はたまらずに自分のそそり立ったモノを挿入した。
意外な事に梅子は初めてでは無いらしい。だが今はそんな事はいいと腰を揺らす。梅子の淫らにあえぐ声とあの甘い香りが俺を包む。
ああ……最高だ!
自分勝手に絶頂を迎え満足し、モノを抜こうとしたが……なんだ? 抜けない?
「ああ……まだ足りない……もっと……」
梅子のその言葉と同時に脚で身体を固定される。
「もっと、もっと……チョウダイ」
そう言うと両腕を俺の首に絡ませ完全に身体をホールドされた形になる。そして唇を重ねてくる。そんなに俺に抱かれたいのかとその気になった瞬間、
「!?」
上から下から何かを抜かれる様な感覚が俺を襲う。
何だこれは、苦しい、やめろ! そう叫び梅子を引きはがそうとするが外れない! 力は信じられない程の力でがっちりと固定され、もがいてももがいても外れない。
段々と体の力が抜けていく、意識が遠くなっていった。
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