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夏休みだ〜!

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 「真実、気をつけて行ってきてね。」

 「ああ。ありがとなっ!」

 泉と真実を送り出す。

 大きなバックを担いで真実が出かけて行った。

 

 ★


 「とりあえず昼過ぎまで勉強して、夕方涼しくなった頃に買い物に行こうか?散歩しながらさ。」

 そう言うと泉は微笑んだ。

 「透、夕飯後に一緒に映画見ない?今日観たい映画がTVで放送されるの。」

 「良いよ。じゃあそれまでにお風呂も済ませちゃいたいねえ。」

 泉が見たい映画って何だろう。
 少し気になったが後のお楽しみだ。

 

 泉と朝食を食べながら今日の予定を立てる。

 こんなにゆっくり朝ご飯を食べるのは久々だった。

 「泉、もう一枚パン食べる?焼こうか?」

 「うん。ありがとう。」



 食後にアイスコーヒーを飲みながら泉を見つめる。

 今日も相変わらず可愛らしい。

 …っていうか一週間2人きりか…。

 嬉しい様な怖い様な…。




 ★



 どちらかの部屋に行ってしまうとやっぱりエッチな雰囲気になってしまうのでリビングで勉強する。

 真実がいつも座っているイメージで勉強する。

 そうすれば泉のこともいやらしい目で見ずに済んだ。

 午前中2人とも集中でき、勉強が捗った。



 「ねえ泉、昼ごはん焼きそばでいい?」 

 「うん。ソース系ってたまらないよね。」

 泉と2人で焼きそばを作って食べる。

 「ん~ウマイっ!ソース最高っ!」

 「美味しいねっ。」

 泉がニコニコ美味しそうにご飯を食べるのを見るのは好きだった。

 「あっ!忘れてたっ!焼きそばに紅生姜乗せるのもさっぱりして美味しいよ。」

 「私も乗せてみるっ」

 泉の更に紅生姜を乗せてあげる。

 一口食べた泉が笑う。

 「本当さっぱりだねっ!」



 
 お昼を食べた後の勉強はしんどい。

 お腹が満足すると、眠くなってしまう。

 隣を見ると泉も眠そうだ。

 「泉…少しお昼寝でもしようか。俺眠くって…。」

 「うん。私ももう眠くなって来ちゃった…。」


 
 勉強会は急遽お昼寝会に変わる。

 「泉…部屋に戻って寝たら?俺も部屋で寝るよ」

 「うん…。」

 眠そうな泉と部屋に戻ろうとして気づく。 

 「ああ…俺の部屋のエアコン調子悪いんだった…。」

 昨日寝る前に調子が悪くなってしまい、修理に時間がかかると言われたばかりだった。

 「オレリビングで寝るね。」

 泉と別れてリビングのソファーに寝そべる。

 そのまま目を閉じるとあっという間に寝てしまった様だ。








 2時間ほど寝て起きるとちょうど泉も起きて来たので勉強再開。

 夕方までしっかり勉強して外が涼しくなりかけた頃泉と買い物に出る。

 泉とスーパーで食材を見て回る。

 「泉、茄子平気?」

 「うん。焼いたのとか美味しいよね。」

 「俺味噌で焼いたのすごい好きなんだっ作ってもいい?」

 
 泉と買い物をして外に出る。

 涼しい風か吹いていてとても良い時間だった。

 「真実いないと少し寂しいけど、2人暮らし始めたらこんな生活になるんだろうね。」

 「…そうだね。私は…全然…透と過ごせていい一日だったよ。」

 泉が微笑む。

 泉と手を繋ぎながらゆっくり話しながら家に帰る。



 

 泉と夕飯をつくって食事をし、お風呂を済ませる。

 いよいよ映画鑑賞だ。

 リビングのソファーに座りながらTVを見る。
 
 泉が観たいのって何だろう。

 なぜかタオルケットを頭から被っている泉。

 …もしかして俺すごい警戒されてる?!

 そう心配したのも束の間だった。

 「!!!!」

 始まった映画はホラー映画だった。

 しかもすごい怖い…。

 お化けが出るたびにタオルケットを被った泉がビクついている。

 「…。!!」

 「泉…怖いの好きなの?」

 「…っ!怖いんだけど…なんか観たくなっちゃうんだよね。1人じゃでも怖いし、真実は嫌がって一緒に観てくれないし…。」

 気づいたら泉がぴったりとなりにくっ付いている。

 …真実嫌がるってもしかしたら真実お化けが怖かったりするのかな?

 意外な真実の弱点か?!

 そう思った瞬間TV画面一杯にお化けが映る。

 「!!!!」

 泉が画面から目を逸らす。

 …怖いんなら観なきゃいいのに…。そう思いながらも恐る恐るTVを観る泉…。

 
 正直最初はびっくりしたが慣れてしまうとなんとなくお化けが出るタイミングも分かったし…。

 ありがちなストーリーだ。

 海外のホラーは人を驚かせるのが目的な作りが多いのに比べて日本のホラーはおどろおどろしい、じわじわくるものが多い。


 怖がる泉の肩を抱く。

 泉の肩を抱いていると怖さとかどうでも良くなってくる。

 泉が怖がる様子は可愛かった。

 

 
 
 
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