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喪失
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母が亡くなったのは12月の終わり、明日は大晦日という時だった。
家に母の着替えを取りに帰りに行っていた、まさにその時だった。
連絡を受けて大慌てで病院に引き返したのだが、その時には既に母は逝った後だった。
「ママ!?」
母のいた病室に駆け込むと、ベッドには顔に白布を掛けられた、母だったものが横たわっていた。
「……」
なんとなく、もう長くないだろうという予感はあった。
母は日を追うごとに元気を取り戻すどころか、寝ている時間が多くなっていた。
薬をきちんと飲んでいたし、医者の診療も受けていた。
……それなのに……
結局回復に向かうことはなかった。
★
霊安室に移動した私と母はしばらくの間2人で過ごした。
線香の煙がゆっくりと立ち昇っていく。
……とても静かだった。
家に母の着替えを取りに帰りに行っていた、まさにその時だった。
連絡を受けて大慌てで病院に引き返したのだが、その時には既に母は逝った後だった。
「ママ!?」
母のいた病室に駆け込むと、ベッドには顔に白布を掛けられた、母だったものが横たわっていた。
「……」
なんとなく、もう長くないだろうという予感はあった。
母は日を追うごとに元気を取り戻すどころか、寝ている時間が多くなっていた。
薬をきちんと飲んでいたし、医者の診療も受けていた。
……それなのに……
結局回復に向かうことはなかった。
★
霊安室に移動した私と母はしばらくの間2人で過ごした。
線香の煙がゆっくりと立ち昇っていく。
……とても静かだった。
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