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天空から雫が降りてくる。
それが心臓の真ん中で破裂し、波紋が虹色となって全身に絡みつく。
ふわふわと、魂が舞い上がり、中心から渦が発生
浮世の垢を弾き飛ばそうとする。
長年染み付いた欠片どもはなかなかしぶとい。
えぇい! 煩い奴らめ!
意識が爆ぜる。
「ゲームがやりたい~~!」
と叫んでいた。
「やれば?」
夫が冷静に応える。
「違うのよ! もっとこう……血が滾る様な……心が燃え上がるような……」
「萌え上がってやれば?」
「いや、それ字ちがう。そうじゃなくて
なにかこう……ハマりコむような……人生捨ててもいいような……」
「魂の叫びを無為にすることはできない。これが真実、とりあえず探してみよう」
そういう訳で私たち夫婦はネットの中で泳ぎ回ることとなる。
いろいろ、色々、イロイロ、本当に彼方此方、探し回ったのだが、どれもこれも何処かに在るような、お約束のものばかり
生の身体で感じたいのよ。ゲームを!
生命のやり取りくらいの危機感が欲しいのよ。
確かにお手軽に遊ぶにはいいかもしれない。
でも、そうじゃないの。燃え上がりたいの、全身全霊で戦ってみたいの
で辿り着いた。
「イル・モンド?」
「うん、“世界„ って意味だね」
「どうしてこれ?」
「情報がないんだよね~、普通オンラインゲームって攻略サイトが必ずあって、事前にある程度の知識が得られるんだけど。これは、あやふやな情報ばかりで、まとまった攻略サイトなんかない」
「なんでだろ?」
「なんだか、状況というか状態というか、どんどん変化して、普通のゲームのような固定情報が全く役に立たないらしい」
「常に新鮮、一期一会ね」
「これなら緊張感が維持されそう、とは思う」
「分かった試してみようよ!」
「それじゃ必要機材を買いに行こうか」
夫と二人で電気街へ向かう。
で、始める前に夫といろいろ相談した。
「一緒に始めるのはいいとして、最初から一緒に行動する?」
「嫌よ! 毎日見てる顔とゲーム内でも一緒とか」
「愛情について、小一時間ほど話合う必要がありそうだけど、一緒の行動が制約になりそうだというのは理解した」
「お互いにキャラ名は教えないし、何処に居るのかも知らせない。全くの別行動にしましょ!」
「まぁ、そうすれば、ゲーム内で出会ったとしても、本人かどうかも分からないから、それはそれでいいと思う。でも夫婦生活に重大な影響が出るようなら、そこは相談だね」
「そこは自重します」
なんだかんだと優しい夫、この人から離れる気はない。その人生だけは捨てないように気を付けよう。
こうして、私たち夫婦のゲーム・ライフは開始される。
それが心臓の真ん中で破裂し、波紋が虹色となって全身に絡みつく。
ふわふわと、魂が舞い上がり、中心から渦が発生
浮世の垢を弾き飛ばそうとする。
長年染み付いた欠片どもはなかなかしぶとい。
えぇい! 煩い奴らめ!
意識が爆ぜる。
「ゲームがやりたい~~!」
と叫んでいた。
「やれば?」
夫が冷静に応える。
「違うのよ! もっとこう……血が滾る様な……心が燃え上がるような……」
「萌え上がってやれば?」
「いや、それ字ちがう。そうじゃなくて
なにかこう……ハマりコむような……人生捨ててもいいような……」
「魂の叫びを無為にすることはできない。これが真実、とりあえず探してみよう」
そういう訳で私たち夫婦はネットの中で泳ぎ回ることとなる。
いろいろ、色々、イロイロ、本当に彼方此方、探し回ったのだが、どれもこれも何処かに在るような、お約束のものばかり
生の身体で感じたいのよ。ゲームを!
生命のやり取りくらいの危機感が欲しいのよ。
確かにお手軽に遊ぶにはいいかもしれない。
でも、そうじゃないの。燃え上がりたいの、全身全霊で戦ってみたいの
で辿り着いた。
「イル・モンド?」
「うん、“世界„ って意味だね」
「どうしてこれ?」
「情報がないんだよね~、普通オンラインゲームって攻略サイトが必ずあって、事前にある程度の知識が得られるんだけど。これは、あやふやな情報ばかりで、まとまった攻略サイトなんかない」
「なんでだろ?」
「なんだか、状況というか状態というか、どんどん変化して、普通のゲームのような固定情報が全く役に立たないらしい」
「常に新鮮、一期一会ね」
「これなら緊張感が維持されそう、とは思う」
「分かった試してみようよ!」
「それじゃ必要機材を買いに行こうか」
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「そこは自重します」
なんだかんだと優しい夫、この人から離れる気はない。その人生だけは捨てないように気を付けよう。
こうして、私たち夫婦のゲーム・ライフは開始される。
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