3 / 54
さり気ない
しおりを挟む
「浅川おはよう。足大丈夫か?」
教室に来るなり話しかけられる。
「おはよう。2週間くらいは走れないなあ…。まあ、その間筋トレでもしてるしかないかって思ってるけど。」
真実の斜め前の席に座ろうとする。
狭い机同士の間を歩くのも厄介だ。
「ああ、浅川席代わろうぜ?その足じゃ…1番後ろの方が座りやすいだろ?」
「え、いいの?せっかくいい場所なのに…。」
「?なんだ?いい場所って?まあ1番後ろはたしかに少し広いけど。」
窓際で退屈な授業は窓の外でも眺めながら…。
しかし彼にはそんな考えは浮かばない様だ。
真実は机を入れ替えてくれる。
「はいどうぞ。浅川が良ければこのまま場所変わるけど?」
「え、本当にいいの?こんないい場所?」
真実は不思議そうに私を見る。
「いい場所って…こんなの何処でも一緒だろ?教室は狭いし何処にいても黒板も先生達の声も良く聞こえるし。」
「暇な時は窓の外でも見て時間潰せるよ?」
そう言うと真実は呆れた様な顔をした。
「暇な時って…授業は…。お前…バカになるぞ…?」
「大丈夫よ!私には健康な身体があるから!考えるより、動け!だよ」
真実が笑う。
「浅川って面白いな。」
★
…。
この席は最高だ。
授業中真実を眺める。
整った顔から耳の形やら首筋に…。
イケメンメガネ見放題!
飽きずにずっと見ていられる。
ある意味この席は危険だ。
真実をいくらでも見れるせいで全く授業が頭に入ってこない。
ぼんやり真実の後ろ姿を眺めていると突然真実が振り向いた。
「浅川…寝てんのか?お前当てられてるぞ?」
「はい?」
驚いて変な声が出てしまう。
黒板を見ると何人かが前に出て答えを書き出している。
自分の名前と見慣れない数式…。
「ああ…ってさっぱり分からないや…。」
何かしら書いてくるしかないか…。諦めて前に出ようとすると真実にノートの切れ端を渡された。
紙を見るとこれは…。
「ありがとっ」
真実に渡された紙に書かれた通りに黒板に書き写して席に戻る。
真実のお陰でその場は乗り切ることができた。
しかし…。
放課後部活に行こうとすると真実に呼び止められる。
「浅川、何処行くんだ?」
「?何処って部活に…。」
真実はチラリと私の足を見てため息をつく。
「その足でか?無理だな…。それよりお前、図書室行くぞ?」
「は?何でっ??」
「いい機会だから勉強するぞ?…ちなみにお前の留年を心配してる陸上部の顧問からは既に了承は貰ってる。むしろお前に勉強教える様に頼まれたぞ?。」
な、勝手なことを…。
本人を無視して…。
「2週間しか無いんだからキッチリやるぞ?ほら、カバン貸せ。」
真実は私のカバンを持って歩き出す。
……。
「俺が席変わったせいでバカになったなんて思われたく無いしな。」
「ううっ…。」
着いていくしかなかった。
それから2週間みっちり勉強させられたおかげか期末テストは平均点を取ることができた。
周りの女の子達は羨ましがっていたが…。
真実は見た目どうりスパルタだった。
教室に来るなり話しかけられる。
「おはよう。2週間くらいは走れないなあ…。まあ、その間筋トレでもしてるしかないかって思ってるけど。」
真実の斜め前の席に座ろうとする。
狭い机同士の間を歩くのも厄介だ。
「ああ、浅川席代わろうぜ?その足じゃ…1番後ろの方が座りやすいだろ?」
「え、いいの?せっかくいい場所なのに…。」
「?なんだ?いい場所って?まあ1番後ろはたしかに少し広いけど。」
窓際で退屈な授業は窓の外でも眺めながら…。
しかし彼にはそんな考えは浮かばない様だ。
真実は机を入れ替えてくれる。
「はいどうぞ。浅川が良ければこのまま場所変わるけど?」
「え、本当にいいの?こんないい場所?」
真実は不思議そうに私を見る。
「いい場所って…こんなの何処でも一緒だろ?教室は狭いし何処にいても黒板も先生達の声も良く聞こえるし。」
「暇な時は窓の外でも見て時間潰せるよ?」
そう言うと真実は呆れた様な顔をした。
「暇な時って…授業は…。お前…バカになるぞ…?」
「大丈夫よ!私には健康な身体があるから!考えるより、動け!だよ」
真実が笑う。
「浅川って面白いな。」
★
…。
この席は最高だ。
授業中真実を眺める。
整った顔から耳の形やら首筋に…。
イケメンメガネ見放題!
飽きずにずっと見ていられる。
ある意味この席は危険だ。
真実をいくらでも見れるせいで全く授業が頭に入ってこない。
ぼんやり真実の後ろ姿を眺めていると突然真実が振り向いた。
「浅川…寝てんのか?お前当てられてるぞ?」
「はい?」
驚いて変な声が出てしまう。
黒板を見ると何人かが前に出て答えを書き出している。
自分の名前と見慣れない数式…。
「ああ…ってさっぱり分からないや…。」
何かしら書いてくるしかないか…。諦めて前に出ようとすると真実にノートの切れ端を渡された。
紙を見るとこれは…。
「ありがとっ」
真実に渡された紙に書かれた通りに黒板に書き写して席に戻る。
真実のお陰でその場は乗り切ることができた。
しかし…。
放課後部活に行こうとすると真実に呼び止められる。
「浅川、何処行くんだ?」
「?何処って部活に…。」
真実はチラリと私の足を見てため息をつく。
「その足でか?無理だな…。それよりお前、図書室行くぞ?」
「は?何でっ??」
「いい機会だから勉強するぞ?…ちなみにお前の留年を心配してる陸上部の顧問からは既に了承は貰ってる。むしろお前に勉強教える様に頼まれたぞ?。」
な、勝手なことを…。
本人を無視して…。
「2週間しか無いんだからキッチリやるぞ?ほら、カバン貸せ。」
真実は私のカバンを持って歩き出す。
……。
「俺が席変わったせいでバカになったなんて思われたく無いしな。」
「ううっ…。」
着いていくしかなかった。
それから2週間みっちり勉強させられたおかげか期末テストは平均点を取ることができた。
周りの女の子達は羨ましがっていたが…。
真実は見た目どうりスパルタだった。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。
ねんごろ
恋愛
主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。
その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……
毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。
※他サイトで連載していた作品です
My Doctor
west forest
恋愛
#病気#医者#喘息#心臓病#高校生
病気系ですので、苦手な方は引き返してください。
初めて書くので読みにくい部分、誤字脱字等あると思いますが、ささやかな目で見ていただけると嬉しいです!
主人公:篠崎 奈々 (しのざき なな)
妹:篠崎 夏愛(しのざき なつめ)
医者:斎藤 拓海 (さいとう たくみ)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる