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5:大森林観測村VSガムラン町

728:吠えろ魔銃オルタネーター、VR対応カップ麺と魔導馬車

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「ルリーロちゃぁーん、聞ぃこぉえぇるぅー
 ザッ――ひゅっぼっごわわわわわわわわわぁぁぁぁぁぁぁぁんっ――――!!
 ッィィィィィィィィィンッ――――ひかりおとも無く、また空撮映像ドローン一部いちぶ通信途絶ブラックアウトした!

 耳栓ヘッドセット信号シグナルは、ちゃんと奥方さまルリーロみみからとどいてるけど――
 五百乃大角こっちこえは、あんまりとふぉいてねぇな。

「(どーすんだぜ、五百乃大角めしがみさまよぉ――ぅ!?)」
 『▼▼▼ピピピッ♪』、『▼▼▼ピピピッ♪』、『▼▼▼ピピピッ♪』――
 何処どこから湧いたのか、東側むこうもりうつし出す映像モニタはしに――
 あかちいさなかにが、縁取ふちどられた。

 ふぉん♪
「ザザヒュウッ――シガミー、てきが増えたよ?」
 ふぉん♪
『ルガレイニア>シガミー、まだ小蟹が居るようです』
 空撮映像えいぞうを見た、鬼娘オルコトリア蜂女ルガレイニアが、即座そくざ反応はんのうするが――

「あんなのは、大蟹バリアントまわりをまわるニゲルに、まかせとけば良い――ニャァ♪」。
 言うそばから、小蟹こがににくっついた動体検知アクティブ・トラッカーが――
 ――『ポコン♪』、『ポコン♪』、『ポコン♪』と消えていく。

「ザザザザッ――ぐぅわぉうるるるるっ――――!?」
 ザッ――ひゅっぼっごわわわわわわわわわぁぁぁぁぁぁぁぁんっ――――!!
 妖弧ようこルリーロさまは、小蟹こがにには目もくれず――
 尻尾しっぽを揺らして、あた一面いちめん蒼炎ほのおけぶらせている。
 あのほのおは、ひとこそ燃やさんが――
 なかあぶられていて、平気へいきものでもねぇ。

「(やぃ飯神めしがみさまよ、いまこそ出番でばんだ! たのむから、その知恵ちえを貸してくれやぁ!)」
 それとも、いくらおまえさまでも、大森林だいしんりん反対側はんたいがわに居る妖弧ようこ手綱たづなにぎれんかぁ?

「(ふふん、簡単かんたんわよ――めしにはめしを。あたくしさまにわぁ――すべからく、おかわりおぉ)」
 おれの目のまえ轟雷ゴウライを着たことで増設ぞうせつされた〝積層せきそうモニタ〟のおくから、必死ひっし手前てまえに駆けてくるのは――
 さか鏡餅かがみもちちいさいやつ|(梅干うめぼサイズ)。
 丸茸まるきのこ根菜こんさいのようなかたち

 其奴そいつかかえているのは――
「どうした、そのどんぶりわぁ……なんだぜ?」
 矢鱈やたらおおきなどんぶり
 実際じっさいおおきさは普通ふつうおおきさの丼鉢どんぶりばち程度ていどなんだろうが――
 梅干しいおのはらアイコンが、どんぶりアイコンをかかえたいま状態じょうたいじゃ、まるで風呂釜ふろがまのようだぜ。

 『復刻版 囙圑囮圄|(ヨフカゴ)食品/おっきいお揚げが入った~関西風きつねうどん』
 なーんてふたに書かれた文字もじや、熱々あつあつお揚げ・・・を見るに……食いもんらしいが。
 ふぉん♪
『>>パッケージから察するに、即席の〝カップうどん〟と思われ』
 うん、そうだな。

 ふぉん♪
『ヒント>カップうどん/カップ麺の一種。耐熱容器に入った乾燥麺に、熱湯を注いで3分程度で食べられる即席うどんのこと。正式名称は〝即席カップめん〟で、内容物により、カップラーメン、カップうどん、カップ焼きそばなどとも呼ばれる【地球大百科事典】』

 ふむ、なるほど。
 お湯を入れて食えるようになる仕組み・・・は、〝魔法粥まほうがゆ〟とおなじだが――
 ふたえがかれた絵を見るに――相当そうとう、凝っためしだな?

「(そうわよ~。手順てじゅん間違まちがえたら、食べられないわよ)}
 手にした軽そうな丼カップうどんを――パシャリッ♪
「うをっ、まぶっしいだろぉがぁ!!――ニャァ♪」
 ひからせた目で照らす・・・美の女神御神体ねがみめんど

 ふぉふぉふぉふぉん♪
『【調理方法】お湯の目安は430㎖です。
 ①フタを矢印まではがし、粉末スープ、液体スープ、かやくを取り出す。
 ②かやくを麺の上にあけ、熱湯を内側の線まで注ぐ。
 ③フタをして、液体スープをフタの上で温める。
 ④5分後、粉末スープ、液体スープを加え、よくかきまぜる。
 ⑤お好みで七味唐辛子をかけて、お召し上がり下さい。』

 凝った飯カップうどん画像がぞうが、何枚なんまいも切り取られ――画面モニタそとへ消えていく。

「ルリーロちゃぁん♪ あらぶるいかりをしずめてくれるならぁ、この秘蔵ひぞう魔法まほうの〝きつねうどん〟おぉ――とくべつっにっ、進呈しんていしてもっ良いのだけれどぉ――
 ふぉん♪
『イオノ>じつわ、仕事で研究室に詰めてたときに、カップ麺を毎日食べてたら、VR対応カップ麺の引き換えコードが、山のように当たっちゃってたのを、ついさっき思い出したわよ♪』
 わからんが、あまもんってことだな?
 奥方さまルリーロわぁかりにも、辺境伯だいみょう名代みょうだいさまだぜ。
 のこめしに釣られるような、タマじゃねぇとおもうんだが。

「ザザザッ――ぐぅわぉうるるるるっ――――お揚げ・・・……わぁ、どんなのぉ?」
 んぅ?
「もちろん、おっきくてジューシーなのがぁ、どーんっと乗ってるわよん
 どうやら、余り物あぶらあげ画像がぞうを見て、正気しょうきもどったらしいぜ。
 そういやぁ、祭りフェスタときつくってやった〝きつねうどん〟を――
 よろこんでくれてたっけな。

 ザヒュゥゥ――――ぅごごごごぉうぼぼぼぼぼぼわぅ♪
 狐火きつねびがシュルシュルと――湧き出たのとは逆向ひゃくむきに、もどっていく。
 すっかりちいさくなった蒼炎ほのおが――――ごぉぅわぁぁ、しゅるぽん♪
 辺境伯名代ルリーロさまくちに、吸い込まれた。

 おれは蜂女ルガレイニア様子ようすうかがう。
 いま狐火きつねび動き・・は、彼女リオレイニア彼女リカルル下したときの・・・・・・――「炎をわざ!」だ。

 かるひらかれ、またすぐ閉じられるはちくち
「(類推るいすいになりますが、〝狐火封じ・・・・を、自ら行える・・・・・〟ということ――)」
 ああ多分たぶん、リオのわざ奥方さまルリーロには、つうじねぇんじゃねぇかとおもう。

   §

「ザザザザヒュゥゥッ――魔導馬車まどうばしゃ番改ばんかい左前方ひだりぜんぽう洞窟蟹どうくつがにへ、〝かえんのたま・・・・・・はなてぇーらららぁぁん!」
 ドコッダカッ、ドコドコッ、ダカダカッ、ドコカカカッ――――!!

 王女殿下ラプトルさまあやつる、四つ足の馬車・・・・・・
 その側面そくめんにある――『〔'□'〕』――かおのような作り・・
 そのくち部分ぶぶんから突き出た、ややふとめの鉄管てつくだ
 そのあなの開いた先端せんたんから、吹き出すのは――

 ザザザッ――ぼごぉうわぁぁっ♪
 狐火おにびとはちがい、あかくなびく、燃えさかるほのおが――
 かに足下あしもとに生える、くさしげみを燃やしていく。

「ザッ――炎曲えんきょく苗木なえぎ――!」
 ザザザッ――ぷすぷすん、ひゅぅぅぅう♪
 ほのおくすぶり、白煙はくえんと化す。

 ザザザッ――ニョキニョキバキバキョッ!
 白煙はくえんは木の芽を、息吹いぶかせ――
 良くしな太蔓草ふとつるくさへと、変貌へんぼうする。

 ふぉふぉん♪
『>>理論上はニゲル青年の一振りにも、二度までなら耐えます』
 そりゃぁ、すげぇ!
 見た目は焼け焦げた蔓草・・・・・・・でしかないが、ソレは――
 ぎちり・・・と編み込まれた、炭素製カーボンせい強靱きょうじんなワイヤーなのだ。

 魔銃オルタネーター五百乃大角いおのはらの組み合わせは、つよすぎてやばかったが。
 魔導馬車5番改ひをはくばしゃ炎曲の苗木フォチャカの組み合わせも、尋常じんじょうじゃぁねぇぞぉ!

「ザザザヒュゥ――ふふん、むすめよ♪ おぼえておくと良い。大蟹てきがどれほど魔術耐性まじゅつたいせいすぐれていようと、動けなければ・・・・・・意味いみなどないのですよ♪」
 ドガガガガガッ、ギャリリリリッ――――ビギギギギィィィィィィィンッ♪

「(ミギアーフきょう縫い針のような・・・・・・・特殊とくしゅ魔法杖まほうつえも、力学的りきがくてき完璧かんぺき仕事しごとをしていま)」
 針刺はりさおとこニードラーの二つ名・・・を持つ、フォチャカの父上殿ちちうえどの
 かれ人となり・・・・普段ふだん、とても巫山戯ふざけていて――
 とうてい凄腕すごうで冒険者ぼうけんしゃには、見えないが。
 むかしなじみであるらしい、辺境伯名代ルリーロさまのまえでだけは、全盛期ぜんせいき実力じつりょく取り戻すのだ・・・・・・

「ココォン――リカルルちゃんのぶんとぉ、辺境伯さまラウラルぶんを合わせてぇ……全部ぜんぶみっつくれるならぁ、あらぶるいかりがぁしずまりぃまぁるぅかもぉしーれーまーせーんーねぇー♪」
 ふぅい。やっと正気しょうきもどった様子ようすの、辺境伯名代ルリーロさまは――
 空撮映像ドローンへ向かい、3本指を・・・・立てて見せるのであった。
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