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旦那編 marito
48:スキャン Scansione
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急に、暗闇に引き込まれる。
あ、これはインスタンスだ。ベスはどうしたかな?
久しぶり感が強い。“冒険者の集う街„ に来てからインスタンスは初めてかも。
生命の腕輪の効果音が響く。
“インスタンス:スキャン„
明るくなったら、森の中に居る。
ベス、キミも一緒だね。
で、ここは何処だろう? “スキャン„ って何だろう?
「石の連弾!」
思わず横っ飛びに避ける。
いきなり攻撃して来る。しかも魔法攻撃?
相手の姿が見えないのは不利だ。
木の間を走って位置を移動する。ベスも近くを走る。
攻撃して来るということは敵に違いない。
「風の矢!」
魔法詠唱が聞こえ、攻撃が飛んで来る。
木の幹に隠れて攻撃をやり過ごす。
「泥濘! 火の矢!」
攻撃して来た付近に脚止し、火魔法を撃ち込む。
今度のインスタンスは何が何だか分からない。
この正体の分からない相手を倒せということだろうか?
何か動物が跳び掛かって来る。
咄嗟に避けると、ベスが迎え撃っている。
全く同じ大きさ、毛並も同じ、まるでベスのコピーだ。
「ベス戻って! 一旦距離を取るよ」
“なー„
ベスは利口だ。こちらの言うことに直ぐに反応する。
とにかく、一旦離れて相手を確認する必要がある。
木立の間を走る。
相手も付いて来ているようだ。足音が聞こえる。
とにかく、相手の姿を確認しないと話にならない。
「石の連弾! 風塵剤!」
地魔法発動と同時に薬剤《ポツィオーネ》を投擲する。どっちかは当たるだろう。
「うっ!」
相手の声で位置を確認し、剣を抜いて切り掛かる。
敵も剣で受け止める。
目前に相手の姿を確認する。
青い髪、紺の瞳。松葉色のチュニックとハーフパンツ、ブーツ。剣を持つ。
全く自分と同じ、こいつはドッペルゲンガーか?
これはやり難い。
「火炎剤! 麻痺剤!」
薬剤で攻撃して来ないのでやってみたら、意外に効いたようだ。
その時、自分の身体に細い光が走っているのに気付く。
見るとベスにも同じような光が走っている。
「雷迅!」
いきなり反撃して来る。
「憩いの水!」
何とか雷魔法の麻痺には耐える。
「なるほど、相手をスキャンして能力をコピーするのか」
ならば光を乱せばいい。
森の中を急速に移動する。
勝負を掛ける場所を探す。ベスが先行してくれる。
あった。少し開けた場所に湧き水のある小さな池、陽の光が明るく十分に差し込んでいる。
「青き波《オンダ・アッズーラ》!」
周囲に多量の水を撒き散らす。
「ダイアモンドダスト!」
氷の粒が一面に広がり、陽光が輝く。
これで、スキャンは無理だろ!
「雷迅! 麻痺剤!」
一瞬でも麻痺して貰えば十分だ。
「氷の矢《フレッチェ・ディ・ギアッチオ》!」
氷の破片が相手とパートナーのの身体を貫く。
「ベス行け!」
ベスは自分のドッペルゲンガーに跳び掛かる。
剣で貫く。
敵は弾けるように空中に消えて行く。
ふぅ、今回ばかりは息が上がった。
自分と戦うほど難しいのはないな。自分の姿に攻撃するのは、やはり躊躇う。
厳しいインスタンスだった。ベスも、ご苦労さま。
生命の腕輪の効果音が響く。
“インスタンス:スキャン クリア„
あ、これはインスタンスだ。ベスはどうしたかな?
久しぶり感が強い。“冒険者の集う街„ に来てからインスタンスは初めてかも。
生命の腕輪の効果音が響く。
“インスタンス:スキャン„
明るくなったら、森の中に居る。
ベス、キミも一緒だね。
で、ここは何処だろう? “スキャン„ って何だろう?
「石の連弾!」
思わず横っ飛びに避ける。
いきなり攻撃して来る。しかも魔法攻撃?
相手の姿が見えないのは不利だ。
木の間を走って位置を移動する。ベスも近くを走る。
攻撃して来るということは敵に違いない。
「風の矢!」
魔法詠唱が聞こえ、攻撃が飛んで来る。
木の幹に隠れて攻撃をやり過ごす。
「泥濘! 火の矢!」
攻撃して来た付近に脚止し、火魔法を撃ち込む。
今度のインスタンスは何が何だか分からない。
この正体の分からない相手を倒せということだろうか?
何か動物が跳び掛かって来る。
咄嗟に避けると、ベスが迎え撃っている。
全く同じ大きさ、毛並も同じ、まるでベスのコピーだ。
「ベス戻って! 一旦距離を取るよ」
“なー„
ベスは利口だ。こちらの言うことに直ぐに反応する。
とにかく、一旦離れて相手を確認する必要がある。
木立の間を走る。
相手も付いて来ているようだ。足音が聞こえる。
とにかく、相手の姿を確認しないと話にならない。
「石の連弾! 風塵剤!」
地魔法発動と同時に薬剤《ポツィオーネ》を投擲する。どっちかは当たるだろう。
「うっ!」
相手の声で位置を確認し、剣を抜いて切り掛かる。
敵も剣で受け止める。
目前に相手の姿を確認する。
青い髪、紺の瞳。松葉色のチュニックとハーフパンツ、ブーツ。剣を持つ。
全く自分と同じ、こいつはドッペルゲンガーか?
これはやり難い。
「火炎剤! 麻痺剤!」
薬剤で攻撃して来ないのでやってみたら、意外に効いたようだ。
その時、自分の身体に細い光が走っているのに気付く。
見るとベスにも同じような光が走っている。
「雷迅!」
いきなり反撃して来る。
「憩いの水!」
何とか雷魔法の麻痺には耐える。
「なるほど、相手をスキャンして能力をコピーするのか」
ならば光を乱せばいい。
森の中を急速に移動する。
勝負を掛ける場所を探す。ベスが先行してくれる。
あった。少し開けた場所に湧き水のある小さな池、陽の光が明るく十分に差し込んでいる。
「青き波《オンダ・アッズーラ》!」
周囲に多量の水を撒き散らす。
「ダイアモンドダスト!」
氷の粒が一面に広がり、陽光が輝く。
これで、スキャンは無理だろ!
「雷迅! 麻痺剤!」
一瞬でも麻痺して貰えば十分だ。
「氷の矢《フレッチェ・ディ・ギアッチオ》!」
氷の破片が相手とパートナーのの身体を貫く。
「ベス行け!」
ベスは自分のドッペルゲンガーに跳び掛かる。
剣で貫く。
敵は弾けるように空中に消えて行く。
ふぅ、今回ばかりは息が上がった。
自分と戦うほど難しいのはないな。自分の姿に攻撃するのは、やはり躊躇う。
厳しいインスタンスだった。ベスも、ご苦労さま。
生命の腕輪の効果音が響く。
“インスタンス:スキャン クリア„
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