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静夏の恋!?

子猫たち…

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 「私…あの子達全員引き取ることにしたわっ★」

 退院後、出勤するなり静夏がそう言った。

 静夏は困ったように、でも嬉しそうに話を続ける。

 「透おじさま達が二匹なら引き取ってくれるって言ってくれたんだけど、兄弟離すのは可哀想だし…家もパパとおじさま達と同じマンションに引っ越すことにしたの。あそこならペット可だし、透おじさまとおばさまも子猫のお世話手伝ってくれるって言ってくれたから…今月末に引っ越すことにしたのっ」

 「そうなんだ。それなら良かったよ」

 「あとね、昴…守ってくれてありがとっ★」

 そう言いながら静夏が抱きついてくる。

 …。

 静夏はとっても美人だったし、面倒見も良くって…。

 一つ欠点があるとすれば親戚って事だよな…。

 どんなに静夏が好きでも、結婚できないし…。

 眩しいぐらいの笑顔で静夏が笑っている。

 でもまあいいか。

 おかげでそばにいられるし…。

 「もう猫達の名前考えたの?」

 嬉しそうに子猫の写真を見せてくれた静夏に聞く。

 「…まだ考え中っ★とびっきり可愛い名前考えなきゃっ★」

 静夏はやっぱり綺麗だな…。

 微笑む静夏に見惚れながら、就業時間を迎える。


 

 ★


 
 「原因は…猫だったようだな」

 水野社長はホッとしたように笑う。

 「そうみたいですね。まさか静夏も猫好きだったなんて…思わなかったけど」

 水野社長は不思議そうな顔をする。

 「そうか?静夏は小さい頃から猫好きだぞ?」

 水野社長は微笑む。

 …そうだろうか?

 「でも静夏…昔っから家の猫に触りたがらなかったからてっきり…」

 小さい頃よく寝ているすずしろを構おうとして静夏に怒られたものだった。

 「静夏がよく言ってたぞ?昴の家の猫は寝ているところを起こされてかわいそうだって。あの白猫もよく怒って昴のことパンチして仕返ししてたんだが…もう覚えてないか?」

 「…」

 そうか、静夏は猫が嫌いだったわけではなくて…優しかったんだな…

 思えば小さい頃の自分達は猫にとっては嫌な存在だったろう。

 寝ているすずしろを無理やり抱っこしたり、触って起こしたり…。

 それでもすずしろは…爪を出したことは一度もなかったな…。

 昔を思い出して思わず微笑んでいた。

 すずしろは小さな自分達の相手をするのが嫌になるとキャットタワーに登って逃げていたっけ。

 その度にやんわりと父に注意されたものだった。

 静夏はそんな自分達を冷めたような目で見ていた。



 静夏なら多分子猫を幸せにするだろう。

 そう思いながら水野社長と別れて家に帰る。

 

 




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